たゆたえども沈まず
著者 原田マハ
19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を...
たゆたえども沈まず
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商品説明
19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画
商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で
浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの
前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホ
と、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇
跡の出会いが“世界を変える一枚”を生んだ。
読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜
持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。
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研究者じゃないから
2020/07/14 22:25
8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
研究者じゃないから、
何が史実でどれがフィクションかわからない。
ゴッホファンじゃないから、
どの絵のことを言ってるのか、
あぼろげにしかわからない。
でも、物語は楽しめる。
兄弟の苦悩や哀しさやよろこびは、
実在の人物がどうであるかにかかわらず、
この物語の中では息づいている。
それを味わうには、
美術的知識がなくても、
史実に疎くても、大丈夫。
そう、小説を楽しむ、その姿勢さえあれば。
ゴッホの伝記ではありません
2020/10/08 00:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルや表紙から、ゴッホを主人公として絵描きの人生を追いかけた物語のように思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。
この本で描かれているのは、兄であるゴッホに対する弟テオの心の葛藤と、同じころパリで日本画の画商として働いていた重吉とテオとの交流です。ただし、重吉は架空の人物ですので、ゴッホに関する一連の行動は事実としても、それ以外はほとんどが作者の創作ということになります。
とはいえ、物語としてはとてもよくできていますし、場面を細かく区切り、読者を飽きさせず先を読ませる力はたいしたものだと思います。本文中に出てくるゴッホの絵は実在するものばかりですので、画集を手元に置いて読むといっそう楽しむことができます。
ゴッホ展を見た人はより楽しく読めそう
2020/07/31 23:59
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:o - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年のゴッホ展を見て、フィンセントとテオの関係性を知っていたので、事実と重なる部分も沢山あり、実際に2人の会話を聞いているように、楽しく読めました。
見るともなしに見て、
2020/07/12 18:12
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術の授業で習ったようなゴッホの絵たち。こんな風に、歴史を教えてくれたなら、勉強も楽しいだろう。印象派がどんなものかや、浮世絵の影響力について、日本人として知っておくべき知識な気がする。そしてその素晴らしさを世界に広めてくれた一人に日本人の活躍があったことも。ゴッホ兄弟が一生をかけて生み出したもの、パリへの憧れ、臨場感たっぷりで一気に読みました。
たゆたえども沈まぬ意思を感じました
2020/06/04 21:56
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴッホ兄弟とパリで活躍した日本人画商の交歓の物語。己の作風に時代が追い付かずに苦悩する兄フィンセント、本当に売りたい作品を売れずに苦悩する弟テオが苦しみながらも、己が信じる人生を歩んでいく姿が題名に重なる。創作と史実のバランスの絶妙さもさすが原田マハさん。
日本では見向きもされない浮世絵がパリで注目されて、印象派絵画がのしあがる重要なファクターになっていくストーリーを、画商と画家両方の目線で楽しめるところも面白かった。美術史に詳しくなくても充分楽しめるアート小説だし、星月夜の表紙も、たゆたえども沈まない登場人物の人生に重なった。
ゴッホとテオ
2020/04/30 09:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名なゴッホの人生の裏側には、
こんなにも苦しみと幸福、この真反対な日常があっただなんて全く知らなかった。ゴッホの可能性を信じ支え続ける弟のテオやその妻のヨー、忠正や重吉のような存在があったことはゴッホにとって幸福であったと思う。
一方で、絵を描く事しかできないにも関わらず、うまく描けない事や
周囲の環境から描けない状況に苛まれ、テオに養ってもらいながら成果を残せずもがく所は苦しみだった。
ただ言えるのは、
絵があったから、ゴッホの人生は
こんなにも深いものだったんじゃないかということ。
最後の100ページほどは
涙なしでは読めない。 「兄さん。いつかあなたの展覧会を開こう。大きな美術館で、世界中からあなたの絵を見るために、たくさんの人が押し寄せるはずだ。その日を一緒に迎えよう。」
弟テオが兄フィンセントに最後に約束した事が、今や現実のものに... フィンセントの人生を知った上での
この事実は、すごいという言葉だけで片付けられません。
まるで史実のよう
2020/11/23 21:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フィンセント、テオのゴッホ兄弟と日本人の絆を描いた作品。ノンフィクションなのでまるで史実のように読み手を引き込む。さすがは原田マハさん。
芸術の壮大さを感じる作品
2024/07/22 09:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミニドラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴッホという名を知ってはいたが、フィンセント・ファン・ゴッホという人物像を私は何も知らなかった。
この小説のフィンセント・ファン・ゴッホはほんの一部分でしか無いのかもしれないが、作品に対する想い、そして孤独と闘い続ける画家としての一生が心に響くものであった。
この作品を読めば、フィンセントの作品を自らの目で見たいと思うこと間違いなしである。
兄弟の絆、見守る人々
2024/07/01 20:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人画商シゲの目線で見つめる画家ゴッホと弟テオの強い絆。
芸術の在り方が変わろうとする時代、認められるにはまだ時代が追い付いてない中、苦悩する画家を支える弟の献身の姿が力強く、時に悲しい。お互いを掛け替えのない存在と思い合う兄弟の結末を息をつめて読み進めます。
ゴッホとテオ ゴーギャン 浮世絵
2024/06/30 23:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タカミー - この投稿者のレビュー一覧を見る
TV「博士ちゃん」で葛飾北斎の特集でヨーロッパに知れ渡るきっかけを作ったのが林さんと紹介されてて 博士ちゃんと茉奈ちゃんが この本に林さんが出てきた事 良い作品と2人が語ってて読み始めた。 林さんの写真を見て国立西洋美術館の常設展で紹介されてたのを思い出した。ゴッホの革靴のデッサンを観てからゴッホは好きな画家のひとりだったので興味深かった。弟のテオが半年後に亡くなってたことは知らなかった。
物語なんだけど こういう人だったんだろうなぁと思わされた。
街並みやセーヌ川 自然の表現が思い浮かぶような文体がとても好きです。
たゆたえども沈まず
2024/03/08 05:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴッホとテオ兄弟の話の中に少しフィクションを織りまぜた話
ゴッホと浮世絵の話は日本人が好きな話の一つだと思うけど実際にはどうだったんだろうか?と思っていたのですがテオへあてた手紙に思いの外、日本への憧れが書いてあったと聞いていたのでとても興味深く読みました
面白かったです
蕩々たるセーヌの流れ。たゆたうこと流れる熱い情熱と友情。 アートを通して描かれる、原田マハの人間賛歌。
2023/04/04 09:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
炎の画家。
情熱の画家。
そして悲運の画家。
フィンセント・ファン・ゴッホ。
命の奥底から沸き出でる熱をキャンバスに描き続けたゴッホ。
物事を深く考えすぎ、絵を描くこと以外に全く関心を示さず、心の病と闘い続けた。
日本美術を愛し、日本を理想郷と信じた彼は、日本人になりたいとさえ願っていた。
だがその願いは叶えられることなく、生き急いだ天才画家は37歳の若さで自ら命を絶ってしまう。
彼は、弟のテオとその妻ヨーに支え続けられていた。
「この絵を部屋の中に飾ったら、まるでもうひとつ新しい窓ができるようだわ!」(ヨー)
画家と画商のゴッホ兄弟に、パリの日本人画商のパイオニア・林忠正とその弟子・加納重吉が深く関わっていく。
近代絵画の大きな分岐点となったジャポニズムと印象派。
そこにたゆたえども流れる熱い情熱と友情。
蕩々たるセーヌの流れが、常に変わることなく見守り続けてくれている。
アートを通して描かれる、原田マハの人間賛歌。
アートを通して描かれる、原田マハの人間賛歌。
2023/03/18 08:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
炎の画家。
情熱の画家。
そして悲運の画家。
フィンセント・ファン・ゴッホ。
命の奥底から沸き出でる熱をキャンバスに描き続けたゴッホ。
物事を深く考えすぎ、絵を描くこと以外に全く関心を示さず、心の病と闘い続けた。
日本美術を愛し、日本を理想郷と信じた彼は、日本人になりたいとさえ願っていた。
だがその願いは叶えられることなく、生き急いだ天才画家は37歳の若さで自ら命を絶ってしまう。
彼は、弟のテオとその妻ヨーに支え続けられていた。
「この絵を部屋の中に飾ったら、まるでもうひとつ新しい窓ができるようだわ!」(ヨー)
画家と画商のゴッホ兄弟に、パリの日本人画商のパイオニア・林忠正とその弟子・加納重吉が深く関わっていく。
近代絵画の大きな分岐点となったジャポニズムと印象派。
そこにたゆたえども流れる熱い情熱と友情。
蕩々たるセーヌの流れが、常に変わることなく見守り続けてくれている。
アートを通して描かれる、原田マハの人間賛歌。
フィクションだけど
2022/03/13 17:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶひぶひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
【ネタばれ】
画家であるファン・ゴッホと弟の画商テオ、日本人の画商の林と加納。ゴッホを支えるテオの苦悩とテオの苦しみを支える加納。そして林がゴッホに言った言葉、「たゆたえども、決して沈まずに」この言葉をゴッホは死ぬまで心に刻んでいた。実際は林とゴッホは接触してなかったかもしれない。その2人やテオ、加納を繋げて、日本人とゴッホの関係が深くなっていて、とても物語に引き込まれた。(アートフィクション)
この時代にタイムスリップしてゴッホの絵を買い占めたい
2021/10/19 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンリ・ルソーを描いた「楽園のカンヴァス」、ピカソのゲルニカを題材にした「暗幕のゲルニカ」、と読んできて、今回はゴッホの弟のテオと画商に勤める日本人・重吉を主役にした「たゆたえども沈まず」。「ここに描かれていることは、事実に近いものに違いない」と勝手に決めつけて読んでいた、ところが解説を書かれている阪大教授の圀府寺司先生によると、重吉は架空の人物で、重吉が勤めている画商のオーナー林忠正(実在の人物)とテオに交際があったという事実があったかどうかを不明だという、そして教授は「いいなあ、話が作れて」ともらしてしまう。パリ時代のゴッホのことは、あまり記録がないのだという、だから作者はのびのびとテオと重吉をパリで活躍させている。ああ、この時代にタイムスリップしてゴッホの絵を買い占めたいと最後に呟いてみた