読むのが楽しかったです。
2021/10/31 17:46
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投稿者:攻めだるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
パラ・スター side百花 と対になる作品です。どちらも読んで良かったと思えた作品です。こちらは車いすテニスプレーヤーの宝良 側からのお話。宝良のキャラクターがとてもいい。それとテニスの試合シーンがとにかく熱く、読み応え十分の小説です。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーがどうとかいうことではなく、パラテニスにスポットを当てた
というのが良いと思います。
この小説を読んでパラスポーツに関心を寄せたり、車椅子の製作に
興味を持つ人もいるでしょう。
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テニスの基本的なルールや車椅子テニスならではの体の使い方などを、作中で細かく説明しているので、テニスを全く知らない人でも、試合の白熱した様子が想像しやすく、また実際の試合への興味もわきました。
大人でも楽しく読めますが、登場人物がいかにも「キャラクター」という印象ですので、小学校高学年〜中学生くらいの方のほうが、より身近に楽しめるのではないかと思います。
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いやぁ、宝良最高だ。熱い熱い熱い、クールなのに熱い。
Side百花で感じたもやもやはひとかけらも残らないくらい吹っ飛ばされましたよ。素晴らしかった。
百花が前のめりになって自分の実力以上のものを求める姿にちょっとイラついていたのだけど、宝良の側の物語を読むことで百花の高望みや焦り、そして無駄に大きな期待、そのすべてを飲み込めた。宝良に吹っ飛ばされた。
百花編と同じような時系列で語られるのかと思っていたのだけど、宝良編は百花編の流れのまま続いている。
とある事情で精神的に崩れ結果も出せなくなった宝良の復活の物語。
二人が目指すその頂に君臨する七條選手との決死の戦い。そのすべてがすさまじい。まるで目の前で試合を見ているような臨場感。サーブを打つ時の彼女たちの声や、流れる汗、ふり抜かれるラケットが空を切る音まで感じられるようだ。
決勝戦前の眠れない二人の邂逅。語れれる思い。美談だけで終わらせない現実も描かれる。
死闘、としか表現できない戦いを終えた二人の姿、そしてそれを見守っていた百花たちの言葉に、そして七條に救われた宝良と同じく宝良に救われたみちるの手紙に涙が止まらない。
感動の涙?いやそんなわかりやすいものじゃない。障がいを持つ人も持たない人も同じように、一緒に当たり前に暮らす、ということ。パラ・スターが特別じゃなくなる日、そんな日がきっと来る。
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車いすを作る百花と車いすテニスでパラリンピックを目指す宝良。二人の友人としての関係性や車いすや車いすテニスを通して感じるそれぞれのこと。人に寄り添うことや、その人の気持ちを想像すること。一歩踏み出して欲しいという願いと、わかってても踏み出せない一歩。その時間の二人のやりとりがとてもいいしそれを乗り越えた後の展開やラストの50ページほどの試合のシーンは圧倒されてしまう。〈Side百花〉〈Side宝良〉どちらも本当にいい小説。
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車椅子プレイヤー目線からの後半。クールビューティーなだけに、前半よりは硬めの物語展開。それはマイナスにならず、試合場面も多いだけに、緊張感を高めるのにむしろ有効となっている。パラリンピックの前までで本編は終わったけど、その後の展開を考えてみるのも楽しい。良い作品でした。
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「たーちゃんはパラリンピックに出るくらいの、最強の車いすテニス選手になって。わたしは、たーちゃんのために最高の車いすを作るから」
車いすメーカーに勤務する山路百花が主人公の「パラ・スター Side 百花」と車いすテニスプレーヤー 君島宝良が主人公の「パラ・スター Side 宝良」の2部構成の車いすテニスを主題としたスポーツ小説です。
百花は中学で同級生の女子たちにいじめられているところをテニス少女の宝良に助けられたことから友人となる。
しかし、高校生の時、宝良は交通事故で脊髄を損傷し、車いす生活となった。
百花はすべてを閉ざしてしまった宝良を立ち直らせるため、福岡で開催される車いすテニス大会ジャパンオープンに誘う。これが新たな運命の始まりになった。
親友のために最高の車いすを作りたいと車いすメーカーに就職した百花だが、様々な経験を経て、自分がなすべき仕事の意義を見出していく。
一方、宝良は東京パラリンピックを目指して車いすテニスプレーヤーとして活躍するが、ある時期からの不調にもがき苦しむ中で新たな自分を見出していく。
ふたりは、いつかお互いの目標が交わる日を夢見て、仕事にテニスに情熱を注いでいく。
この物語を通じて、障がいを背負い、車いすユーザーとなった人たちの心情や苦悩なども描かれていますが、それ以上にひとりの人間としてどう生きていくかを考えさせられるとても素敵な小説です。
ぜひ、中学生や高校生に読んでもらいたい2冊です。
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「パラ・スター Side百花」は車いすを作る側から、こちらは車いすテニスプレーヤー側から描く。事故で下半身付随になっだがテニスに出会い、日本代表レベルにまで上達した宝良。しかし去年から負けが続いている。コーチが代わり、車いすも変えて、臨むはジャパン・オープン。不調を吹っ飛ばせるのか・・・
うーむ。百花の方も良かったが、こちらも負けず劣らずにいい。解説の北上次郎氏は泣きまくったそうだ。そこまで泣けたわけじゃないけれど、ラスト近辺では、湯船に浸かりながら読んだので、頬を伝わるのが汗なのか涙なのか分からなくてなってしまった。
「入院してるおまえの様子を見て、俺は正直、おまえとはもうこれきりになるだろうと思った。テニスに命がけで打ちこんできた分だけ、きっと走るどころか歩くこともできなくなったおまえは、つらすぎてもうテニスには一生近づかないだろうと。だけど、おまえはまたコートに来た。ジャージに着がえて、ラケットを膝にのせて、車いすテニスがしたいと俺に言った。あの時、心底俺は思ったよ。人間て何なのか。ここまで打ちのめされてまた立ち上がる強さは、生きようとするひたむきさはどこから来るのか」
もし自分が車いすに乗る生活になったらテニスをやってみたいと思わせる、そういう力のある小説だった。順序としては百花を先に読んだ方が時間的に順序よく読める。
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東京パラリンピックまであと数ヶ月。期待の新人と話題になっている宝良。だが、ここ最近の試合は不調続き。おまけにコーチが病床に倒れ、急遽ウマが合わなかったコーチの教え子の志摩にコーチして貰う事になり…
良い意味でも悪い意味でも頑な宝良。周りの助けを甘えとして突っぱねて来たけど、成績が落ちている事にそんな事も言ってられず素直に手を伸ばせるのは強い証拠だと思います。負けてしまったけど、これからに期待です。
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こっちから読んでしまった。東京パラの前に買って、フランスパラの前に読了。
テニスの描写を文字にするのは大変な作業だと思うが、少なくともある程度テニスをやった人には緊迫感や選手の判断などは伝わると思う。その意味で、文章がうまい。
絶対王者の意識や凄さ、這い上がる挑戦者宝良の思い、応援する周囲の気持ちなど、色々と伝わる、素晴らしい作品。
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文句なしで本当に面白かった!!!。
宝良の少し不器用で、でもテニスに対してはものすごいストイックなところがとても愛おしく感じた、そして前回の主人公である百花との友情がとても素晴らしかった。
2巻通して感じたこととしては、今回の登場人物の多くが根から悪い人間がいないというところだと感じた。人生を生きる上で、どうしても悪い人間に出くわしたりそれによって自分の気分が害されたりすることが多々ある。ましてや勝負の世界ともなればそのような事は日常茶飯事だろう。しかし、今回の登場人物は口こそ悪いものの自分の信念を全うし(不器用なところは多々あれど)、戦い抜いているというところがこの二つの小説のキャラクター達にはある。そんなところがこの小説をより面白くする仕掛けなのかもしれない。
最後にもし彼女たちの物語に続きがあるならば是非読んでみたいと感じた。
最後にこの小説をアニメ化したときの声優陣を自分なりにキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください。
山路百花:安野希世乃
君島宝良:小松未可子
小田切夏樹:細谷佳正
雪代和章:関俊彦
志摩:榎木淳弥
藤沢由利子:園崎未恵
君島紗栄子:椎名へきる
七條玲:上坂すみれ
ローラ・ギーベル:村川梨衣
最上涼子:遠藤綾
三國智司:杉田智和
佐山みちる:小原好美
佐山佳代子:平野文
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車いすテニスを舞台にしたスポーツ小説です。
今までパラスポーツを題材にした小説って読んだことありませんでした。車いすでテニスってどういうものなのだろうかとyoutube見てみましたが、想像以上にスピーディーで驚きました。
テニスで上を目指していた少女宝良が事故によって車いす生活になり、絶望の中でやはりテニスに活路を見出し、がむしゃらに進んでいく姿と、彼女の親友であり一番のファンでもある車いす制作に燃える百花の真っすぐな友情にぐっと来ざるを得ない名作です。
感動させようと思って書いているわけではないシーンで、不意に胸が熱くなって間が霞んでしまいます。
この本は車いすプレイヤー「宝良」サイドの一冊で、もう一冊は車いす制作側の「百花」の物語のようです。そちらもめっちゃ楽しみです。
超攻撃的で勝気な宝良のキャラクターがお涙頂戴を拒否していて清々しい一冊です。
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side百香、side宝良
両方読んだ方が良い。
両方読んだうえで、side百香が好みだった。
この2冊をきっかけに車椅子テニスへ興味を持つことができた!
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脊髄損傷で車イス生活となり、車イステニスでパラリンピックを目指す宝良と、彼女の親友で競技用車イスのエンジニアを目指す百花の物語。
「泣ける」と聞いたが泣けはしなかった。物語の展開は、予想を全く裏切らない。そう来るだろうな、という話。そう来るとなれば、こう書くだろうというところが、まさに、なんというか、ドンピシャでくるところが、きっと涙腺のゆるい人にはぐっとくるのだとは思う。
しかし、泣きまくったという解説の北上次郎(この人の話は半分にして聞くことにしている。私は。)の言う通り、泣けることといい小説かどうかは関係ない。
泣けはしなかったが、上手い作家だと思った。
特に感心したのは、ジャパンオープンの試合のシーン。全部を描写するのではなく、ハイライトシーンをパッパッと見せ、観客席や修理スタッフに切り替えるところ。映像的な描き方だと感じた。
ダラダラ試合の描写をしないので、テニスがよく分からない私のようなスポーツオンチでも読むことができる。飽きさせない。
パラリンピックだし、スポーツだし、熱い友情だし、挫折と絶望からの光だし、成長物語だし、悪いところはどこも無い。むしろいいところばっかりだ。
日頃本を読まない人、テレビドラマやマンガが好きな人にもおすすめできる。読めるなら小学校から大人まで。
が、個人的には、こういう小説は好きじゃない。これなら漫画やアニメで良いと思う。(実写は、出来なくはないが、車イステニスプレーヤー役が難しい)主要登場人物は美男美女だし。
この物語で宝良が出場する2020年東京パラリンピックは延期となった。オリンピックは、無くても有名な国際大会は報道されるが、パラリンピックがなければ、パラスポーツの試合はほとんど報道されないだろう。それを考えると、やった方がいいのではないかと思い直したし、そもそも日頃のスポーツニュースにパラアスリートの話題が少なすぎるのは、大きな問題だと改めて感じた。
また、障害を持った人たちが気軽にスポーツを楽しんだり、子どもたちがアスリートを目指す(小学生がサッカー選手やプロ野球選手になりたい!と思うように)ことができる環境にはまだまだであることもよくわかった。競技用車イスは高価だし、競技できる場所もとても少ない。まずそこを変えていかなければ。そういうところに税金を使ってほしいと、この小説を読んで初めて思ったので、読んで良かった。
(障害のあるなしに関わらず、あらゆる人が自分の好きなことを楽しめる世の中であってほしいと思う。)
好きな小説かと言われればNOだけど、多くの人が夢中で読めて、障害者スポーツについてこれだけのことを気づかせてくれるこの作品の素晴らしさを認めないわけにはいかない。
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宝良、いい性格してる。
車椅子だから、とか、パラスポーツものだから、ではなく、勝気だけど悩みながら成長する姿は、爽快にして良作。