電子書籍
ザリガニの鳴くところ
著者 ディーリア・オーエンズ , 友廣 純
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。...
ザリガニの鳴くところ
ザリガニの鳴くところ
商品説明
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。
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紙の本
高評価の作品ですが
2023/09/30 14:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶賛する書評を見て読んでみたのですが、私には合いませんでした。
主人公はとても気の毒な女性だと思いますし、逆境の中逞しく生き抜いたのも立派だとは思います。
ただ、読んでいる途中で真相に気づいてしまい、そうなると結局は「世の中の物の見方」が正しくなる、つまり偏見や先入観を裏打ちすることになる、その点がどうにも受け入れ難い。
紙の本
過酷な現実の中に無垢な少女
2023/08/29 06:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい自然の中でけなげに生きるヒロイン、大人たちの身勝手さに憤りを感じます。事件は後半の法廷劇へと収れんしていきますが、社会へのメッセージは一貫していました。
紙の本
ザリガニの
2023/05/31 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじを聞いた時、コミュニティの偏見から有罪になりそうな少女を善意で助けようとした弁護士が、しかし話をしているうちに彼女が人間社会の倫理観で生きてないかもしれないことに気づき…みたいな話なのかと思っていた。全然違いました。書かれているのはカイアの内面、内面、内面。ミステリアスな女などでは決してない彼女の人生について読者がかなり詳しくなったところで、さて真相は、となる。終盤でかなりヒントがあるから、最後はや、やっぱり…!とはなるんだけど、それでもすごく面白かった。
映画の方も気になる。これを映画にするのはかなり端折らないと難しそうだけど、湿地や生き物の描写は映像でも見てみたい。
電子書籍
リアリティゼロなんだけど
2023/02/23 00:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Eternal Kaoru - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は小学校に1日しか行っていないのに,かつ人家と隔絶した湿地に一人で住んでいます.1950年代のアメリカでこんなことがあったのでしょうか.あったとして,彼女はボーイフレンドに読み書きと数の数え方を教えてもらっただけで相対性理論を理解しています.なんで?
また,彼女のスケッチ集が一流出版社から続々と出版されます.素人の持ち込み原稿同然の原稿がこんな厚遇を受けることはあり得ないでしょう.
ほんの遊び相手として付き合った女たらしの男が,結婚後も彼女からもらったペンダントをつけています.不自然すぎます.
法廷シーンもひどい.検事も弁護士ももっと詳細に当時の状況(潮流の向きとか)を調べるはずでしょう.
リアリティゼロなので評価は低くしておきます.ラストは実も蓋もなくてちょっと好きです.
紙の本
動物行動学からも素晴らしい内容
2022/12/03 13:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る
全世界1500万部突破、2019年・2020年アメリカでいちばん売れた本、というだけあって、確かにこれは中身の濃い小説だと思った。この作家は動物学の博士号を取得されてることもあって、人間も含め動物行動学の要素を取り入れてるところが素晴らしいと思った。読書が苦手な方は映画から見るのもオススメです。
紙の本
壮大でちっぽけな人間の物語
2022/11/25 10:55
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞書評などで話題になっていたと当時に購入したものの、翻訳本であることからやや敬遠し、長らく積ん読になっていた一冊。
映画化を機に(映画を観てとても良かったため)読んだ。
どちらが先がいいか、普段は原作を読んでからだと思うが、この物語に関しては、いずれが先でも十分楽しめる内容であると思った。ミステリーとしてのストーリー展開もだが、湿地の自然の描写などが映像化にふさわしい書きぶりだからだ。生物学者である著者の豊かな見識が生きた作品だ。
湿地の中の家に独りで暮らす貧困層の少女カイア。「湿地の娘」とのレッテルを貼られ、村でも蔑まれている。1969年のある日、殺人容疑で収監されてしまう。
その捜査や裁判の過程を挟みながら、少女の過酷な人生が語られていく。
果たして殺人犯は―。
衝撃的な結末は、映画より小説の方がシンプルかつ確定的に描かれているように思う。また小説では合間合間に詠まれる「詩」が一つの軸となっており、この詩に関しても最後に秘密が明かされる。
貧困やDVといった社会問題を扱うミステリーでありながら、大自然の中で過酷な人生を生き抜く少女を主人公にした恋愛小説の要素もある。
全体を通して響くのは、人間もまた自然の一部であり、やがて土に返る存在だという自然の摂理への敬意のような気がした。
壮大でちっぽけな人間の物語である。
紙の本
儚くも悲しい…
2022/11/23 21:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆみこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜の10時に読み始めて、あまりの面白さに引き込まれて朝の7時まで夢中で一気に読んでしまいました。
儚くも悲しい少女の物語です。
読後長も数日は少女の面影を引きずって、胸がきゅっと苦しくなりました。
紙の本
こういう結末なら大歓迎
2022/09/06 11:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの「ザリガニの鳴くところ」というのは、茂みの奥深く、生き物たちが自然のままの姿で生きている場所、ということらしい。テイトが教えてくれた。まさに主人公海カイアは、そんな湿地で少女時代から一人暮らしをやむなくされた。村の青年、チェイスが火の見櫓で殺された、彼は優秀なQBで村の人気者だった。彼を殺した犯人は誰なのか、もしかしたらテイトかもしれないと考えた、それだけはあってほしくなかった、カイヤとテイトは最後は結ばれるべきだと私は思っていたから。テイトは犯人ではなかった、そして二人は結ばれた、よかった、よかった、じゃ、犯人は誰?、湿地の生き物に詳しいカイアはホタルやカマキリの雄と雌の交尾について何回も言及していたから、察しはついていたけど、こういう結末なら大歓迎
紙の本
なーんだ
2022/03/29 12:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局、文中に解答は示されてたわっけね。
あと、文章を読めることと、内容を理解することって全く別物だと思う。
飛躍しすぎ。
自然の描写とかは良かったけど。
電子書籍
69歳の処女作
2022/03/24 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
それに驚きました。内容は、少し、長すぎる。こんなにだらだら、書かなくても、もっと短くまとめられた内容だと思いました。カイアの生い立ちが、悲しすぎる……
紙の本
幸せを祈りつつ
2021/10/26 21:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりに評判が良いので、あまり外国の小説は読まないのですが、購入しました。湿地はなじみがないものの、その描写力に、一気にその場にひきこまれました。ミステリーというよりも、過酷な環境で、一人生き抜く少女の成長、また女性としての人生が濃密に描かれていました。胸が痛くなるような中、ただひたすらヒロインの幸せを祈りつつ読みました。動物学者の著者が70歳近くに書かれた初の小説ということにも驚きです。
紙の本
これはすごい大作だ
2021/10/13 21:33
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
熱い厚いあついとても素晴らしい作品です。
主人公のことが大好きになりました。
近くにいる少しの味方の方々の、彼女への愛情がやはり熱いのです。
動物にもたくさん会えます。動物の行動にも驚かされます。
511頁もありますが、グイグイ読み進められました。
読み終えた時、大きな声で叫びたい気分でした。
文句なしに大好きな本です。
紙の本
愛とは
2021/08/30 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんや - この投稿者のレビュー一覧を見る
沼地で暮らす少女が差別や偏見に屈せず力強く生きる作品 恵まれない環境ながらも真っ直ぐ生き、人の優しさに触れ愛を育む。貧困、人種差別の土俵で無垢な優しさが控えめに、でも力強く辺りを照らす。憎みきれない家族の愛も他人事ではない気がした
電子書籍
圧倒的な自然描写
2021/07/03 22:24
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞の書評を見たときからずっと読みたいと思っていた本です。
自然の描写力に圧倒されました。まるでジョセフコンラッドの本に出てくるような
濃密な湿地を思い浮かべました。
そのうえで、挿入されている詩ストーリーの展開をになっていることも魅力的です。
著者は動物学者でもあり、長年アフリカで研究をしていたという方なので、
観察力は言うまでもないのですが、小説としてこれほど詳細に表現できる力もある、アメリカのSTEAM教育を目の当たりにした気がします。
訳者の後書きにもあるように、この本はサスペンスとしても上質ですが、少女の成長譚としても、また自然観察の描写としても上質な読み物となっており、とても重層的な味わいがありました。
それにしても、70歳にして初の小説がこれほどの完成度とは。年を重ねることへ少しパワーをもらった気がします。
紙の本
ザリガニ
2021/05/31 17:26
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞翻訳小説部門や、みんなのつぶやき文学賞海外篇1位、翻訳ミステリー読者賞など、話題満載のこの本はどういうものだろうという思いから読んでみました。思いもよらない結末でした。