紙の本
人が人を裁く。
2021/12/20 21:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一話から第六話という構成になっており、各々の章において本書で登場する弁護士が活躍する短篇ストーリー仕立てとなっています。
本書を読了して感じた事は、人が人を裁く、という事は本当にしてよい事なのだろうか、という事でした。世の中としては検察が居たり、弁護士が居たり、裁判官が居たり、ですが、これらの人達に共通している点は人間である、という事。
人間は完璧ではありません。間違い、勘違い、見落とし、怒り、憐れみ、憎しみ・・。人間はこれらの要素を持ち得ており、然る一方でこれらに巻き込まれない様に『判断』を行っていく立場にあるのが検察・弁護士・裁判官です。但し検察・弁護士・裁判官は実は人間です。この点が非常に悩ましい訳です。
本書はこの悩ましさを余す事なく描き出した一書だと思います。
紙の本
理想的な弁護士
2020/04/22 17:00
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集的な一冊だが、登場人物やそのバックボーンはつながっているので、純粋な短編集ではない。
ここまでやってくれる弁護士たちもなかなかいないと思う。
逆に鷹野のように完全な合理主義者もなかなかいない。
最後には鷹野自身が変わったのか、部下たちが寄ったのか、いい方向で終わったが、鷹野自身の問題が解決しないままのラストだったので、少々スッキリしない。
電子書籍
リーガルミステリー
2023/03/14 00:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
師団坂法律事務所は、創設者死亡後、経営がダウン。 良くあることだが、創設者の娘で弁護士の芽依は、 助っ人として、元医師で弁護士の鷹野和也を海外から呼びます。すると、鷹野は、ドライ過ぎて……。章ごとに短編集みたいな醍醐味。
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短編の割には一話一話の中身が濃い。
悪くない。
完全無罪とこれしか読んでないので、他の作品も読んでから評価しよっと。^_^
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正義とは何か?
ある者は『真実』と言い、ある者は『思考停止』と言い、そしてある者は『人を幸せにすること』と言う。
果たして、本当の正義とは?
大門剛明氏の短編集。全6話。
名門・師団坂法律事務所。
創設者を喪い、経営が傾く中、創設者の娘・芽依は、元医者でやり手の弁護士・鷹野和也を海外から招聘する。
しかし、彼は結果が全てと、大幅なリストラを敢行する。反発する者も多い中、着実にその実力を見せる。果たして、彼を突き動かすものは、何なのか?
それぞれの話を、リストラから残ったメンバーが1話ずつ主役となって弁護に当たる。
各話とも、次第に明らかとなる驚愕の真実とは?
そして正義とは?
いろいろ考えさせられます。
続編に期待。
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名門法律事務所に赴任した鷹野和也は、前職が医師という型破りな弁護士。ユニークな設定で、一般のリーガルミステリーとは、一線を画すかのような連作短編集。
反発を受けながら、無能な弁護士を切除し、カンファレンスと称する会議を主導する。
「俺にとっては、弁護は治療だ」
「人を治療し、救えなければ正義じゃない。法律は刃物のようなものだ。使いようによっては善にも悪にもなる」
そう語る鷹野は、単純に弁護側を勝利に導くだけでなく、時には検察以上の調査で真実を暴きだす。
最終話は、鷹野の過去に絡んだ終わり方をし、続編を読まずにいられない。
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ブレーメンの弁護士たち★★★★
カルネアデスの方舟★★★★
マアトの天秤★★★★
悪魔の代弁者★★★★
アメミットの牙★★★★
正義の迷宮★★★★
それぞれ取り扱う題材や物語の仕掛けも異なり、全編ハズレなしの、法廷ミステリでした。
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弁護士事務所のあるチームのお話
全6話の構成でした
いずれの事件もすんなりではなかったし
そういうことだったのかということで
予想は難しいです
でも楽しめました
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まもなく(2021年9月)NHK総合で放送予定の連ドラの原作。著者の作品は同じく連ドラ原作の「テミスの求刑」と「獄の棘」を読んでるが、それらに比べると内容は軽くはないが、文体は軽い感じで、読み易い。ドラマの主演は亀梨君だが、悪くない印象を受けた。なお、ドラマでは桐生は女性に変更されるようだ。まあ、ドラマも楽しみかな
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ドラマ化されることで、内容を知り、原作を読んでみたくなった。
元医師である鷹野を主人公にしたリーガルミステリー。
元々は大手の弁護士事務所であった師団坂法律事務所。
しかし、絶対的な存在であった創設者を病死で失ってからは下降の一途をたどっていた。
創設者の娘で、弁護士でもある佐伯芽依は事務所の危機を救うため、海外から鷹野を呼び寄せる。
しかし、元医師である鷹野は事務所を診断し、無能な弁護士を切除してしまう。
短編で描かれるので、無駄な描写がなく、リーガルミステリーなのにさらっと読みやすい。
鷹野が登場する1作目は、やたら登場人物が多く、覚えられないと思っていたが、鷹野の「切除」により、残った主要人物は鷹野を含め、5人となる。
2作目からは、この5人それぞれの目線で物語が描かれる。
主人公である鷹野が出過ぎないところも、なかなかいい。癖はあるが、自分勝手なイメージもなく、言葉は少ないが、きちんと残ったメンバーをフォローし、徐々に信用していく様子も丁寧に描かれている。
次作も楽しみ。
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弁護士の話。
今までの弁護士の話とは違って、担当する事件の奥深くまで調べ直すような姿に衝撃。
何か刑事のような…でも弁護士で…
警察にもわからなかったような証拠というよりは心情的なところではあるけれど、なんか深いなぁという感じ。
2021.11.23
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元医師という異色の経歴の弁護士という設定がフォーカスされた裏表紙のあらすじから、鷹野が中心の話かと思いきや、師団坂法律事務所の面々を主役にした短編集みたいな様相。
各話それぞれ、真実を明かされることが決して「こうであってほしい」という理想とは異なる内容だったりして、なかなか悩ましい気持ちにさせられます。
そこに関しては、よく言えば印象的な話ではあったので、悪くはないポイントだったのですが、鷹野の過去にまつわる話が未解決のまま終わったのにはちょっと肩透かし喰らった感がありました。
そこは同時に購入した次巻「アイギスの盾」以降で明かされると期待しておこうかと思います。
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6編の短編連作集。様々なキャリアのある弁護士たち。被告人や被害者、検察との遣り取りの中で見えてくるもの...。それぞれのキャラが立ち、事件の背景にあるものも用意周到に考え抜かれていて脱帽。早めに次作を読まないとな...。続きが気になって眠れなくなりそう。
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刑事事件を扱う弁護士チームのお話。被告の利益を尊重しつつも真実を追求するという感じで、そこそこ面白かったが、青臭いというかおはなしおはなししていてリアリティとかそういうのは感じなかった。6話が収められていてドラマとかなったりするのかなと思ったが、NHKでドラマになったみたい。
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リアルというよりもトリッキーな推理もの。面白いけれど、スーパー探偵が主人公の時、キャラが立つかどうかが勝負ですが、この作品んでは元医師でアメリカ帰りの弁護士やら元警官の弁護士。小説に出てくるのは個人事務所が多いが、この作品は大きなローファーム。ネットフリックスのの類で見慣れたアメリカのテレビドラマで馴染みのある言葉がずらりと出てくる。要は好みの問題であるが、背景も事件の解決の仕方も少し「人工的」な気がする。