紙の本
意固地にならず、でも科学的に
2020/04/21 16:11
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:y0a - この投稿者のレビュー一覧を見る
平易な文章なのですぐ読めた。
今回のウイルスへの対策に関して、素人でも分かるよう書かれた本だと思われるが、平易だから中身が薄いということはない。
というのも、「何が大事なのかちゃんと考えよう」という趣旨のことが、感染症の専門家の立場から整理された形で述べられているからだ。
マスクがどうとか、利く薬はどれかとか、個別のイシューに走る前に、敵の性質を見極めることが大事。また、刻々変わる情報を受け入れながら、どう柔軟に判断するか(科学的に)、そのためには意固地にならず、いつでもスタンスを変えられるようにしておくこと。などなど。
個人の対策から、行政、国家レベル、そして価値観レベルまで、著者の考えはつながっている。参考になった。
紙の本
「日本の『常識』は、世界の『非』常識の、一端をより具体的に示した。
2020/05/08 23:22
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく言われてる「日本の常識は、世界の非常識」と言う状態が、「新型コロナウイルス騒動」と言う、「いつもとは違った」状態の中で、いくらか「見えがくれ」しつつ見えて来た。ーーーーちょっと極端に言うと「日本人とは、気が付こうが、付くまいが、物凄く超安心したがり屋」で、ちょっとでも、「安心できそう!」と感じると、もう「溺れる者は、ワラをも掴む」で、死に物狂いで、それが「ワラ」だろうが、何だろうが、なりふり構わず「シガミ」つく癖が、思ってた以上に「強い」ので、例え、途中で、『アッ!!これワラだ!!!』と気がついても、もう、「変えられない」「あっちの木の方が良かった」なんて言えない、「日本風面子」にガッチリ縛られてしまうーーーよって、その結果の害も半端じゃなくなる。ーーー『ああ、こうして人は、『自分の物語』にしがみついて「学ぶ力」を失って、とっととバカ、アホ、おマヌケの谷へと、転げ落ちるのか』が、感じられたりする本。ーーーーそれでも、「やって」かなきゃ、ならないんだとも言える。ーーー自分の中にもたっぷりとある「欠点」。 他人事ではないと感じて、いつも学べ!
電子書籍
正確な情報を得て、判断するのは自身である
2020/05/03 21:38
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投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々正確な情報を収集し、備えを持って暮らすためにはどうしたらいいのか。絶対とか安心・安全はない。人間は間違えるけれど、間違えたことを認めながら、よりよい選択ができる方法を工夫し続けなければならない。口語で書かれており、非常にわかりやすい。TVやネットを見て情報に困惑している人も多いと思う。読んで、少し冷静になって、日々の生活を改めてみてはどうでしょうか。
紙の本
コロナウイルスは気をつければ大丈夫?
2020/05/27 10:23
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投稿者:rainbow - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイアモンドプリンセスでの出来事やコロナウイルスについて、分かりやすく書いてあったので、緊急事態宣言の期間に読みました。
参考になりました。
紙の本
参考になりました
2020/04/19 15:00
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投稿者:大黒天 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナはまだ全貌が明らかになっていないウィルスなので、あくまでこの時点での岩田教授の知見に過ぎない。この先、新たな性質が分かってくるのかもしれない。という点を踏まえて読むべきかと思う。
クルーズ船の出来事についても書かれているが、あくまで岩田教授の視点からでの説明なので、客観的な事実とは言い切れないかもしれない。
電子書籍
口述のカタチ
2022/09/09 20:44
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し前に、読んだのですが、こうして新型コロナウイルスが何年も地球にまん延した状態が継続すると、あのダイヤモンドプリンセス号のときのことが、……。そうでしたね。でも、日本って、こういうことよくある気がします
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よし読み終わった。
新型コロナウイルス感染症とはどういうもので、これからどういう風に向き合っていけば良いのか、口述なので非常に読みやすい語り口でコンパクトにまとまっているので万人にお勧めできる。
個人的には著者の人間観や社会観、例え話まで、同世代ということもあるのか共感することばかり。
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日本は途上国と言えるだろう。新型コロナウイルスに感染しても入院できず、自宅に放置される。2021年8月は変死遺体で過去最多となる250人が新型コロナウイルスに感染していた。2020年3月からの合計は817人である。自宅に放置されて死亡して変死扱いされる。公務員は責任逃れの論理が狡猾である。
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正しく恐れ、正しく判断することが重要で、そのための手引書。
また、日本の各対策についても、ありがちな安易な政府批判、政府礼賛ではなく、良いところは良い、悪いところは悪いとバランス感覚のある指摘をしているところが良い。
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ダイヤモンド・プリンセスになぜ私は乗船し、追い出されたのか?動画公開に至るまでの顛末とは!?新型コロナウイルスの正体と感染対策をこれ以上なく分かりやすく⁉️
感染症パンデミックとなったいま、世界中の人々が過剰にパニックを引き起こすメカニズムまでをも理解できます。そんなとき、組織はどうあるべきか、個人はどう判断し行動すべきか?「危機の時代を生きる」ための指針に満ちています。 本書「はじめに」より
新型コロナウイルスから自分を守るために一番大事なものは、情報です。「こういうときはこうしとけ」というノウハウの以前にある、情報・知識・事実が大切です!
マスクがどうかとか、アルコール消毒製剤がどうかみたいな、個別イシューに入り込むのではなくて、まずは情報を集めること、知識を身に付けること。事実と向き合うことが何よりも大切です。同様に、結論を決めつけない姿勢も大事です。例えば、「マスクは必要でしょ」という結論にこだわってしまうと常に「マスクが大事だ」という情報にしか目がいかなくなります。そのうちに「マスクなんていらない」って言う人は敵だ、みたいなカルトじみた話になってくると、正しく情報が手に入らないで、デマに踊らされるようになってしまいます。
だからゼロベースで、「自分の意見なんていつでも変わっていい」という宙ぶらりんな状態で、何が来ても右にも左にもすっと動ける武道の達人みたいな脱力状態を保つこと、意固地にならないことが大切なんです。
今回の新型コロナウイルスを過去に経験した人は誰もいません。未体験なものに対しては、ぶれないほうがどうかしている。新しい情報が入ってきたら、「それは知らなかった」と考え方を変えるのが当然です。その意味で、情報を集めること、情報を判断するための知識を身に付けることがとても大事です。
それでは、新型コロナウイルスについて自分で判断するために、必要な情報や知識とは何でしょうか。それは、感染症の原則を押さえることです。
「微生物と感染症は違いますよ」とか、「感染と病気は別物ですよ」とか、「感染経路を遮断することが大事ですよ」という、原則的なところからしっかり理解を深めていくことが重要です。そのステップを踏まずに考えることをやめてしまうと、「○○って石鹼は殺菌の効果があるか」とか、「○○ってお茶を飲むとどうなのか」のような結論に飛びつくようになり、判断能力が衰えてしまいます。感染症の原則は、なにも一般相対性理論とか量子力学のような、大学でも専門的に学んだ人にしか分からない「一般の方、お断り」みたいな類のものではありません。時間さえかければ必ずちゃんと身に付けることができる内容です。
学校では試験問題を速く解く能力だけが評価されていたかもしれませんが、そんなものは知性でもなんでもない。途中で諦めずに、時間をかければ、感染症の原則は必ず理解できます。
それを土台にして、いろんな情報を集め、自分で判断することが大切なんです。
この本の第一章と第二章では、まず「コロナウイルスはこういうウイルスです」という事実と、感染症対策の考え方の基礎を一つずつお伝えします。「こんなん風邪みたいなもんですから、気にしないでください」みたいなメッセージを伝えるつもりはありませんし、逆に恐怖を傓るつもりもありません。
読者のみなさんに、そのときそのときでじっくりと考え、正しい判断をしてもらうために感染症の原則を身に付けてもらう。それが専門家の役割だとぼくは考えますし、身に付けた知識をどう扱うかは、一人一人に委ねるしかありません。
第三章では、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで大勢の感染者を出してしまった理由について、ぼくが船の中で見てきたことを踏まえてあらためて考えていきます
とはいっても、ダイヤモンド・プリンセスでの対応を除けば、日本政府のコロナウイルス対策は概ね適切だし、諸外国の対応と大きな違いはない、というのがぼくの理解です。ですから第四章では日本政府のコロナ対策、そして日本社会の新型コロナウイルスへの向き合い方について、良い部分は良い、悪い部分は悪いと、一つ一つ議論していきます。
そして第五章では、一人一人が新型コロナウイルスをはじめとしたあらゆる感染症と向き合うための姿勢、あるいは心構えについて、ぼくの思うところをお話しします
多くの人が新型コロナウイルスに関する適切な知識を身に付け、日々変化する状況の中でも根拠のない恐怖、あるいは根拠のない安心に惑わされずに事実を見据えて、その都度「正しく判断」できるようになる。それこそが新型コロナウイルスの感染拡大を止める土台です。
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簡潔でわかりやすい内容。
分量も多くないのでスラスラ読めます。
コロナに関して、医学的に最低限知っておいた方が良いことが網羅されてると思います。大事なのは「マスク」ではなくて、「手洗い」と「距離」。
あと、厚労省の体質もしっかり描かれている。
ダイアモンド・プリンセス号のYoutube動画は観ましたが、こんな背景があるとは知りませんでした。まさか、筆者が2時間で現場から追い出されてたとは・・。
ダイアモンド・プリンセス号の中が筆者の書いた通りだとしたら「大失敗」としか言えない。それを成功と呼べる神経は、まさに「幻想」を「現実」と思い込むことを繰り返し続けた末に構築されたものなんでしょう。そんな人たちが、現在なお進行中のこの危機に対して、適切な対策を行えるとは思えない。20年以上前の薬害エイズのときから何も学んでない。
マックス・ウェーバーが言うように、官僚システムでは公共の利益ではなく所属省庁の利益にまい進することになる。しかし、「過ちを認めない」のは、日本の官僚独自の特徴だと思う。先の大戦のときから本当に何も変わっていない。「反省」をしていないので。
メディアに関しても少しだけ書いてあったが、「事実」ではなく「願望」を報道する、というのはその通り。大戦時の大本営発表と同じ体制を、メディア自身が現政権と協力して作り上げたわけだし。
コロナ対策として個々人で何をすべきかは、この本を読めばほぼわかると思いますが、日本社会全体を改善する道は、筆者が最後に書いている通り、これからも「考え続けていくしかない」と思います。
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昨年、クルーズ船のダイヤモンド・プリンセスに乗船して追い出された方の本。
昨年の4月に発売された、感染症専門医の本ということもあって、まだまだ分かってないことも多い状況だったけど、その中でできることを考えていたんだろうなということが分かった。
不安を煽るようなことはせず、逆にただの風邪ととらえようとはせずにかなり中立に書かれてあった印象。
喉にウイルスがいないと、感染しているのにPCR検査で陰性になるという話は、イソジンが効くといった吉村知事が叩かれていたことを思い出した。見かけ以上、陰性になったところで意味ないよよなとは思う。
検査はまちがえるからあてにしないほうがいいというのは、急に症状が悪化するということもあるようだし、難しいところだろうなと思う。
他に、マスクは無意味だとか、空気感染はしないという記述はちょっと気になった。最近は空気感染するとかいわれてるけど、またちょっと意味合いが違うのかな。症状がないとマスクしなくていいということだけど、なんだかんだいってマスクをしてるから日本ではある程度おさえられてると思ってるけど、どうなんだろう。隙間があるから意味ないといっても、少しは意味あったりしないのだろうか。
今日本で起こっている感染はほとんどクラスターという記述は、そういう時期もあったなと懐かしかった。今はもう感染経路不明の人なんてかなりいるだろうし。
やっぱり、デルタ株がでてきて、様子が変わってきた感じなのかな。今の著者がどう考えてるのか知りたいと思った。あとがきには「これから学術的な知見が集まり、ぼくが論じていた内容が本質的に間違っていた、ということもあるかもしれません」とあったけど。
そうなった場合、著者は誤りだったとみとめるのだろうということがよく伝わってきた。逆に、日本政府は、失敗を失敗だったと認めない傾向があるようで、かなりまずい状況だということが伝わってきた。最悪、失敗したとしても、それを認めて反省し、今後にいかすことが大事だろうなと思う。
ちょっと驚いたのが、「世界的に見たら、じつは医師の数は女性のほうが多いのです」という記述。日本は少ないほうだとは思ってたけど、世界的にも男性より女性医師のほうが少ないとは思っていた。調べてみたら、世界の医師の男女比ランキングがあったたけど、全部ではないけど、女性医師が多い国は多そう(https://labcoat.jp/doctor-men-women-ratio/)。少なくとも、日本では突出して女性医師が少ないように思った。
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今回のコロナ禍の中で、一躍“時の人”になった医療関係者は少なくない。“8割おじさん”こと、西浦博・北海道大学教授。連日ワイドショーに出まくっている岡田晴恵・白鴎大学教育学部教授。感染拡大の初期に最も注目されたのは、本書の著者、岩田健太郎・神戸大学教授だろう。
当初、新型コロナウイルス感染症についてはどこか他人事だったが、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号で感染者が続出。船内に乗り込んだ岩田教授が内部の危険な状況を告発したことで、日本人が一気に危機感を持った。
それから2カ月余り。少しばかり「商売っ気たっぷりな本では?」と疑いつつも、手に取ったが、良い意味で期待を裏切られた。著者はSARSやアフリカのエボラ出血熱などに対処した経験もあり、知見は豊富だ。コロナウイルスとは何なのか、感染症対策の基本、PCR検査って実際どうなの?、インチキ臭い情報への対処法……、正体がよくわからない感染症へ、医療の素人である一般人がどう向き合うべきかがよく分かる。
もっと早くこの本が出ていれば、ミシンを買ってマスクを作ったりしなかったのにと思いつつも(まあ、社会的なマナーとしては必要な感じだし、案外よくできて自画自賛)、あふれかえるコロな報道に一喜一憂しなくなった。
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あえて、岩田先生の著書、読んでみました。
ダイヤモンドプリンセス号に乗り込んで、状況を英語も含めて動画アップしたことで「お騒がせの人」みたいに一部では受け取られてしまっているようですが、いや、著書の中身はとても客観的かつご自身の専門にも裏付けられているもので、今一度のこれまでの理解の整理になりました。この方は…著書を読む限り…冷静な方と思います。
また、「日本の対応はおおむねうまやっているが、問題がない訳ではない」として、問題点についても触れていらっしゃいますが、日本の問題点の1つは「リスク・コミュニケーションが下手(駄目)」という点はその通りであろうと思います。
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ダイヤモンド・プリンセス号で有名になった医師の岩田健太郎が、新型コロナについて書いた一冊。
2020年6月出版ということで新型コロナの情報としては若干古いものの、著者の考え方や鋭い見方は非常に参考になった。