- 販売開始日: 2020/03/11
- 出版社: ニューズピックス
- ISBN:978-4-910063-05-8
世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学
著者 近内悠太
■第29回山本七平賞・奨励賞 受賞■紀伊國屋じんぶん大賞2021(紀伊國屋書店 主催) 第5位 入賞■読者が選ぶビジネス書グランプリ2021(グロービス経営大学院+fli...
世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学
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商品説明
■第29回山本七平賞・奨励賞 受賞
■紀伊國屋じんぶん大賞2021(紀伊國屋書店 主催) 第5位 入賞
■読者が選ぶビジネス書グランプリ2021(グロービス経営大学院+flier 主催)リベラルアーツ部門 第4位 入賞
これが、ニュー・ノーマル時代を切り拓く哲学書。
「ずっとじぶんでも考えていたことが、別の光を当ててもらったような気がして、読んでいて興奮しました」
――糸井重里(株式会社ほぼ日 代表)
「わたしはすでに受け取っていたんだ。読むと次にパスをつなげたくなる本」
――伊藤亜紗(東京工業大学准教授・美学者)
「贈与を受け取ったから、私は家族の物語を書きはじめました」
――岸田奈美(作家『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』)
「人間の『こころ』の力動の機微をとらえる近内さんのセンスには肌の温かさと機械の精緻さがある」
――茂木健一郎(脳科学者)
「コロナ後の経済は『贈与』を軸に駆動します。必読でしょう」
――山口周(独立研究者)
2020年最有望の哲学者、「希望」のデビュー作
この資本主義社会で「お金で買えないもの=贈与」が果たしている役割とは何か?
「人間」と「社会」の意外な本質を、みずみずしく平易な文体で驚くほどクリアに説き起こす。
ビジネスパーソンから学生まで、
見通しが立たない現代を生き抜くための、発見と知的興奮に満ちた「新しい哲学」の誕生!
「一見当たり前に存在しているこの『世界』の成り立ちを、『贈与』や『言語』、『常識」の成り立ちを通して説き起こした鮮烈なデビュー作。
人間の『こころ』の力動の機微をとらえる近内さんのセンスには肌の温かさと機械の精緻さがある。
ウィトゲンシュタインと小松左京の本書を通しての出会いは思考世界における一つの『事件』。
社会の見え方を一変させ、前向きに生きるために、この本を処方せよ!」
―――茂木健一郎
目次
第1章 What Money Can't Buy――「お金で買えないもの」の正体
第2章 ギブ&テイクの限界点
第3章 贈与が「呪い」になるとき
第4章 サンタクロースの正体
第5章 僕らは言語ゲームを生きている
第6章 「常識を疑え」を疑え
第7章 世界と出会い直すための「逸脱的思考」
第8章 アンサング・ヒーローが支える日常
第9章 贈与のメッセンジャー
目次
- 目次
- 第1章 What Money Can't Buy――「お金で買えないもの」の正体
- 第2章 ギブ&テイクの限界点
- 第3章 贈与が「呪い」になるとき
- 第4章 サンタクロースの正体
- 第5章 僕らは言語ゲームを生きている
- 第6章 「常識を疑え」を疑え
- 第7章 世界と出会い直すための「逸脱的思考」
- 第8章 アンサング・ヒーローが支える日常
- 第9章 贈与のメッセンジャー
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市場経済に回収されないもの
2020/04/20 17:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MK - この投稿者のレビュー一覧を見る
与えられるには自分から与えなければならない。そのようにして社会が回っていることは、経験的に自明なものであるが、市場経済がそれを覆い隠して見えなくしている。そこにスポットライトを当てた本書は、魅力的な具体例を提示しながら粘り強く論じ、読む者を飽きさせない。
また、文体といい内容といい、この若き筆者は内田樹の影響を受けているとみた。
「想像力」がもたらす「気づき」。
2021/01/29 14:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「お金で買えないもの」の正体は何なのか。
誰しもそういったものが存在していることに薄々気づいてはいるものの、明確にそれの正体を言いきることが出来ない。
本書では「お金で買えないもの」を「贈与」と呼び、「贈与」の正体を炙り出していく。
本書の魅力の一つとして、多種多様なジャンルから「贈与」へと結びつける展開が挙げられる。
哲学や経済学はもちろんのこと、科学史やSF小説から漫画、はたまたJ-POPまで登場する。
著者の博識ぶりと、それらの知識を組み合わせる聡明さには驚くばかり。
本書に登場する「ヴィトゲンシュタイン哲学」や「求心的思考、「逸脱的思考」等の専門的な知識も、
著者が我々に馴染み深いもので例えてくれるため非常に理解しやすい。
ありとあらゆるものを商品にする資本主義。
本書ではそれを糾弾するのではなく、そういったシステムが土台にあるからこそ「贈与」というアノマリー(変則性)が見えると述べる。
しかしそれに気づくためには、受け手の「想像力」が必須で、それを養うために我々は勉強する必要があるのだ。
我々が日々の暮らしの中で、気づかぬうちに受け取っていた「贈与」。
本書は我々が見落としていた「贈与」に光を照らしてくれる。
本書読了後は世界の見え方が変わっていることだろう。
KANSHAして
2020/10/24 23:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜパートナーは欲しいものでないリスクがあるのにプレゼントを欲しがるのか。自分の好きなものを買える余裕もあるのに。
「お金で買えない価値がある。買えるものは某カードで」って、贈り物を買えってことだろうか。
資本制、万物の商品化が進んでも信頼とか責任を生むのは人と人との負い目の意識、しがらみなのかもしれない。
結構、本社が問うてる内容は難しいと思う。日常の暮らしを営むのは実はとても困難で偉大な仕事である、贈った人は実は与えられた人であるとか。
資本制を否定するというわけではないが、贈与の力学がそのスキマを埋めていること、ヒトが支えあっていることに自覚的であれ、ということも言っているのではないだろうか。
中途半端なファッション誌
2020/08/31 22:21
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の冒頭ではマイケル・サンデルから始まり、「サピエンス全史」が引用され、内田樹や東浩紀の言葉が語られ、ウィトゲンシュタインに至るまで思考が様々に広がっていくものの、全編を通した率直な感想として、オリジナリティがないように感じられる。
また、資本主義の「すきま」を埋めるために、社会には「贈与」が必要というのが本書の訴えだが、「贈与」と「交換」の違いが、読み進めるほどに分からなくなってしまった。
総じて定義付けがあいまいなまま論が進められ、しかも現実から乖離した抽象的な論が多く、内容が頭に残らない。
本書の後半に出てくる「テルマエロマエ」には、唐突感も感じられる。流行ったものや有名なものを、「贈与」に無理やりこじつけているようにしか感じられない。
確かに、本書で語られているように、小松左京のSFなど、「贈与」に絡めた説明はできるが、別に絡めなくても説明はできる。「贈与」を持ち出す必要性がないのである。
論理的に何かが説明されて、それは分かるけど、で、なに?というような、悪い哲学書の見本市である。
途中には「セカイ系」についての言及もあるが、こうなってくると、とっ散らかってる印象しか残らない。
小松左京の引用が多く出てくるが、結末までは書かずに、本編に投げている。もう初めから小松左京を読めばいいという感想しか出てこない。
ここにあるのは果たして、贈与なのだろうか、交換なのだろうか。
ただの縮小再生産ではないのだろうか。
本書では「贈与論」について語られていないが、「贈与」を語る上で欠かせないアメリカ先住民族の「ポトラッチ」という文化がある。有名なところでは、トーテムポールを儀式のために作り、そして燃やすということがある。
ポトラッチは、相手よりも大きな贈与を行う文化である。
ポトラッチの文化に照らせば、縮小再生産は、贈与ではない。
これは贈与ではない。
ここには付加価値がない。
本書は「ニューズピックス(News Picks)」から発行されている。
それを踏まえると、オジサン世代のビジネスマンが、仕事の本だけじゃなくて、思考の幅を広げるために哲学チックな本も読んでるんだぜと、頭良いように見せたいために読む、ファッションの読書のための本に感じられた。
読後感は悪い、というか、すっきりしない。
もやもやが残る一冊である。