- 販売開始日: 2020/04/02
- 出版社: 朝日出版社
- ISBN:978-4-255-01167-7
銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異
著者 全 卓樹
大森望さん推薦! 「明晰でわかりやすく、面白くて叙情的。科学と詩情。ここにはSF100冊分のネタが詰まっている。」一日の長さは一年に0.000 017秒ずつ伸びている。5...
銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異
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商品説明
大森望さん推薦!
「明晰でわかりやすく、面白くて叙情的。
科学と詩情。
ここにはSF100冊分のネタが詰まっている。」
一日の長さは一年に0.000 017秒ずつ伸びている。
500億年のちは、一日の長さは今の一月ほどになるだろう――
空想よりも現実の世界のほうがずっと不思議だ、と感じるような、
物理学者のとっておきのお話を22、集めました。
・流れ星はどこから来る?
・宇宙の中心にすまうブラックホール
・真空の発見
・じゃんけん必勝法と民主主義の数理
・世論を決めるのは17%の少数者?
・忘れられた夢を見る技術
・反乱を起こす奴隷アリ
・銀河を渡る蝶
・飛び方を忘れた鳥にそれを教える…
真夜中の科学講座のはじまり、はじまり。
ほんのひととき、日常を忘れて、科学世界の詩情に触れてみませんか?
科学や文学が好きな人へのプレゼントにもぜひ。
「夜話と名乗ってはいるが、朝の通勤電車で、昼休みのひとときに、ゆうべの徒然の時間に、順序にこだわらず一編ずつ楽しんでいただければと思う。」――著者
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きっと心の片隅に残って離れない「科学トピックス」の数々
2022/02/19 21:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学のある郊外の駅の品揃えが街の本屋と一味違う本屋で、偶然にこの本を見つけた。科学エッセー集らしいと目次で知れたが、大きな活字の変型判は凝った装丁でちょっとお洒落な感じがした。
物理学者だという著者を知らなかった。略歴に「量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家」とあるものの、意味不明だ。誰か納得ゆく説明をしてくれ。
一期一会の出逢いを大事にしないと、同じ書物を二度と手に出来ぬ可能性があるので、本書との邂逅も“他生の縁”と心得て買い求めた。これが、文字どおり「拾い物」(期待以上の収穫)だった。
太陽の伴星「ネメシス」の存在は伝説かと思いきや、その探索が大真面目に実施されていると知って驚いた。宇宙条約の盲点を衝く月面不動産の個人向け権利販売ビジネスにも恐れ入った。
真空や放射能に対する人類の飽くなき探求の歴史に唖然とし、エヴェレットの多世界解釈理論に慄然となる。不確実性が人間に「自由」をもたらし、人間の気まぐれさが確率概念を進化させたという著者の逆説的な解説に、目を白黒させられる。
他を凌駕したグーグルの検索アルゴリズムとその特許が生み出す巨額の富には言葉も無い。中でも、実験結果で示される「付和雷同の社会学」が最も興味深かった。人間のこの避け難い習性を金儲けに利用する/利用される関係もまた不可避だろう。
他者に影響されない絶対的な価値観や毅然たる不動の信念。好い意味での自己本位が貫ける意思堅固さ。独立心。マイナー志向。知識より見識を、見識にまさる胆識を具えなければ、これらを保持することさえ難しいに違いない。
アリの祖先がハチだったと昔に聞いた気がするが、自らの意志で翅(はね)を切り捨てる進化を選んだとは、一寸のアリにも五分の魂なのか。社会性の高い昆虫だけに、「心」を有していても「アリ」得ない話ではなさそうに思える。
少しずつ読む楽しさ
2021/01/19 13:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆな - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人からのおすすめで購入しました。
科学に纏わる小話が沢山収録されていて、少しずつ読むのが楽しいです。
なかなか面白い
2020/05/27 16:20
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆいゆい - この投稿者のレビュー一覧を見る
書き方がどこか詩的で読みやすいです。
挿し絵も可愛いので、物理や数学に興味がない女性でも読みやすいと思います。
科学夜話
2021/09/12 21:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
軽快に語られる科学エッセイ集。文章は詩的で文学的というべきか、テーマ別に分けられた各章の冒頭に吉田一穂の詩があったり、本文中でもコールリッジほかの詩の一節が引用されている。華美なところもあるかもしれないが、内容自体も語るべきことを語りそれ以外は沈黙して短くすませているところがよい。本としても差し挟まれている絵やイラスト、グラフがこのエッセイのイメージを膨らませる。この人がもっと本を書いてくれたらと思う。
新しい発見との出会い
2020/05/04 16:47
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねる - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学だけでなく数学や生物にも触れており飽きずに読み進めることができました。
細かい内容までは書いていないので、詳細は他の本を読むのがよろしいかと。ただ、新しい発見や興味への入り口としては十分であり、とても良い本だと感じました。
科学史に散りばめられた小話
2024/01/14 10:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
量子力学が専門の筆者が、科学の成果とそれを巡る人間の物語の中であまり知られていない話を選んで集めた科学エッセイ集です。
まず「天空編」として、宇宙の話が語られます。
月が満ち潮と引き潮を引き起こすときに海水と海底の摩擦が地球の回転をごく微弱に減速させ、その反作用で月は一年に3.8センチずつ地球から遠ざかっているという。
3億5千年前の一年は385日あり、500億年後にもし太陽が地球を飲み込んでいなかったら一日の長さと一月の長さが45日とそろってしまい、地球上では遠くに離れた月が見える部分と見えない部分が固定されるそうです。
太陽が実は二重星で未発見の暗く小さな赤い伴星ネメシスがオールトの雲の近くを巡っているというネメシス仮説といい、スケールの大きな話ばかりで興味深い。
続いて「原子編」では真空の実在を示したトリチェッリや放射線の実験をしたベクレル博士、核兵器の原理を構想したシラード博士、無限分岐宇宙を提唱したものの受け入れられず物理を捨てたエヴェレット博士の話が語られます。
「数理社会編」では確率の話や付和雷同の心が人気曲を生み出す証明としてジニ係数が使えるというような現実と数学の話が出てきます。
面白かったのは、多数決や民主主義といえば平等な概念のように思えるが、実は多数決による集団意思決定は浮動票と固定票が集まって意思決定する集団を作っている場合、固定票が17%あれば最終的には固定票の意思に全体が従うようになるという理論だった。
筆者は良貨が17%以上あれば悪貨を駆逐することができると言うが、声高に自分の意見を主張する人が一方の側に一定数いればその主張の正否は関係なくそれが通るのが民主主義だという理解であっているのかな。
「倫理編」では、その人が使っている言語によって認知に直接影響を持つという話が興味深い。
フィン語を話す人の中にスウェーデン語を話す少数の集団が存在するフィンランドでは、この二つの集団に言語以外の違いは全くないそうです。
だがたくさんの事象があるとき時間順序が曖昧になるフィン語を話す人と、事象の時間関係が常に明確なスウェーデン語を話す人を比較すると、スウェーデン語の集団の労災事故率が四割も低かったそうです。
またトロッコ問題という切り替えポイントにいる人間が列車を切り替えればその先にいる一人が列車に轢かれ、何もしなければその先の五人が犠牲となるというシチュエーションで、切り替えポイントを切り替える要因となるのが民族もしくは国によって違うという話も面白い。
日本も属する東洋クラスターは救える人命の数を重視することと、合法的な行動をとる人を優先的に救おうとする傾向がみられたそうです。
南洋クラスターでは社会的地位が高かったり若者や女性、それに健康なものの命をより尊重する傾向がみられ、西洋クラスターではどれもバランスよく考えるがしいて言えば事態への介入を避けてなりゆきを尊重する傾向がみられるそうだ。
ネットワーク理論の定量的解析の面白さがようやくわかりました。
最後の「生命編」ではアリの世界から利己的な遺伝子説で説明できる行動様式の話も面白かったが、モーターグライダーでアメリカシロヅルを引率して渡りの技を教えることで絶滅しかけたシロヅルを再生しようというプロジェクトの話が印象的だった。
気軽に読めて楽しめる科学エッセイでした。