田舎の安アパートにて
2020/04/12 18:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
郊外のショッピングモールでの仕事が決まった新卒男子が新居に選んだ素っ気ない外観の安アパート。
忙しい毎日とちょっと風変わりな住人との楽しい交流が救いな日々を送ります。
そんな中、少しずつ感じる違和感に子供のころの体験も絡まりだします。
ちょっと不思議で、でもホノボノしたお話。
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新潮ミステリー大賞受賞作品。ミステリーと言えばミステリーだけど、ほのぼの恋愛小説か個性的な住人を描いたドタバタ下宿小説として楽しく読了。キツネ
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大学を卒業後、職場近くのレトロなアパートに引っ越した坂出。そのアパートでは、大家さんがまめに回覧板メールを送信してきたり、住人も個性的な方ばかり。アパート前の空き地に出現するキツネの噂。大家さんのご主人の亡くなり方。坂出の亡くなった弟の話。アパートの日常そして坂出の周りに起こる不思議なこと。すべては解決するのか。新潮ミステリー大賞優秀賞受賞作品。
タイトルだけでは想像もつかない内容だった。確かに箱もキツネもパイナップルも出てくるんだけれど。坂出の過去にまつわることが原因だけれど、全体的に重くならず、独特なふわふわ(?)空気感。そのふわふわが絶妙か。でも嫌いではない。
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独特の世界観がいいな。初めて読んだけど。
カバーのイラストをみて、内容を思い出したり。
これだけ面倒見のいい大家さんなら安心して住めそうだが、住民同士の距離が近い、近すぎるかも。
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アパートの住人とのやりとりは微笑ましいし、ちょっとしたズレや疑問が後から「なるほどそういうことか」と理解できるのは面白かった。
けど、終始淡々と進むので少し物足りなく感じてしまった。
住人自体は個性的な人ばかりなので、もっと坂出くんとのやりとりを見てみたかった。
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アパートの住人たちとの交流を描いた物語と思い読み進めていくうちにミステリー色が濃くなっていった。その移り変わりが自然で引き込まれた。
キツネ憑き、人の心の安定のためにあるのかな?
主人公がどう乗り越えるのかまで描かれると思いきや、フワッとしたかんじで終わってしまったのでなんとなく消化不良なかんじ。
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前半部分は、アパートでの新生活に、ほっこりした。
距離の近い住人との交流や、マメすぎる大家さんなど、現実では絶対に嫌だ。でも、一昔前の隣近所との交流話に何故かノスタルジーを感じるように、読んでいて心地よい。マイナス面が書かれていないので、半目を瞑って良い面だけ味わえるからだろう。
後半は、主人公坂出にフォーカスがあたり、応援したくなった。ただ、いろんな説明の量が多くなる割りに、その周りの話が少なくて少し残念だった。
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ミステリといっても、殺人とかのハードなものではなくて、生活や人にまつわる謎なので、楽しめました。
が、推理は全くできませんでした。
それでもカスミ荘の人たちの個性的なこと、それぞれの人生が面白くて、十分楽しめました。
北白川さん、早瀬先生、梅下くんなど、男性たちがとてもユニーク。
大家さんのまめな回覧板の文章とか、主に推理する、冷静な藤井が、彼女じゃないって言わないなら・・・という可愛いことを言うところがすごく気に入っています。本筋と関係ないところにハマってすみません。最後にはちゃんと、えっ?!そうだったのか!!と思いましたから許してください。
他の作品もぜひ読みたくなりました。
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前半は、ミステリーを読んでいる感覚は全然無い。アパートの住人との交流に、仕事、少しのロマンス。社会人1年目の主人公が初々しくて素敵だな。と思っている内に、徐々にミステリー色が強くなってきて、すんなり読みやすかった。
爽やかな気持ちのまま読み終われる小説でした。
新潮ミステリー大賞、という帯を見てから読み出したので、色々勘ぐってしまった。予想外の展開でした。全体的に物足りない気持ちも少しある。
藤井があっさりしていて可愛い。友達になりたい。
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大学を卒業し、郊外型ショッピングモール内にあるスポーツショップで働くことになった主人公が住むのは、築五年の二階建てアパートのカスミ荘。個性豊かな住人たちとの暮らし
のなかで、さまざまなことが起こる。ミステリーとしては少し物足りなさは残るが、愉しく読ませてもらった。
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坂出和也がカスミ荘に入居して出会う様々な人物とのやり取りをまとめたものだが、出てくるキャラクターが特異で楽しめた.特に和也の友人の藤井が凄い.まず会ったのが103号室の前原翔真、でかい中学生で両親と住んでいる.201号室は新藤紗耶香、部屋には妙な柱が鎮座している.コンビニ店長の梅下は105号室.銀行員の北白川は205号室.203号室の早瀬は化学の高校教師で紗耶香は教え子.第二週の紗耶香の悲鳴の件、第3週のキツネ注意報の件、第4週の梅下の盗聴の件はそれぞれ面白かったが、和也の内面を藤井が解き明かす第5週が最高.弟の智也の失踪に絡む和也の心の問題.翔真の出自の話.面白い話がてんこ盛りの一冊です.
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大学を卒業後、あるスポーツショップに就職。配属先は、この春完成したショッピングモール内。住む場所はその近くにあるアパートにした。そこの住民は、個性的な人達だらけで、良い意味でお節介である。最初は普通だった生活が、次々と起きる不思議な現象にじわりじわりと不穏な雰囲気を纏っていく。
「箱とキツネと、パイナップル」という謎の題名でしたが、読み終わってみると重要な鍵を握っていて、不思議な感覚がありました。はっきりとした答えがないまま終わったので、モヤモヤ感満載でした。
中盤までは、ミステリー?と思うくらい、ちょっとお節介な住民と共にハートウォーミングな生活を送っているのですが、ある出来事を境に雰囲気が変わっていきます。
グイグイと自分のテリトリーに入っていく住民には、現実にいたら恐怖を感じますが、文章から察するに愛らしさは伝わるので、心地よくも感じました。
中盤からは、弟の死の謎やキツネ注意報といったミステリー色が加わり、その世界観により引き込まれました。
主人公を中心に過去の経験と今の状況が、前半の明るさとは違った不穏さがあり、その落差が面白かったです。
色々伏線なのでは?と思ったところはちらほら書いているのですが、明確に提示したわけではなく、結果的にはあまり回収されていない印象がありました。
最終的には、主人公のこれからも大変なので、ぜひ克服してほしいと思いました。その他の謎が、モヤっとしていて、もう少し拡げて欲しかったなと思いました。
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坂出は、就職を機に職場に近いカスミ荘に引っ越しをした。こまめに回覧板(パソコンにメールで)を出す大家さん、個性豊かな住人たち、大学院で心理学を学んでいる大学時代の友人の藤井らと共に新しい生活が始まる。
前半は、住人たちと坂出とのユニークな日々とプチ謎解き。後半は、坂出の人生に関わる大きな謎解き。狐付きについての研究をしたいという藤井の謎解きが圧巻です。
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読了後、しばらく放心した。面白くて。
ふわふわとしていて掴みどころがない、不思議な空気感を持った小説だった。
ジャンル的にはミステリーになるらしい。1章から4章までは、社会人なりたての主人公を取り巻く、ちょっと不思議ながらも何気ない日常風景が描かれているため、「どこが・・・?」と謎だった。ところが5章で謎解きタイム。それまでの不可解なことが明らかになっていく。
こういうミステリーもあるのか、と新鮮に思った。
結局、主人公が抱える特異さについて根本的な解決には至らなかったし、その原因についてもはっきりとした真相は分からない。けれども主人公たちの未来は明るい。藤井の笑顔がそう思わせた。
キツネ云々、超常現象みたいな音云々と、ファンタジー路線が入るのかと思いきや、5章にてすべて現実にあることとして落とし込んだのが素晴らしかった。それから、そういった不可解な現象が日常風景に無理なく溶け込んでいたので、違和感を抱くことなく読めた。
面白かったです。
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独得の世界観。
最後まで展開の結末には気がづかず、面白かったです。
人同士の繋がりも多く、関わり合いがとても良かった。
けど、現実感のあるファンタジーというより..
現実味がどんどんなくなってしまったため、心情や展開を理解し難いところがありました。
もう少し、ナチュラルな登場人物にするかあっさりとした展開でも、個人的には良かったかも.....