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経済を鉄道に
2022/10/20 08:47
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投稿者:トウカシキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済を鉄道に例えるのは分かりやすかったです。そして、金融や貨幣にも広げていくのを見ると、応用は色々なところにも効くと感じました。また、処方箋には囲碁を用いた複数の呼吸口など、思ってもみなかった見方があったので、参考になりました。
電子書籍
独自の視点だが鋭い
2021/09/18 06:56
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投稿者:ぱぱす888 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本は、新刊が出るたびに購入しています。経済学に対する視点は、専門家による説明よりも、より深く頭に染み込むような感覚です。一読をおすすめします。
紙の本
大変にわかりやすい
2023/02/13 08:00
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学の論理や数式としておぼろげながら理解していた事項が、明確な図解やわかりやすい例え話となって解説されていて大変に理解しやすい。もっと若い頃に本書を読んでおけばよかったと後悔しきりである。最も上梓されたのは最近なのでそのような願いは叶えられないが。
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目からうろこ!
2021/05/26 19:11
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投稿者:マロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学は30年ほど前に受験した公認会計士試験で得意科目だったので、基本的なことは分かっているつもりでした。でも、本質をぜんぜん理解していなかったのだ、と痛感です。
今まで点と点でバラバラだった知識がつながって、星座に見えました。
経済成長率とか興味ないけど、確かに大事なんですね。
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とてもわかりやすく書かれていて、経済学をまさに直感的にわかりたい人にはオススメ。前半半分はやや退屈だったが、後半半分(第6章以下)、とくに仮想通貨のところの説明は大変参考になった。歴史的な事例も豊富。
最後の第9章は「縮退」というキーワードを用いて資本主義の将来を考える重要な章なのだが、やや難しい。「縮退の少ないように巧妙に作られた伝統的な制度というものは、実はそれ自体が一種の「資源」なのである」(p.448)という指摘は深い。
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理系が経済学の中で呼吸をするため、だけでなく、
社会に投げ込まれた理系の手本となる本。
マクロ経済学を含めた現代経済的の説明だけでなく、
鉄道やつるべの例えなど、
よく考えられたアナロジーになるほどが止まらない。
特に、縮退とコラプサーについては驚いた。
伝統文化を資源とみるなど、展望がひらけた。
鉄道の例え
資本主義のスピード
インフレと大きな政府
商業経済と産業経済
銀行券と貨幣の増殖
金本位制、国際通貨、仮想通貨
縮退とコラプサー
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知人が高評価をつけていたため、図書館にて借りて読んでみた。
第一章 資本主義はなぜ止まれないのか
第二章 農業経済はなぜ敗退するのか
第三章 インフレとデフレのメカニズム
ここまではまだ初心者の私でも大変理解しやすかったが、それ以降の章は一読だけでは理解が難しかった
↓以下忘備録のためほぼネタバレ↓
第一章要約
・貯蓄と言う行為は、本質的に経済社会貧血か超高血圧の二者択一を強いる性格を持っている。
・投資と貯蓄が一致すると言う条件が満たされないと、経済はバランスをとって走り続けることができない。
・資本主義経済は本質的に「空気より重い乗り物」であって、連続的に設備投資を行って行かねばならず、それが突然完全に停止したならば、経済は浮力の5分の1程度を失って落下してしまう。
第三章要約
.インフレと言う現象は、基本的には物資と貨幣の対応バランスが崩れることで起こるものであり、そのメカニズムをスマートに直観化するには、逆ピラミッド型図形をイメージするのが最も早い。
.ただ、それは必ずしも造幣局が紙幣乱発をしたことで起こるものばかりではなく、むしろその多くはサーキットが広くなっていく過程で生じたボトルネックが全体に波及していくと言うのに似たメカニズムによる。そのため一般に好景気の状態はインフレを発生させやすい。
現代社会が資本主義はもはや手放せなくなっている理由は、ほぼ次の3つに要約できる。
①軍事力維持の基盤としての資本主義(旧英国型)、②人々に未来の夢を出るための資本主義(米国型) ③資本主義から身を守るための資本主義(日本型)
インフレ環境の下では一般的に、
.資産家階層(もっとも金持ちととその資産で生活=機動性鈍い)は損をする
.企業家階層(2番目に金持ちとと借金をし=起動性高い)は得をする
.労働者階層(もっと貧乏=機動性鈍い)は損をする
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こんなにわかりやすい本に出会えて感謝。疑問に思っていた貨幣制度や金本位制のことからビットコインまで分かりやすく書かれている。何冊か購入して周りに勧めている。
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これはとても素晴らしい本でした。どなたにもお薦めできます。
現代の行き過ぎた資本主義に懸念を持った方には、かなり刺さる1冊だと思います。
もう、内容の全てが完璧なまでに計算されています。
一つ一つが分かりやすい。本当に直感的に掴めるようになっていて、作者の力量に感服です。
そして話の展開も、理解→疑問→次の理解→次の疑問→と、こちらも人の直感的な理解を助ける構成になっているのでページを捲る手が止まらなくなります。
きっと何度読んでも面白いし、その度に新たな発見や理解を得られる本だと思うので、手元に置いておいて損はない1冊です。
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経済学がこんなにも物理的だったとは!
現代経済学の問題を提起する後半より、「むっちゃわかりやすくて面白い、経済学の教科書」といった感じの前半が、読んでてワクワクした
こんなにわかりやすくていいのかと、不安になるほど。
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著者の語り口、賢い人だなあと思います。
仮想通貨が掴めたのが良かった、最終章の理解が追いつかず再読しよう。
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揺さぶられる
貨物車とか囲碁とか例えが独特
かなり共感したのだが自由貿易否定のくだりだけは違和感が私には
私が自由貿易に毒されているからだろうか
経済数学よりも本書のほうが物理数学ののあの衝撃に近った
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経済成長の速度を遅くするような社会的技術が必要。
経済社会は、拡大し不安定化する、と考えるのがケインズ派、自動的に復元し安定すると考えるのが新古典派。
現在の消費と設備投資は4:1.そのままに留まろうとすると1/5の消費が失われる。
マクロ経済学の最重要ポイントは、投資と貯蓄は一致する、ということ。貯蓄することで、消費が落ち込むか、投資を続けるか、が必要となる。
(家計貯蓄-家計投資)+(企業貯蓄-企業投資)+(政府貯蓄-政府投資)-(輸出等-輸入等)=0
カルヴィン派の教義では、享楽にために使うということはない。近隣で助け合うという概念はない。結果的に貯蓄に頼らざるええなかった。
現代社会が資本主義を手放せない理由。
軍事力の基盤を確保するため、アメリカンドリームとしての舞台、他国の資本主義から守るための資本主義。
イスラム教では、カネを貸すことは共同で事業をするに等しい。リスクは共同で分担すべし。金利がない理由。
資本主義は、実は最も原始的な社会経済システム。それ以上壊れようがない。
農産物の価格は下落する運命にあり、だんだんもうからなくなる。その結果、従事する数が減る。
農業は、需要が伸びず、生産が中途半端な速度で伸びる、工業は供給の伸びが速すぎるが、需要が伸縮自在なので不利をカバーできる。
植民地ではモノカルチャー経済が強要された。
景気が良くなるとインフレになるのは、値上がりが連鎖する性質だから。一部供給のボトルネックがあると、そこがインフレの火元になる。
インフレの原因。
紙幣の増加=ドイツなどの例。供給不足=戦後の日本、好景気と供給のボトルネックのせい。
デフレは、物価と賃金の下落の悪循環が起きる。
戦後の日本は、鉄鋼部門と石炭部門に集中してお金を投入して生産を復活させた=傾斜生産方式。
貿易は価格差で動く。自由貿易は関税収入はなくなるが、経済の拡大による税収の増加がその分を補う。関税の利益は、大衆の手に渡る。
自由貿易は、最初に2階に上がったものがはしごを引き上げてしまう制度。
かつての商業民族(中国人、アラブ人、ユダヤ人)は没落した。商業より工業が儲かる時代になった。
オランダは、バルト海貿易(商業)で栄えた。
イギリスは、毛織物(工業)で栄えた。衣料品は、耐久消費財より買い替えが多く、穀物より単価が高い。当初は保護貿易。アメリカ独立戦争のあたりに、自由貿易論に転換した。すでに2階に上がっていた。=アダムスミス学派の登場。インドの繊維産業を壊滅させた。
アメリカの南北戦争は、綿花を売りたい自由貿易主義の南と、工業化のため保護主義にしたい北との戦い。南部は、北部のモノカルチャー経済に取り込まれた最初の経済植民地。
ブロック経済化が第二次世界大戦の原因=自由貿易が善とされている。
日本の高度成長期までは、安い人件費は武器になった。1980~90年ごろには、技術面の差がつきすぎて、安さだけでは戦えなくなった。さらにロボット化で、安い人件費も無力化した。
現在の新興国は、製品の一部だけを細分化して低賃金を武器にサプライチェーンに参加した結果。しかし、その結果、奪われた分野で貧困が先進国に戻ってきた。
将来は、世界経済の発展か、国内の安定か、の選択になる可能性がある。保護主義とのバランスが必要。
古典派の考え方では、縮小均衡も均衡のうち。ケインズ派はそれを打破するために、需要喚起策(有効需要の増大)が必要、と考えた。
乗数理論=ケインズ派のよりどころ。需要を増やせば、何倍かになって増える仕組みがある。
貯蓄が、成人病のように有効需要の足を引っ張る存在になる。古典派の考えでは、これを掘り起こす手段がない。
所得の高い人は消費性向が低い。しかし、彼らへの増税は得策ではない。なぜなら彼らが新たな産業のきっかけになることが多いから。
そこで、財政赤字を出してでも国が消費する。
マネタリストが自然失業率という概念を出してきた。レーガン政権以降小さな政府に徹する。
ケインズのISLM分析は、金利を下げる効果を説明している。
イングランドの紙幣は、自然発生的にできたもの。イングランド銀行の意義は、ばらばらな銀行券に国王の特別許可状により統一されたこと。
モンゴルの紙幣は、武力を背景に、強制的に流通させたもの。このタイプの紙幣は、末期には乱発によって自滅する。
銀行による又貸し機能が経済の成長を助けている。堅実な人だけで借り入れを行わなければ、経済は拡大しない。
金本位制は、ゆっくりした拡大であれば、デフレになることで価格変動は可能。しかし急な変動に対しては、資金不足が急速に起こる。
仮装通貨は、虚か実か。又貸しのメカニズムを持てば虚のマネーになるが、実の部分だけならマネーの代替になるだけ。
現在のドルは、金の裏付けがなく、アメリカの軍事力という裏付けがあるだけ。
ドルが支払い手段になるためには、貿易赤字になってドルをばらまかなければならない。アメリカの貿易赤字はアメリカの弱体化=ドルの弱体化。解決しがたいジレンマがある。しかし、どんなものでも基軸通貨がないとはじまらない。
レーガン政権の双子の赤字でも、ドルは強かった=有事に強いドル。
核兵器の影響が弱まったとしても、慣性質量が大きいので、基軸通貨として通用する可能性がある。
貨幣は、すぐには勝手に増やせないが、経済の拡大に合わせてゆっくりとなら増やせる、必要がある。
金本位性の信奉者は、自由放任主義、自由貿易主義が多い。神の見えざる手を信じている。
金本位制には、貿易赤字解消の自動調節機能が内蔵されている。じっさいにはゆっくりしかこの機能が働かないため、追従できなかった。いったんデフレになるため、現実には機能しない。財布の中をマイナスにはできない。
ケインズの提唱したバンコールは、IMFのSDRとして機能している。
現代社会では、グレシャムの法則はない。兌換貨幣ではないため。
暗号資産=正式名称、仮装通貨は、電子の世界の金本位制。
貨幣は、短期的には量を絶対に増やせないが、ゆっくりであれば状況次第で増やせるもの。
仮装通貨は、台���を改ざんできない仕組みがあり、仮装通貨を発掘できることで、増やすことができる。
一部で通用するブロックチェーンを応用した通貨ならばあり得る。
金本位制がビットコインの限界。
政府が信用できないという理由、しかし金本位制と同じ目に合う。信用できない理由は、必要に応じて量を増やせるから。その限度がないことが信用できない理由だが、限度があると、デフレに陥る。
ビットコインも金も裏社会では、活躍の余地がある。
縮退という繁栄。大きなお店が流行り、小さな商店街が衰退するが、経済全体は成長する、減少。
恐竜が絶滅する直前は、ティラノザウルスとトリケラトプスばかりになった。
縮退は、作用マトリックスというツールで表される。
良い生態系は、多種共存の状態、悪い生態系は少数の主だけが繁栄し、他の弱小種を駆逐している状態。
偶然良い生態系が生まれることは非常にまれなこと。
縮退の過程で、富が生まれる。
希少性の高い状態から低い状態に移行するときエネルギーが生まれる。=エントロピー増大の法則。
人間の長期的願望と短期的願望の間でも縮退が起きる。願望が短期化することは一種の縮退。長期的願望は、注意していないと短期的願望に圧倒されて駆逐される。
巨大企業が活発化しているだけでなく、昔のシステムが縮退することで生まれているのが、現代の富ではないか。
縮退は、自動的には戻らない。
乱立は、一強を招く。個体が過剰に主張を始めると、結果的に巨大な塊をベースに成り立つ単一勢力が勝利する。
現代の世界経済では、世界金融市場の内側だけの投機でぐるぐる回るようになっている=マネーの動きの主要部分が縮退している。
長期的には購買力平価によるが、短期的には金利動向で為替が動く。
マネーは、戦争における補給路だったはずだが、マネーの流れが縮退することで、そちらのほうが主流になってしまった。
部分の総和は全体に一致する=大勢の短期的願望を集めれば、全体の長期的願望になる、は間違いだった。
要素還元主義では解けない。リベラル進歩主義は、縮退を進歩と勘違いしている。近代以前の社会のほうが短期的願望を抑え込む必要性を理解していた。
真の高い文明とは、人間の長期的願望が短期的願望によって駆逐されるのを防ぐ方法を知っている文明、ではないか。
地域的な結びつきを強める動きや愛国心は、巨大な金融の力に対抗するには力不足。
将来の経済学は、縮退をどのようにコントロールするか、が問題になるのではないか。
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現代経済学の本質をここまで大胆かつシンプルに切り取って良いのだろうか。これまでに読んだマクロ経済学に関する書籍の中で最も刺激的かつ分かりやすく、本当に知性というのは複雑な事象をいかにシンプルに説明できるか、という点にあることを痛感する。
マクロ経済学について学びたいと思っている人がいれば本書を全力でお勧めする。それは数式はわかるもののその意味合いがなかなかピンと来にくい「国民所得=消費+投資」というマクロ経済学の基本理論について、”列車”のモデル図を使って見事に説明された第2章を読むだけで強く実感してもらえると思う。恐らく本書の大半の内容は高校生でも理解できるレベルであるし、マクロ経済学の歴史についても言及されており、世界史/経済史の良い勉強にもなるはず。
改めて恐ろしい価値のある一冊である。
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これまで、経済学の全体像をつかむということでは、色々な本を読んできたが、分かりやすい譬えを使って、直感的な理解に導いてくれる本。特に、マクロ経済学の要点が、少し腹落ちしたように感じた。また、貨幣、金本位制の話から、仮想通貨という流れは、頭の中が整理された感じ。ちょっと横道だったのかもしれないが、ブロックチェーンの説明には、今までのモヤモヤが晴れた感じがした。
最後の縮退を避ける方法については、トクヴィルの民主制への流れは不可逆だが、民主制をうまく動かすためには、宗教が大事だとの指摘に通じるものがあると感じた。何か、別の軸・価値観が無いと、うまくいかなくなる。面倒だけど、それが現実なんだろうなぁ・・・