北海タイムス物語(新潮文庫)
著者 増田俊也
全国紙記者の夢破れた野々村巡洋が入社した、北海タイムス。配属された整理部は、他紙の4倍の仕事量にして7分の1の年収だった。変人だらけの職場。連日の酒席。過酷な労働環境に厳...
北海タイムス物語(新潮文庫)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
全国紙記者の夢破れた野々村巡洋が入社した、北海タイムス。配属された整理部は、他紙の4倍の仕事量にして7分の1の年収だった。変人だらけの職場。連日の酒席。過酷な労働環境に厳しすぎる先輩。失望に加え、恋の終わりすら味わった野々村だが、あることを契機にプロフェッショナルとなる覚悟を決める――。著者が身を置いた北海道の名門新聞社を舞台に描かれた、熱血度120%の長篇小説。(解説・北上次郎)
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
北海タイムス物語
2021/09/22 16:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の野々村は、新聞記者志望の北海タイムスの新入社員。本人的には、全国紙の記者になりたかったが、採用に漕ぎつけず、唯一、内定を貰ったのが北海道の北海タイムスと言う地方紙を発行する小さな地方新聞。野々村が配属されたのが、志望した記者ではなく、整理部と言う裏方の部署。多くの同期が記者としてアサインされるので、羨む野々村。整理部は記者が書き上げた原稿を紙面に効率よくレイアウトしたり、見出しをつけたりと完全に内務の仕事。ただでさえ、整理部
に配属されてモティベーションが低いのに加えて、仕事を教えるチュータ役の権藤がイジメに近い指導をするので、早く会社をやめてもう一度、全国紙の会社に再就職をチャレンジをしたいと切望してしまう野々村。野々村の周囲の社員たちは、猛者や役者揃いで、凄い。野々村と周りの猛者たちのやり取りが極めて興味深い。また、新聞がどのように作られるかもよく分かる。その中で整理部のミッションの重要性も徐々に
明らかになる。また、この小説の決定打は、北海タイムスは、経営が下手で、業績が悪く、社員たちの給料が競合他社に比べて異常に低い事にある。課長クラスで年収2百万円とか3百万円で家族を持つと暮らしていくのも大変。人が少ないので、残業も多い。しかも残業手当がつかない。おまけに週休一日で仕事もキツイ。
今で言えば、完全にブラック企業。この本を読めば当社の良さを再認識する筈。
新入社員がそんなブラック企業で切磋琢磨して、成長していく姿を書いている青春小説。