電車の中では読まないほうが・・・
2020/11/14 23:02
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投稿者:攻めだるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
涙があふれてしまうシーンがたくさんあります。電車の中で読んではいけない本ですが、涙を流したい人には是非読んでほしいです。
涙が流れるからいい小説ということではなく、登場人物がとても魅力的で、車いすテニスの試合描写も熱が入るすばらしさ。一気読み小説です。このSide百花を読んだらSide宝良もすぐに読んでください。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストレートに進みすぎるところはあるけど、題材が題材だし、
無駄に展開するよりはよかったのかな。
こういう世界を世間に広めるにあたっては、良い作品だと思います。
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車いすテニスの物語、というだけで即、手に取った一冊。実在する日本のスーパースターをモデルにしたと思われる選手たちも登場し、この人たちは本当にいるんだよ!と読んだ人に言いたい。競技をテレビで見られることはほとんどないが、車いすそのもののことなどもやさしく伝えてくれていて、イメージがわきやすいかなと思う。
ハンデを背負ってスポーツをする人の中には、宝良のようにある日突然それまであった体を失ってしまったという人も少なくないのだと思うと、再び立ち上がるまでの意思の強さは並々ならぬものがあるんだろうなぁ・・・。
それにしても百花は焦り過ぎというか気が早すぎて、そこはちょっとついていけなかった。技術職の2年目なんて、どう考えてもまだ初心者じゃないだろうか。
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車いすテニス。思わずネットで動画を探して見まくりましたよ。
すごいとかすごくないとか、もう、言葉がないくらいすごすぎますわ、この競技。
車いすを操作してボールに追いつき、あるいはボールの行方を予想して先に動き、そして止まり、打つ。
全身で、打つ。身体が車いすに固定されているのだから通常のあの文字通り全身を使って打ち返すのとは違うのだけど、それでも「全身で打つ」としか言いようのない動き。これはもう言葉にできないほどのすごさだ。
そんな車いすテニスを余儀なくされた同級生のために、車いす製造会社へ就職した一人の少女の物語。
読む前から、モノづくり系でありスポーツ小説であり青春ものであり、と自分の好きな要素だけでできているのはわかっていたのでちょっと気合が入っていた。
だがしかし、読み始めてすぐに、この主人公にイライラし始める。おいおい、ちょっと甘いんじゃないの、と。
モノづくりってそんなに簡単なものじゃないでしょ、たかが一年やそこら働いたくらいでなに焦ってまえのめりになっちゃってるの、甘いよ甘い甘い、と。
自力で歩けない人のための「足」である車いす。しかもスポーツのためのものとなればどれだけ繊細な作業と熟練の技が必要か。なぜそんなに焦る。もっとじっくり修行すりゃいいじゃん。
その焦りの意味、そしてなぜ友達のためにそこまで熱くなるのか、その理由が語られてからイライラがおさまっていく。二人がめざすもの。その理由。そうかそうか、と見守る目が優しくなる。
でも、私はたぶん今月出る『宝良side』のほうが好きだろうな、という予感。早く読みたい。
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車椅子メーカーで働く百花と、車椅子テニスプレーヤーの宝良の話で、こちらは百花サイド。
20歳前後の女性主人公のストーリーにここまで心揺さぶられるとは思ってもいなかった。友達を想う気持ちや、自分が叶えたいと思っていることが本当なのか疑う気持ち、仕事に向き合うとはどういうことなのか、そもそも人と向き合うこととは?自分にできることとは?...というような、車椅子を通じながら普遍性をもった感情が迫ってくる。車椅子をどうやって作るのか、車椅子の生活がどういったものなのか、そういった自分が知らなかった世界についても新たに知ることができた。
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北上次郎が各所で絶賛しているのを見て。そして”いきなり文庫”だからハードルが低かったのもあって入手。
少なくとも、社会人になって奮闘中の現在パートは秀逸。あえて難点を挙げるなら、主人公の高校生時代を描くパートがやや中だるみ。あと細かいことだけど、さほど重要とも思えないセンテンスが、数ページのうちに繰り返し使われるのは、どういう意図を狙ってのもの?確かに、そこで少し引っ掛かりはするんだけど、それはネガティブな引っ掛かり。
些末なことはさておき、基本的には読ませられる内容。件の書評では、後半にこそ涙腺刺激点満載ってことだったので、大いに期待。
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山路百花は親友君島宝良が車いす生活になったことをきっかけにして、車いすを製作する会社の社員になった。宝良は若くして東京パラリンピックの車いすテニスの代表になれるかも知れないほど上達した。自分の作った車いすを宝良に乗ってもらうと約束したのに、百花は自分の技術がなかなか向上しないことに落胆している・・・
書評家北上次郎氏が激奨していたので読んだら、本当に素晴らしい小説だった。表紙は女子中学生が手に取りそうなものなので北上氏が推薦してなければ読まないだろう。
スポーツ小説は割と好きなのだけれど、本作は必要なもの全てが搭載されてる。スポーツそのものの説明がうまい、登場人物が魅力的、成長物語がある、ピンチがある、そのスポーツを観てみたくなる(やりたくなる)
続くSIDE宝良は、プレーヤーから描いているらしく、こちらも激しく楽しみ。また、ドラマにすごく向いていると思うので映像化希望。百花は黒島結菜、宝良は、飯豊まりえでどうでしょう?
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車椅子メーカーの新人、百花。百花には車椅子にこだわる理由があって…
いじめられていた過去を持つ百花が、絶対の信頼を持つ親友宝良が事故に合い、車椅子生活を余儀なくされた。宝良の存在を救いたくて車椅子メーカーに就職した百花。真っ直ぐで努力家な様子に好感が持てました。先輩の小田切の存在も百花にとっては大きいと思いますが、きっと良いエンジニアになれそうな気がしました。
続編を先に読んだので、百花の存在も又宝良にとっても大きな物だって言う事が改めて実感できました。
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宝良側から読んだので、特にみちるについて答え合わせ的な感じになってしまった。
車椅子メーカーにかなりしっかり取材していると思われ、技術的なことやスポーツ用車椅子の現状などがよく分かる。車椅子を使ったスポーツに興味のある人は読んで損はない。
百花の性格は色々な意味で素直なので、作者に動かしやすいんだろうな、と宝良編も含めて思った。こういう人が近くにいると、周囲にいい影響出るよなあ
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とても面白かった。
スポーツを題材にした作品という事もあってか、試合の描写やその時の動きなどの場面がとても躍動感があってとても楽しめた。
また、会社に勤める百花の視点というところからもお仕事エンタメという部分としてとても楽しめて面白かった。
この後の、宝良sideも読んでいきたい。
最後にこの小説をアニメ化したときの声優陣を自分なりにキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください。
山路百花:安野希世乃
君島宝良:小松未可子
小田切夏樹:細谷佳正
藤沢由利子:園崎未恵
君島紗栄子:椎名へきる
雪代和章:関俊彦
志摩:榎木淳弥
七條玲:上坂すみれ
三國智司:杉田智和
佐山みちる:小原好美
佐山佳代子:平野文
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輝く表舞台の裏にある、たくさんの苦悩と車椅子製作者のプロ根性を見ることができた。
「仕事ってのは人に集まるもんだからな。そいつがそれまでやってきた過去の仕事が、次の仕事と人をつれてくるんだ。」
百花にはこれまた良い上司がいるんだな〜。
焦るときほど、目の前のことを蔑ろにすることなく丁寧に生きたい!
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どちらを先に読むのが正しかったのか分からないのですが、パラテニスプレイヤーの宝良の側から読みました。非常に感動的でティーン用の読み物にしておくのはとてももったいない傑作だと思いmした。
そして今回、宝良の親友百花の側から見た物語を読みました。こちらもまたプレイヤーを支える車椅子メーカー、そして親友を支えたいと思いながら、技術が追い付かず懊悩する百花の姿に胸の熱くなる名作と言って差し支えありません。
百花焦り過ぎだろうという声も聞かれそうなくらい、宝良の成長に追いつきたいという思いが空回りしています。それを受け止める先輩もいい存在感を出しています。
順番的には百花side⇒宝良sideかなという気がしましたが、どちらから読んでもばっちり感動出来る事間違いないです。
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北上次郎推しで読んでみた。
事故により下半身付随になった親友との友情と努力。グッとくるところもあり、それなり。
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そうか。東京オリンピック2020(パラリンピック)に向けた本ってたくさんあるんだよね。今の状況だと、オリンピック事態は反対なんだけれど、それに向けて頑張っているアスリートもいるんだよなぁと物語とは関係のない軸で思いをはせてしまう。
しかしそんな思いは物語の勢いに押し流される。
ひたむきな百花がまぶしい。
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この本、北上次郎氏が推しているのを見て、新刊で出た少し後に中古本屋で見かけた時に買おうと思ったのだが、表紙を見て手を出すのをちょっと躊躇った。
「おすすめ文庫王国2021」の第1位だったので、改めて探し直して、今度は購入。普通なら絶対買わないな。
第1位の推しコメントの中に『途中から涙が止まらない』とあったが、まあ確かにウルウルするところは多かった。
歳を取って涙腺が弱くなるのは如何ともしがたいが、そういうところを刺激する場面が次々と配された、ツボを押さえた作りではある。
生きている間ずっと付き合い続けなければならない身体のハンデを負いながら、それを受け止めて生きる決意をした人々、本人だけでなく家族や友人や近しい人たち、に対する描き方も良い。
テニスに限らず車いすで競技する人って確かに凄いなと思う。車いすを動かすだけでも大変だろうに、それをしながら球を打ったり走ったりぶつかり合ったり。
そういう車いすスポーツの世界と、それを支える競技用車いすの製作の現場についても勉強になった。
親友の宝良と約束し最高の車いすを作ることを目指して老舗の車イスメーカー・藤沢製作所に入社した百花、のストーリーはまあそれなり。
社長や上司や先輩が全て良い人で良かったけれど、実社会ではなかなかそうはいかないぞ。
小田切が何度もくり返す『その人の本当の気持ちに向き合う』『その人のために何が最善かを考える』というのは、仕事をする上ではとても大事なことだな。
一度大きな失敗をしながらそれを糧にして変化成長し、そして今、後輩を指導する小田切の姿は、お仕事小説として良いところあり。