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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の財務の劣化は著しく、その数値は金融危機の起きたギリシャ、スペインより遥かに悪い。これまで持ってきたのは国内資産と日本への信用のおかげ。
しかし、COVID-19で大恐慌以来の危機との声もあるなかいつまでその信用が続くだろうか。
真山氏は変われぬ日本に相変わらず鋭い。
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「オペレーションZ」は、日本国家のいびつな財政を正常化するために内閣府に設置された組織…というかもっと少数精鋭のチーム。そして、その目標とするところは、国家予算をいきなり半減させようとするぶった切りぶりなのである。
物語は、現在の日本の在り方とほぼ同じ状態を出発点として、いまの政府のやり方と正反対とも思える方向へ、パラレルワールドさながらに編まれてゆくが、それは、国民に大きすぎる痛みを伴わせる政策。けれど、それでも、財政再建を避け続けた果てには日本の破滅しかなく。その破滅の行方を、小松左京さながらの作家(明らかにモデルはそうです)に、物語in物語として描かせる手法も、面白い…というか、読めばゾっとするのだが。
繰り返すが、物語の前提となる日本は、今のリアルの日本と近似。
今の金融緩和政策とかではほぼ対処療法にもならないのだということを、易しくわかりやすく、魅力的な人物が作り上げる物語に載せて解説されて、読後、怖くなった。
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日本の国家財政改革を目指す話。 良いところまでいくがいつもの政治家の潰しにあって最後最後でとめられた。多分この話と同様に本当の日本で行おうとしても多分そうなるだろうなと思われる。この続きが欲しいところで終わるので、一個減点だ。ただ本当にありえる話でちょっと怖かった。
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正直、オモロない。人がやたら出てくるし、名前覚えられへん。
それでも、ブルや准教授はワクワクするような人物で描写もよろしい。
物語の最後はシュルシュルとなり、つまらんかったわ。
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久しぶりの真山さんの本。
近年、政治関係にも手を出し始めていることは何となく認識していたのですが、
初めて真山さんの政治モノを読む機会に恵まれました。
やはり安定感があるだけに、その先の展開がどんどん気になります。
途中作品の中で出てくる作家が真山さんを憑依しているのでは?と(勝手に)妄想してしまったり、
色々と楽しめること間違いなしの政治小説。
テーマは日本のデフォルト(倒産)。
我々日本人としては、臭いものに蓋をしてしまっているテーマでもあります。
未来に(そして、未来の若者たちに)負債を残さないためにも、
日本人としてちゃんと認識しておかなくてはいけないテーマを
小説とという取っつきやすい手段からまずは始めてみる、
それだけで意義のあることかと思います。
最後の終わり方があまり個人的には好みではなかったのが残念ですが、
別に自分の好み通りに終わる必要もないといえば、ないので。。
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大手生保会社が資金繰りのため国債を投げ売りする事態が発生、国債価格が暴落した。国債頼みの政治は、誰かが終わりにせねばならない…。国家予算を半減すべく、江島隆盛総理のもと若手財務官僚が集い、極秘作戦が始動する。しかし他省庁や与党守旧派が抵抗し、世論も猛反発、メディアの攻撃が渦巻くなか、総理はついに国会を解散する大博打を打つ―。息もつかせぬ緊迫のメガ政治ドラマ!
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怖い。
あまり政治に興味がない
そのことの無責任さが痛感させられました。
それにしても、
政治もマスコミも不健全です。
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日本の財政破綻を回避するべく立ち上がった江島内閣と、そのプロジェクトチーム、オペレーションZのメンバーたちが躍動する。
一筋縄ではいかない人間同士の政治の部分や、マスコミへの対策、与党内の分裂や、歳出半減という、そもそも困難なミッションと、問題が山積しているのに、それらを熱意で乗り越えていく主人公たちの姿が、今の日本に本当に必要な政治家のあるべき姿だと思った。
日本の財政破綻も、このままではそう遠くない未来に起こりうること、今現在が良ければそれでいい、という考えでなく、未来は子どもや孫のためのものであることを肝に命じて生きていかなければいけないと感じさせられる。
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日本の財政問題。
深刻さは理解するも…
…社会保障の改悪〈給付削減・負担増〉は困る。
読んでいると、現政策にも、腹が立ってくる。
まずは、政府の無駄使いと、そこに群がる輩を、取り締まるべきだろう…
…などと、考えてしまう。
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題材と展開は○。しかしラストがかなり残念。終わった感が全くない。社会へのアンチテーゼとして上梓するのなら独自の結論を訴えかけないと趣旨をなさない。スパイや芸能人政治家などを軽く見過ぎな感も強い
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誰もわかってはいるけれど,そこに手を付けず目をつぶりたくなるストーリー
現実に起こっていることで,それを変えていかないといけないし,我々がもしかしたら直面するリアルを感じるお話でなかなかワクワクしますよ。
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最近読んだ福田和代著『バベル』がコロナウイルスによる緊急事態宣言下の現代日本と相似形をなすなら、本書は明日の日本を示しているのだろうか。
国の借金が1千兆円を超え、財政危機の日本。
迫りくる財政破綻を打破しようと、時の総理がオペレーションZと名付けられた一般会計歳出半減断行を宣言する。
「Zには、後がないという意味がある。私たちの国は絶体絶命で、後がないという作戦を遂行せよという意味だ」
その内訳は、社会保障関連費と地方交付税交付金をゼロにすること。
その実現のためのチームOZが結成されるが、野党ばかりか与党や閣僚からも反対の声が沸き上がる。
果たして、この作戦は成功するのか、スリリングな展開に固唾をのみながら頁をめくる。
現実に目を向ければ、コロナ禍の今、事業者や国民を救済するためにと政府は赤字国債の発行に迫られている。ますます膨れ上がる国債残高。
小説の世界が現実化し、財政破綻に直面するのか。
「今、そこにある危機が迫っている」
小説内で、総理が訴える。
「私たちの未来のために、これまで目を逸らせてきた大問題」と向き合わないと、手遅れになってしまう。
その感がいや増す読後である。
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お、真山仁の文庫出たんや、と購入。
1ページ目で気づく。これ読んだ…そう、ハードカバーで読んだやつや〜。再読です
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日本の財政危機をテーマにした作品!話の展開にドキドキハラハラさせられ、とっても面白いと感じた!非常に読みやすく、さらに非常に重要なことを考えさせられる、良い作品だと思う!
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オペレーションZ
最近読んだ小説で一番面白い小説であった。昨年から密かに個人的な真山仁ブームが来ているが、ハゲタカシリーズよりもテーマとしては面白い。
日本政府が赤字国債を発行し続けている現状へのアンチテーゼ。前職の総理大臣が体調不良でダウンし、急遽バトンタッチした内閣総理大臣・江島が日本の国債の問題を解決に導く為に、歳出を半減させるという政策を行うもの。半減の根拠としては、歳入と均衡させるというもので、これ以上赤字国債を増やさないための対応策である。歳出半減の計画を実行するにあたり、主に財務省官僚が特別チームと作り、オペレーションZと名付けられたこの政策の実行に奔走するというお話。
歳出半減の場合、社会保障費と地方交付税交付金をほぼ0円にすることでオペレーションZチームは実現を探るが、もちろん、厚生労働省や各方面からの非難に合う。財務省内部からもオペレーションZを快く思わないメンバーがメディアに情報を流すなど、妨害行為を企てる。
この物語の特徴的なところは、小説の章ごとに、作中に現れる作家・桃地実の『デフォルトピア』という小説の一部が挿入されている点である。『デフォルトピア』は日本がデフォルトし、福祉サービス等がすべてストップしてしまった日本で起こる悲劇的な状況を描写したものであり、完全なるディストピアが描かれている。まさしくオペレーションZはこのようなディストピアを防ぐために行われるのであるが、各章の最後にデフォルトピアが挿入されることで、最悪の未来をパラレルに描いており、これが物語に緊張感をもたらしている。
そして、もう一つの面白い点が、これは完全にネタバレになるのだが、この小説は完全なるバッドエンドで終わる。オペレーションZを断行する江島は最終的に与党内からも造反組が発生し、内閣不信任決議を提出される。与党内も造反している為、不信任案が可決される気配を察知し、解散総選挙を行うのだが、この選挙で江島を中心とする党は過半数が得られない状況となり、最終的には政権交代となり、オペレーションZは未完に終わる。将来的に爆発する爆弾を抱えながらも、人々はやはり今の自分の生活を守るという選択肢を取るのである。勿論、民主主義である限り、選挙の結果が一つの答えであり、国会議員は選挙に選ばれなければなれないし、政策も実行できない。しかしながら、ディストピアを避ける為に今身を切る政策を行う政権に対して、やはり国民は選挙でNOを突き付けてしまうというこの難しさをあえて描いているのは、この小説を単なるデフォルトピアへの警鐘に留めず、人間のある種の利己心や凡庸な醜さを炙り出す意味合いもあり、小説としての面白さが滲み出ている。
オペレーションZでは結局実現しなかったプランとして、相互扶助のネットワークを立ち上げることにより、医療費や介護費用なしで、これまでのサービスレベルを最低限維持するというものである。これまで、資本主義は消費単位を最小化することを心がけてきた。そして、その過程で自分らしさの追求という幻想と人々に植え付け、これまで現物でやりとりされていたサービスなどを商品化してきた。保険に携わって思うのは、保険商品は確かに人々に良い���響を与えることは十分理解しているのだが、同時に保険商品が不要な社会づくりもまた必要でないのかということである。無論、がんや医療費に関しては、専門家のサービスが必要であるが、例えば介護等に関しては、一定はコミュニティ内の現物ネットワークで補える部分もある。例えば、就業不能に関しても、面倒を見てくれる人や助けてくれる人が周りにいれば、何とか生き延びることもできるはずだ。これは、卵が先か鶏が先かという議論でもあるが、保険商品が確かに今の世の中にマッチしたものが多くあるが、やはり保険会社が需要を創り出している側面もあるだろう。私は、保険商品を販売しつつも、保険商品がなくても生き延びられるようなレジリエンスの高いコミュニティを復権を模索していきたい気持ちも強い。