避けられた戦争 ──一九二〇年代・日本の選択
著者 油井大三郎
1920年代の日本は、国際連盟の常任理事国に選ばれ、不戦条約にも調印し国際平和をリードする大国として世界の期待を集めていた。だが、30年代になると日本は一転して国際協調を...
避けられた戦争 ──一九二〇年代・日本の選択
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商品説明
1920年代の日本は、国際連盟の常任理事国に選ばれ、不戦条約にも調印し国際平和をリードする大国として世界の期待を集めていた。だが、30年代になると日本は一転して国際協調を捨て、戦争への道を歩んでいく。当時、戦争を避ける選択はありえなかったのだろうか。日米関係を中心に長年研究を積み重ねてきた碩学が、その最新の知見を、従来の日本近代史の豊富な実証研究の蓄積へと接合。20年代日本にとって本当は存在していた「戦争を避ける道」の可能性を掘り起こす。
目次
- プロローグ/転機はいつか?/マクマリー説の波紋/ポスト冷戦下の新しい研究動向/歴史教科書におけるギャップ/学術書と一般書のギャップ/オルターナティヴの歴史研究と史実/本書のアプローチ/第一章 ヴェルサイユ会議と日本/1 第一次世界大戦の講和構想をめぐる対抗/膨大な犠牲者を生んだ第一次世界大戦/ロシア革命政府の「平和に関する布告」/ウィルソン大統領の「一四カ条」/2 ヴェルサイユ講和会議の召集/第一次世界大戦の終結/ヴェルサイユ講和会議の始まり/日本代表団の準備/日本の対華二一カ条要求と米国の反発/米国と中国の参戦/ヴェルサイユ講和会議における山東問題/人種平等条項の否決/新外交と旧外交の並存/3 日本社会の反響/国際連盟協会の発足/近衛文麿の「新外交」批判/講和会議参加後の近衛文麿の変化/民族派の台頭と「新外交」批判/北一輝のヴェルサイユ体制論/『日本改造法案大綱』の影響/日米開戦論のベストセラー化/日米開戦論登場の意味/日露戦後の米国における対日開戦論の登場/第一次世界大戦後の米国における日米開戦論/4 日米両軍による戦争計画の実相/米軍の対日戦争計画/「オレンジ・プラン」の特徴/一九〇七年の帝国国防方針/一九一八年の国防方針改定/関東都督府の改組/第二章 ワシントン会議と日本/1 米国における共和党政権の誕生とワシントン会議の提起/ヴェルサイユ条約否決の衝撃/戦争違法化運動の始まり/ワシントン会議の提案/日本のワシントン会議にむけた準備/2 ワシントン会議での対立と合意/海軍軍縮問題/日英同盟の解消/中国における門戸開放原則と既得権益/山東問題の処理/対華二一カ条要求関連条約をめぐる対立/3 米国はなぜ「門戸開放」にこだわったのか/門戸開放政策の英国起源/米西戦争と「反帝国主義論争」/二種類の門戸開放政策/門戸開放政策と満州/ドル外交と中国/米国による「勢力圏分割」外交/4 ワシントン会議に対する日本社会の反応/徳富蘇峰の反発/大川周明の批判/幣原喜重郎の反論/渋沢栄一の軍縮賛成論/石橋湛山の小日本主義/5 日本における軍部権限抑制論の台頭/大正デモクラシーと軍部抑制の模索/第一次世界大戦後の軍縮ムードの高まり/軍令と軍政の構造的矛盾/吉野作造の帷幄上奏批判/6 ワシントン条約に対する日本軍部の反応/海軍軍縮条約をめぐる海軍内部の対立/日本陸軍の軍縮対応/一九二三(大正一二)年の国防方針改定/ワシントン体制は存在したのか?/第三章 米国の日系移民排斥と反米感情の噴出
- ほか
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正当化にくぎを刺すため
2023/05/28 13:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
満州事変以降の日本は必然であったのか。ありえたかもしれない歴史をの可能性を探ることで、正当な戦争であった、やむを得ないものであったといった正当化にくぎを刺すためのものでもあろう。
1920年代の日本を知る
2020/09/22 12:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1920年代というと、第一次世界大戦後の世界の大きな動向、というのがまずあって、その中で日本がどういう行動をとったのか、というのは何となくわかりづらいというか、付け足り的なイメージがあったが、この本で学びなおせた。
難解な内容でした
2020/07/03 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり歴史に詳しくない私には、当書は難解でした。内容をしっかり理解しないまま、勢いで読み進めました。
分厚い本ですが、歴史に詳しい方なら一気に読み切れます。