紙の本
コロナにも通じる話
2024/01/04 09:47
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
厚生省新型インフルエンザ専門家会議委員で東北大学医学系研究科教授の押谷 仁さんと作家の瀬名 秀明さんの対談、この本は2009年刊行の本だから、もちろんコロナのことを論じているわけではなく主題はインフルエンザなわけだが、問題点はもちろん共通している
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最近、テレビなどでパンデミックいう言葉を多く耳にしてきた。インフルエンザウイルスとは何千年も人間の中にいるのによくわかっていないウイルスなのです。感染の仕方もずっと論争になっていてインフルエンザが流行するメカニズムもよくわからないところがあります。インフルエンザ以外にもSARSというものもあります。鳥インフルエンザなども流行いました。パンデミックを乗り越えるためには、被害を最小限にする必要があります。予防が一番です。
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最高にすばらしく分かりやすい本でした。
それは簡単に書いているというわけではなく、「分かりやすく」です。
やっぱり瀬名秀明さんはものすごく聡明で、頭の良い人だなぁと実感です。
インフルエンザの新書なのだけれど、的確かつ辛辣なマスコミ(もはやミニコミ)批判や、「私たち」一人一人の想像力の働かせ方について、押しつけがなしくなく論じていて目からうろこがばさばさです。
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封じ込めには限界がある。インフルエンザは感染してすぐに感染症のピークを迎える。日本はトップのリーダーシップがなくても末端の医療チームがしっかりしているから大丈夫。アメリカは逆。
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[ 内容 ]
燎原の火のごとく広がる新型インフルエンザ。
その世界的大流行は我々に何を問いかけているのか。
小説家の想像力と専門家の洞察力とが切り結ぶ対話篇。
いま必要なのは、過度に恐れず、適切に恐れることだ。
根源を見すえた議論が、パンデミックに立ち向かう勇気と、冷静に対処する視座を与えてくれる。
[ 目次 ]
救える命を救うために(数ではわからないこと;感染症と病原性;つばがりの視点)
第1章 恐れと対峙する(公衆衛生の道へ;SARSでの体験;適切に恐れる;見えてくる被害;怖さを伝える)
第2章 パンデミックという経験(感染拡大は止められない;プロアクティブの重要性;致死率の難しさ;感染拡大の起こり方)
第3章 パンデミックを乗り越える(全体像をつかむ;情報をいかに発信するか;ポジティブに評価する社会性;被害を最小限に抑える;絶望しないこと)
第4章 想像する力(他者への想像力;フィールドから見えること;未来への想像力;おわりに―パンデミックを見すえるまなざし)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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2009年4月にメキシコに始まり世界規模で大流行した新型インフルエンザを中心に、パンデミックとは何かを探る対談集。コンパクトで非常に読みやすい。当時ソウルにある小さな塾で日本語を教えていた。近くの英語スクールが休校になったとの噂を聞き、感染したらどうなるのだろうかとビクビクしながら授業を続けたものだ。外国ゆえ情報が余り入らず、今回この本を読んで初めて知ったことも多い。あれだけ大騒ぎしたのに今は皆がすっかり忘れてしまったようだが、これだけ地球が狭くなった昨今、パンデミックはまさに『今そこにある危機』である。
関連動画
『最強ウイルス パンデミック』
『SARSと闘った男~医師ウルバニ 27日間の記録』
関連書籍『インフルエンザ21世紀』(読書中)
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適切に怖がることは難しい。震災前に書かれた本だが、震災後にパンデミック対策が進んでいるかといえばストップした感もある。
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科学知識の本というよりは公衆衛生学もしくは社会学的な考え方を示した本だった。物事は想定を外れて進行することが多いから、フェーズと予め決められた計画との対応付けの難しさは理解できる。
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パンデミックって、よく映画であるようなああいうパニックのことと思ってたけど違うんだねえ。
まあ確かに正しいことを言っても多くの人は聞いてくれないってのはそうなんだろうけど、だからと言って恐怖心をことさらに煽るのもアレだしなあと思う次第。
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会社での対策策定や、子供の予防接種など新型インフルには騒がされた。この本も同時進行的な、分からないなりに脅威に向かい合う専門家の対談。新型騒ぎは下火になったが、冷静な視点で振り返るのは必要だろう。
・リスクコミュニケーションの難しさが両者の共通意識である。なるほど。
・地球温暖化と同じく、正確なところはわからないが対応しなければいけない問題への社会としての向かい合い方は難しい。
・瀬名氏のお父さんがインフル専門家とは知らなかった。
・押谷氏は新型騒動で有名になったが、途上国の公衆衛生がバックグラウンドであった。医療の充分でない国々への熱い思いは初めて知った。
・SARSは今回の新型より全然緊迫していたと再認識。しかしあまり強いウイルスは流行しにくいという考えもあり。
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2009年に発生した新型インフルエンザの流行を受けて、感染症の専門医師と医学部卒の作家の対談。
新型コロナウイルスの感染が拡大する今、一人一人が身近な事に気を配り、他者を想像し、適切にウイルスを恐れ、そして決して絶望せずにいつかパンデミックを乗り越える事、それが求められる。
外出自粛の今、冷静にウイルスに向き合いたい人にオススメ。
くまざわ書店天王寺店にて購入。
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2009年の新型インフルエンザのことを我ながら驚くレベルで全く覚えていなかったので、ふり返りのために手にとった。公衆衛生の考え方、社会全体で「新しい感染症」に対してどう向き合うかを対談で語る。
今回のCOVID-19に対して(政治、行政だけでなく社会全体で)その反省が活かせているような気はあまりしない。というか、経済活動の維持優先めだったあたり、新型インフルエンザ2国めになったアメリカの轍を踏んでいる気がする…。法的な根拠の問題で行動制限まではできない、というのも、それはそれでわかるんだけど。
民主主義が成熟してくると個人主義になってしまって「社会全体のための公衆衛生」が難しくなる、という話には、考えさせられてしまった。
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新型インフルエンザ(2009年)の時に発売された本ですが、その後にエボラ出血熱(2014年)、新型コロナウイルス(2020年)のように、パンデミックは周期的に訪れています。その都度、それに対して学び、そして忘れていく...世界はそんな流れになっている感じがします。この本の要は「極端に走らないこと」です。そしてウイルスの正体よりも、人間心理と言うか、それぞれが思惑に従った情報発信と情報選別をしている現実も描いています。正解がないだけに、ある程度、周囲に前ならえをする必要はあるかと思いますが、それぞれの価値観が違うだけに、難しい所もありますね。
私の論説も含まれますが、例えば、十分にソーシャルディスタンスが取れている野外でマスクをしている人が多い現実があります。今は熱中症対策でハズす事が奨励されていますが、それでも同調圧力があって、まだまだ進んでいません。そもそもマスクはいずいものなので着けたくないですよね?だからちゃんと自分の意志と理論に重きを置いて、マスクをする必要のない場所ではハズす!それがニューノーマルにおけるマナーだと思うんです。そうじゃないと、誰もマスクを着けなくても良いと思っている場所で、全員がマスクを着けているなんて言う、無意味で同調圧力の産物みたいなシチュエーションが生まれてしまいます。
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2009年の新型インフルエンザについて書かれているのに、2020年現在進行している新型コロナウイルスの現状を語っているかのような内容。日本、そして世界も一部の国を除いて同じこと(過ち)を繰り返しているようで、これまでのパンデミックで何も学べなかったのかと忸怩たる思いも湧き上がる。冒頭の講演だけでも、ウイルスの感染性とその指標としての再生産係数、病原性、超過死亡といった、今では日常に耳にする用語が並ぶ。そして誰もが感染の起点になること、その「感染鎖」が遠くまでつながることを想像する大切性を説く。この想像することの大切さが本書のキーになっていると思う。幸いこの講演は、笹川財団のウエブサイトで再掲されているので確認できる。
本文ではプロアクティブに動くことの重要性、それぞれの当事者の役割を説く。政府は被害を最小限にするための基本戦略の策定(日本にはその戦略が欠けていることも指摘)、感染症の専門家は現状の分析と行政や一般へのアドバイス、医療従事者はキャパシティを超えたときにどうするかを考えることと地域の医療従事者の重要性、企業はBCPの策定と症状がある人が家で静かに休むようにできること!、地方自治体は住民サポートと広報活動、一般の人は想像力を働かせること、メディアはある一定のレベルの注意を保たせることを指摘する。
第3章では被害を軽減するために「流行のピークを遅らせる」「流行の規模を小さくする」「なだらかなピークにする」ことを挙げているが、これは現在のCOVID-19でも同様の方策が挙げられている。しかし残念ながら第2次の波が来ているようである。しかもそれが大きい。
押谷先生は現在新型コロナウイルス感染症対策分科会委員だが、どう見ておられるのだろう。彼の当時のポジションは、まるで今の西浦先生。本書は現在電子版のみ入手可能だが、示唆に富んだ内容であり、改めて学ぶためにも紙での再版を強く望む。それが無理であれば、現在のCOVID-19の感染について、ある程度収まったところで是非同様の分析書を出版してほしい。
後学のためメモをフレーズに。
速水融先生の研究成果、小松左京の「空中都市008」も登場。