紙の本
命のリレー
2011/08/15 09:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人はひとりでは生まれてきません。お父さんとお母さんがいて、私たちは生まれてきます。お父さんとお母さんも同じ。お父さんのそのまたお父さんとお母さんがいて、生まれてきたのです。おじいさんとおばあさんです。そうやって、たくさんのお父さんとお母さんがつづいています。
今の私たちはそのようにして在るのです。
そして、私たちもまた新しい子供たちをつくっていきます。そういう連綿とした命のつながりでこの世界はできています。
重松清さんのこの物語は、おじいさんと孫のエリカさんのふれあいを通して、ものづくりの大切さを描いた作品ですが、おじいさんから孫につながるそんな命のつながりの物語でもあります。
もともとこの本は、ある工作機械メーカーからの依頼でその会社の従業員の皆さんだけに出版された(こんな素敵なことを企画されるなんていい会社ですね)私家版の書籍でした。多分その時には、ものづくりの大切さが主要なテーマだったのだろうと思います。
ところが、3月11日の東日本大震災で、この本の運命も大きく変わりました。
作者の重松さんは、「震災で両親をうしなってしまった子どもたち」の「明日から」をどう支えたらいいかを考えて、この本を書店の本棚に並べてみることを思いつきます。
だから、この物語は、大震災がなければ私たちの目にふれなかったかもしれない、とても貴重な一冊なのです。
重松さんはこの本の刊行にあたってこんなことを書いています。
「僕たちは長い時間をかけて、無数の、けれど一人ひとりの死を、悼まなければなりません。そして、もっともっと長い時間をかけて、「明日から」の世界をつくっていかなければなりません」と。
私たちの命は、お父さんとお母さん、それに二人につながるたくさんの命から生まれたものです。その命を明日の命へとつなげるのも私たちの大切の責任です。
この物語はそんな命のリレーを描いた作品なのです。
紙の本
働くこととか生きること
2016/08/07 19:24
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の仕事に誇りを持っているおじいさんがすごくまぶしかったです。
会社の人たち皆に愛され、尊敬されている様子が伝わってきて、働くっていいなぁと改めて思いました。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おじいちゃんが定年退職の一日を描いた本です。」こうやって次世代に引き継がれていくんだなと思って、しみじみしました。
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働く祖父の姿、親父の姿を見るチャンスって少なくなったなぁと感じる。世の中が変わり、機械化、オートメーション化されて、匠の大きな背中に命を感じ,魂を感じ、尊敬を抱く時が…。
物の大切さ、物作りの大変さとやりがいと誇り、それはまた「明日」に受け継がれるべきものであり、未来への「希望」であるのだと、おじいちゃんの大切な一日を通して語ってくれる。
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奇跡の重松さんとはまのゆかさんのコラボ作品!
はかのゆかさんの絵によって
いつも文字だけ読んでいる重松さんの文章に
温もりをかんじるような
そんな気がした。
すばらしい!!
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元々はマザー・マシンを作る会社(牧野フライス製作所らしい)内で配布するために作られた、物作りの大切さを教えるための絵本だったのですが、この度の震災で被害に遭った子供達の力に少しでもなればと、重松が提案して一般販売される事になった1冊。作者達の印税は全て日本育英会に寄付されるそうです。「コンピュータ万能」と思い込んでいた自分の目の鱗を落としてくれた1冊にもなりました。
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■重松清さんの全作品を感想文にしてブログで挑戦中です。
重松清ファン必見!
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小学生向けの児童書だが、この3月の東日本大震災がなければ世に出なかったものと聞く。(詳細はあとがきに詳しい、、、)
お話は、小学5年生の女の子・エリカが、父親に言われておじいいちゃんのお家を一人で訪問するところから始まる。父親・母親より一日早く送り出された訳は、翌日早くにおじいちゃんと一緒に会社へ出かけるためだった、、、
その日、定年を迎える工場労働者のおじいちゃんの職場訪問で、エリカが発見するさまざまな気付きがお話のポイント。ロボットやどんな精密機械でも、仕上げの最後の最後の部分では、五感を駆使した人間の研ぎ澄まされた勘に頼らざるを得ないことを知って、エリカは驚く。
そして、その工場の技術者の頂点を極めたおじいちゃんの働く姿、そして尊敬される姿に感動するのだ。
重松さんらしい、盛り上げ方で心憎い演出が涙を誘う。
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【おじいちゃんの大切な一日】 重松清さん
新しいゲームが欲しくて、「今もっているゲームが
壊れちゃった」と嘘をついたエリカちゃん。
だけど、そんな嘘お母さんにはすぐにばれる。
こってりと叱られた。
普段は怒るコトのないお父さんにも叱られた。
お父さんは寂しそうに叱った。
お父さんがわたしを叱った理由は嘘をついたこと
だけじゃないんだ。
翌日、お父さんに言われて、わたしはおじいちゃん
の家に泊まりに行った。
おじいちゃんは工場のキサゲ職人だった。
今日で六十歳になるおじいちゃん。
定年を迎えるおじいちゃんの最後の一日、わたしは
おじいちゃんに連れられて一緒に工場に行ったんだ。
「モノ」が造られていく過程を見て、わたしたちが普段
何気なく使っている「モノ」が、職人さんたちがどういう
思いを込めて造っていくかを初めて知った。
おじいちゃんの想い。お父さんの想い。
今まで気づくことも、考えることすらなかった多くの人たち
の「モノ」に対する想いがわたしの心の中にしみ込んできた。
☆
絵本です。元々はある工作機械メーカーの依頼で、
社員とその家族に配られるために作られた物語で、
店頭に並ぶ予定の無い本だったそうです。
「あとがき」にこの本が出版されるコト
になった経緯が書かれてます。
とてもいいお話でした。
重松さんの作られる物語は読みやすくていいです。(^^)/
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選書して「この作品、よかった」って言ってもらえると凄く嬉しい。
今日はこの本で2人、泣かせました(笑)。
うちの機械科全員に読ませたい。
まずは先生からかな。
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機械を作る機械「マザーマシン」の職人のおじいちゃんのお話。
この絵本は、東日本大震災後出版されることになった。
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ある企業の社内向けに描かれたという本。見かけは絵本ですが、そのわりには読み応えもあり、定年を迎えるおじいちゃんの最後の工場で働くところを孫が見学に行くという設定で、心にじんわりと響くいいお話でした。内容は高学年向きなのに、絵本の形なので、紹介しづらい。ただ、塾に行っている子は、問題として良く取り上げられる重松清を読みたがるので、読むかもしれません。
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どんな職業であれ、仕事に対する愛情を持って働いてる人は輝いてると思う。
でもわたし重松さんを世間が言うほどいいと思えない…。
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これは、私の好きな職人の、ものづくりの絵本です。
はまのゆかさんの暖かみのある絵が、なかなか馴染みのない工場の工作機械をも身近に感じさせてくれます。お話の内容にも、ほろっときました。
重松さんによると、そもそもこの一冊は、ある工作機械メーカーの依頼により、その社員と家族にプレゼントするために作った私家版の書籍だったそうで。東日本大震災の後、重松さんは被災した子どもたちのために役立てないかと、本書を一般図書として刊行することにしたそうです。お話のメッセージは、未来と希望です。
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もともと出版予定のなかった一冊。東日本大震災のあとに出版されたものです。「物づくり」の未来,希望が見える一冊です。子どもに是非読ませたい。