紙の本
表紙にのんさんの写真というのはバリュー!
2020/05/24 22:28
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
『火花』のずっと前にも本が出てたんだぁ...と思って手に取る。東京の地名は登場しても、おなじみの景色は皆無で、多くは又吉直樹氏の心象風景みたいな感じ。やや鬱陶しげな思いや、ひそかに面白い事件、ほろ苦い結末…みたいなものを淡々と読む。
そして、読了後、東京の深夜のファミレスあたりで、誰かとずーっとこの本に描かれたコトをあれこれ話し続けてみたいなぁという気分になった。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞を受賞したピースの又吉直樹さんの、東京でのデビュー前後からの暮らしや日々の思いがユニークに綴られています。読んでいるとおもしろさがじんわりと伝わってきて、元気が出てくる気がしました。
紙の本
東京の片隅での又吉さん
2020/11/22 18:56
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投稿者:mike - この投稿者のレビュー一覧を見る
又吉さんの朝日新聞に一時期連載されてたエッセイがとても印象に残っていて好きだったので、この本も似たような雰囲気を感じて購入しました。
東京での、デビュー前後からの暮らしや日々の思い(空想や妄想的なものも?)がユニークに綴られていて、面白かったです。
最後のあとがきにあたる部分に、相方が本文内には登場しなかった事についての記載がありましたが、そこにピースの絆のようなものが見えてよかったです。
日々過ごすどうってことない街中の景色も日々しっかりと目に焼き付けたいなぁと思いました。
紙の本
独自の世界にドップリと浸かっている人だ。
2020/05/15 14:34
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自身が持っている世界が、ものすごく独特だ。
めんどくさい自分や美意識に合わないダサい自分を持て余しても、見限らないで粛々と飄々と日々を歩んで行く。
ああこんな人がいるのだなあ、そして、こんな人が素敵な小説を世間の皆に読ませてくれるのだなあと思った。
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又吉直樹さんの「夜を乗り越える」でもこの連載の話がよく出ていたので手に取った。面白かった。
私のお気に入りは山王日枝神社と麻布の地下にある空間、昔のノートの3本。
最後に相方の事がたくさん書いてあったからニューヨークの綾部さんが読んでるといいな、と思った。
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くるりの『東京』という名曲がある 御託を並べる暇もない時代にバルチック戦隊を撃破した東郷平八郎が奉られるすぐ裏で 山王日枝神社 芝大門尾崎紅葉生誕の地 ザ・イエロー・モンキーは『バラ色の日々』を唄っていた 側溝そっこう 東京高円寺阿波踊り 勝鬨橋の憂鬱 ピースを結成して一番最初の営業は下落合にある外国人留学生の専門学校だった 三宿の世田谷公園 渋谷道玄坂ひゃつけんだな百軒店 杉並区馬橋公園の薄暮 村上春樹 三杉淳 村上淳 堀之内妙本寺 幡ヶ谷のサッカーグラウンド 目黒区立駒場公園 尾崎ほうさい放哉は根津神社で句会を開いていたらしい 千川の『湯けむりの里』 浜離宮恩賜庭園はまりきゅうおんしていえん 門前仲町の富岡八幡宮 正直に白状すると僕は西加奈子さんの突出した才能に以前から怯えていた 小金井公園の『江戸東京たてもの園』 市ヶ谷で有名なラーメン屋『くるり』 理想を語れるほどの活動が自分にできているのか? 池尻大橋の小さな部屋 さむえ作務衣を持参した ダイノジは大地おおち 便宜的な表現の挙げ足を取られているわけだから 「想像力が欠落した豚は黙っていろ!」という蛙跳びアッパーの如き暴言がある ここでいう「豚」とは人間社会で漫画的にデフォルメされきった知性の欠片、純粋性さえも見受けられない者に対して使う自負なりの素朴な暴言である。 銀座の老舗バー『ルパン』 中村文則 目黒区ひもんや碑文谷アピア40 竹原ピストル 淡島通り 芥川の描くスパークする刹那の輝きに強く惹かれる 湯島天神の瓦斯灯 湾岸スタジオの片隅 ネガティブもてかと称される栗原類くんだった 新宿五丁目の文壇バー『風花』 日本家屋かおく 寿ファンファーレ だが今は想念としてのピース、小片としてのピース、どちらの言霊も働いているように感じられる。 散歩しているとポエジーな気持ちになる。ポエジーと自虐的に言ってはみるけど、予防線を張る必要も無い。詩情を恥じることも無い。詩情をバカにしようとする自分だけを恥じることにしよう。過剰なセンチメンタルを笑う奴は、ナイーブな心をバカにする奴は、センチメンタルが生み出す攻撃力を、ナイーブが齎す激情を知らない。
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東京の紹介だと思って読み始めた前半はあまり面白くなかった。でも読み進むに従い、地名はほとんどどうでもよく、その内容が心にしみるようになった。
後半に行くに従いそれが加速し、最後の98,99話はうれし涙と又吉さんの繊細さと優しさに心を打たれて涙し、100話はやっと東京らしい話で締めてくれたが、その後の付録は相方の綾部さんへの想いにあふれた文章でこれにも心を打たれました。この人の文章を読むと、気遣い、心遣いにあふれ過ぎていて、自分はなんて鈍感に毎日を過ごしているんだろうと思わされる。
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又吉さんの東京での日々。中でもゴミ箱とゴミ箱のあいだの話が好き。文庫版の書き下ろしでは相方への愛が感じられる。
東京に暮らしている人、暮らしていた人は多けれど、みんなの東京の景色はそれこそ人の数だけあるんだろうなぁ。
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日常。この作家らしい表現が続く。「火花」に描かれていた売れていない芸人たちのやり取りはこの日々にあったのか。綾部のことを書いたラストが出来過ぎ。
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又吉直樹『東京百景』角川文庫。
まるで30年前の日本のあちこちでちらほら目にした、人生を諦め、世の中を憂う文学青年がしたためたようなネガティブなエッセイ100編と文庫書き下ろしエッセイ1編を収録。
高校卒業後にお笑い芸人を目指して上京。なかなか上手く行かない鬱屈とした青春に過去を呪い、自身を責める。本当にこの人は真剣にお笑いを目指したのだろうか。普通でありたいと吹聴しながら、実は破天荒を気取っているだけではなかろうかと思うような文章が並び、読むと気が滅入る。
『花火』は非常に良かったが、『劇場』は一生懸命ブンガクしようとしていて好みではなかった。本作はさらに好みではない。
本体価格660円
★★★
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又吉直樹が東京で見た景色と自身の日々を綴ったエッセイ。
卑屈で少しネガティブな文章は不器用なりにまっすぐに自分らしく生きようとする意志を感じる。
良い意味で芸能人らしくなくて、親しみが持てる。
特に警察官に職務質問されるくだりの「渋谷道玄坂百軒店」や僕の東京ハイライトと自らが述べる「池尻大橋の小さな部屋」が個人的に好き。
本当この人は感受性豊かで文章が上手い。
そして本編にほぼ出てこないが、最後の綾部との話しにはコンビ愛を感じた。
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Ⅰ~Ⅲまで読み進めての、最後書き下ろしのIV。
時間がある今のタイミングでじっくり時間をかけて読めてよかった。
エッセイと幻想と入り混じる感じが、北大路公子さんの『枕もとに靴』を思い出した。
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すごく面白かった。最初は自分が知ってる場所から読んでいた。そのあと前から順番に読んでいった。何回か声を出して笑ってしまった。東京の街の中で感じる孤独感や哀愁、でもその中で生まれる人との関わりやつながり。あと、妄想が好きな人には変な出来事が高頻度で降りかかるのかなと思った。なんてないこともそう見えてるということなのかもしれないけど。
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読み終わった。
というか、読み終えてしまった。
自分に重ねるように、大切に読み進めていたが、
遂にだ。
泣けて、笑えて、少し寂しくて、でもたくましくて。
青春と言うには老け込んだとあるが、
読み進めながら、私はたしかに青春していた。
もう一度、読み返す。
読み終えて間もなく、すぐに。
こんな本は初めてだ。
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東京は場所ではなくて誰かの物語の集まりだと思っている私にとっては好きな1冊だった。
少し物足りない気持ちもあるけど、等身大というかんじ。