息子と狩猟に(新潮文庫)
著者 服部文祥
小学生の息子を連れて鹿を追う週末ハンターの倉内と、トラブルで死体を抱えた詐欺集団のリーダー加藤。獲物を狙う狩猟者と死体遺棄を図る犯罪者が山中で出くわしてしまった――。息も...
息子と狩猟に(新潮文庫)
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商品説明
小学生の息子を連れて鹿を追う週末ハンターの倉内と、トラブルで死体を抱えた詐欺集団のリーダー加藤。獲物を狙う狩猟者と死体遺棄を図る犯罪者が山中で出くわしてしまった――。息もつかせぬ展開と圧倒的リアリティに痺れる表題作。世界最難関の雪山で飢えと寒さに蝕まれていく極限の状況下、人の倫理観の矛盾を鋭く問う短編「K2」。サバイバル登山家が実体験を基に描く唯一無二の犯罪小説。(解説・杉江松恋)
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自然界で生き抜くとは
2022/03/28 10:56
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投稿者:マリリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作「息子と狩猟に」は、関連性がないような2つの物語の接点が見え始めたあたりから俄然面白くなる。舞台は奥秩父の山中。人を殺すのが罪なら、動物を殺すのは...。父が背中に背負ったのは狩猟で得た獲物だけではない。父親の冷静な行動力と、同行した6年生の息子のやり取りからは、自然界の生と死の輪廻すら感じる。山中で繰り広げられる老人を狙った詐欺集団と親子の関わりに何とも言えない読了感を感じた。
「K2」は世界最難関の雪山での人間の行動がリアルに描かれている。遭難死したイタリア人の遺体を前にして取った行動は...。生きるとはこういう事なのか。表題作は三島由紀夫賞候補作品。受け取り方によってはかなり残虐なシーンが多いので、苦手な方にはお薦めできないけれど、個人的には新鮮さを感じた作品。 「K2」に登場した登山家松涛明著「風雪のビバーク」も読んでみたい。