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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を殺すってとても大変。
というか、後始末がとても大変。
人殺しは割に合わないということでしょうか。
今更ですが(笑)
電子書籍
念入りに殺された男
2023/02/22 19:38
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は普通にミステリーものとして読んでいましたが、読み終って、なかなか憂鬱な気持ちにさせられる内容でした。
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フランスのミステリ。
興味を引くタイトル通り、着想が面白い。
フランスの田舎町に住むアレックスは、家族とは睦まじく暮らしているが、人中に出ることのない内気な女性。
小説家を目指していたが、今はほぼ諦めていました。
家族と営む民宿に、思いがけなく有名作家のシャルル・ベリエが滞在することに。
お忍びで作品を完成させたいというのだ。
気さくで話し上手なベリエは家族を魅了するが、アレックスは次第に圧迫感を覚える。
ある晩、ベリエに襲われて、抵抗した勢いで殺してしまったアレックスは‥
この宿に来ることを誰にも教えていなかったベリエ。
複雑な性格で、勝手な行動も多かったため、隠蔽できるのではないかとアレックスは思い立つ。
変身してパリに出て、アシスタントと名乗って行動し始めるのです。
ある意味ファンタジックな興味深い展開。
‥しかし捜査したら、こんなのバレるよね?!
と思うと、感情移入はしきれず、はて?
作家らしいややこしさや身勝手さを隠蔽に生かしたり、ある程度才能ある女性だからこそベリエの作品や周辺のことを理解し、出来る立ち回りなど、フランスらしいエスプリは感じられます。
続編があるらしいのだが、えええ?それって~…
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書評家筋で評価が良さそうだったので読んでみたが、珍しくぼくの予想は裏切られ、惨憺たる読後感に終わった一冊。
出だしこそ、小説家志望の女性とその家族、そこにお忍びで訪れる有名作家という、文学の香りを散りばめたシチュエーションが素敵であり、本好きの読者は即刻物語の重厚さに引き込まれると思う。
しかし、いざ事件が起こり、その結果をノワール風に展開する段になると、あまりの力技的プロットにその時点からついてゆきにくくなってしまった。文学的な手段を用いてゆくにしても、スタート時ほど表現として入れ込んでくれないのが残念である。
次にヒロイン造形について難があり過ぎるとも思える。いくら追い詰められたヒロインとは言え、夫と二人の子供たちへの思いやりをほとんど見せず、保身のための計画を構築し、思い切った行動に出ること自体、ストーリーとしては意外だし、それ自体が本書のエンターテインメント部分であるとは言え、あまりに不自然過ぎる。
ヒロインの無茶や軽薄な行動は、いくつもの幸運で救われるが、先の見えない不安が強いて言えばノワール的でありながら、あまりにも展開に無理がかかり過ぎているような気がする。彼女の行方をどうやってか探り当ててしまう夫の行動についても、両親不在の子供たちの世話についても、説明はされない。
とことんヒロインの視点でしか物語られないゆえに、謎に謎を積み重ねてゆくばかりで、しかもヒロインがあまり好きになれないばかりか、読者も家族も裏切るような軽率な行動をとることで、もはやぼくはヒロインを許せなくなった。
女性によるノワールは珍しいように思うが、エンターテイメント性を重視して、しかも結果が結果なのでノワールというより、ブラックだったのか、との印象。わかりにくいかもしれないが、ジャンルはノワールとは異なると思う。
作家は同じヒロインによる次作を準備中らしいが、そこで本書の欠点をフォローできるかどうかも注目しておきたい。もしかして大逆転があるかもしれない、とわずかに期待したいが、今の時点ではどうにも……。
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どんな結末になるんだろう!!!??と一気読みして、ふむふむなるほどな、と。
ネタバレしたらそれこそ念入りに殺されそうだから口を閉ざすけれど、これは賛否がわかれそう。
わたしはしたたかな女は嫌いじゃないので、いいと思います!
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フランスのミステリー。新聞の書評で知り読みました。主人公が犯人。強姦されそうになり相手を殺害。自首すれば自分も家族も不幸なると考え、被害者が当然別の場所で殺され、死体が出てこないのも世間が納得する状況を何とか作り出そうとする。強姦しようとした被害者は著名な作家で、SNSをやっていたので、作家が生きているかのように、Twitterに投稿し、電子メールを親しい人に送る。主人公は小説家の秘書になりすまし、小説家に親しい人に接近する。
人は周囲からどのように見られるかについて気になるが、別人格になりすます事で主人公が殻を破っていく過程がこの本の醍醐味です!地味な女性が異性を引きつける女性に変身するという昔からある話を現代的に焼き直した本とも言えます。なかなかの佳作。一気に読んだ。
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着想のフレンチミステリ。まさに。
アレックス一家の営むペンションに訪れた有名作家ベリエ。
その屈託のなさで家族にあっという間に馴染み溶け込んでいたかと思えば、その裏では自身の新作の題材に家族のイメージを勝手に使ってしまうあざとい男。
あげくの果てに、アレックスのサプライズ誕生日パーティーの夜にアレックスに言い寄り襲い掛かる。
アレックスは抵抗する中でベリエを殺してしまう。
そこからが真骨頂。
単純な隠ぺい、逃避、しら切りではなく、他の誰かに罪をなすりつけようとベリエのアシスタントに成りすまし、関係者から候補者探し。
いかにも素人めいた手口や無理のある偽装工作、結末への舵切りには改良の余地ありだが、コンテキストの斬新さに推されてページが進む。
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ノワール、ということで、もっと暗いイメージをしていたのだが、それほどでもなく。精神的に不安定な主人公、ということもあって、思考が混乱している・繰り返すことが多く、リアルに感じる。この物語のそのあとを想像させる終わり方だったので、この小説の続きは読み手に託されたのだろう。
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題名に惹かれて読んだが、他人の人生を送る女性、というなんとなくありがちな話だったし、結末というか問題の解決策も尻すぼみな感じがする。
本国ではシリーズ化されるというが。
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著名な小説家を正当防衛で殺してしまった主婦が、小説家のアシスタントに成りすまして犯行を隠そうとするミステリー。
小説家が生きていると見せかけるために、家を飛び出して変装して偽名を使い、アシスタントを名乗ってあれこれ画策するという突拍子もない設定はおもしろい。でも、そこから先はあまり練られていなくて、全体的に盛り上がりに欠ける。
新聞の書評欄で紹介されていたので図書館で借りてみたのだが、主人公が追い詰められていく心理戦を期待していたところ、見事に裏切られた感じ。
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かなりな周到さで、アレックスもれっきとしたソシオパスですね。どうなるんだろうと思いましたが、うまくいくもんなんですね。本当のレオが現れたら一気に崩れ落ちるような気はするのですが。
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面白かったです。
ブライアンデパルマのDNAを受け継いだ女性監督(いるのかな?)がケレン味たっぷりの映像で描いたら面白い映画になるかも、と思いました。
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小説家を目指していた女性、アレックス。
田舎にある彼女の家は家族とともに営む民宿をやっていた。
そこに人気作家シャルルペリエがお忍びで泊まりにくる。
アレックスも家族もすぐにペリエの魅力に夢中になるが、ある日、ペリエがアレックスをレイプしようとし、はずみで彼を殺してしまう。
このままでは殺人犯になって、家族とともに暮らせなくなる、と考えたアレックス。
彼女は彼に「正しく死んでもらう」ために、ペリエの本拠地、パリに向かい、アレックスの替わりに犯人になってもらうべき人物を探すことに……。
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民宿に客が忘れていった身分証を利用すべく、別人に成り代わるシーンからワクワクしました。
田舎の美しい情景、パリの喧騒も目に浮かぶような華麗な文章で、映画を見るように堪能しました。
キャラクターも単純ではなく、まるでこの本を読む読者の分身のようなアレックス、最低だけれど憎みきれないシャルルペリエをはじめとして、みな、興味深い人物でした。
危なっかしいアレックスの行動にヒヤヒヤしながら、これはもしや、信用できない語り手では?と勘繰りまくった私は馬鹿だった。
あと、ハヤカワポケミスはじめて手に取りました。
レトロでスタイリッシュな装丁が嬉しい。
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小説家になる夢を叶えられなかった主婦がひょんなきっかけから高名な作家に成り代わる過程で新たな人格を表出させて完全犯罪が遂に成就するのだが、主人公は何事もなかったかのように元の生活に戻れるものだろうかという疑問を持たせたまま物語は終わる‥‥ と思いきや、作者は続編を用意しているらしい。生まれ変わったここから先の主人公の運命の
方がより興味深い物語になるのではないかと期待してしまう。
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いつ、どこから破綻するのかとハラハラしながら読んだ。意外な展開な気もするし、でも予定調和な気もするという不思議な感じ。
にしても斬新な設定というかアイデアだなと思いながら読んだあと、訳者あとがきで、それがフランス文学の特徴みたいなことが書かれていて得心した。
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著名な作家を殺害してしまった女が、罪から逃れるため作家のアシスタントを装いながら、自分以外のもっともらしい犯人と動機を探すために調査する話。着想が斬新で、また主人公の追われる者としての心理にも重きをおいたサスペンスとしても魅力的だった。あとがきによると続編を執筆中らしいので楽しみです。