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電子書籍
靖国神社の緑の隊長
著者 半藤一利
あの悲惨な戦争のさなかで、こんなにも立派に生きた日本人がいた。終戦75回目の夏にどうしても次の世代に語り継ぎたい8人の将校・兵士の物語太平洋戦争の敗戦から75年。歴史に学...
靖国神社の緑の隊長
靖国神社の緑の隊長
商品説明
あの悲惨な戦争のさなかで、
こんなにも立派に生きた日本人がいた。
終戦75回目の夏に
どうしても次の世代に語り継ぎたい
8人の将校・兵士の物語
太平洋戦争の敗戦から75年。歴史に学び、犠牲者を悼み、平和な社会を守り続けるにはどうしたらいいのか。それは、過酷な戦場で兵士たちがいかに懸命に戦い、無念のうちに散っていったのかを記憶することだと半藤氏は言う。
かつて半藤氏が自ら取材し、貴重な証言とエピソードを掘り起こした多くの将校・兵士のなかから、「どうしても次の世代に語り継ぎたい」8人を厳選。昭和史や戦史に詳しくない人にも読みやすい文章で綴った、珠玉の太平洋戦争・人物伝。
(目次)
戦場の棒高とびオリンピック選手ーー大江季雄少尉
ガダルカナルを生きのびた連隊旗手ーー小尾靖夫少尉
ニューギニア山中の駅伝ヒーローーー北本正路少尉
南の島に雪を降らせた男ーー加藤徳之助軍曹
漂流二十七日の死闘ーー松木外雄一等水兵ほか
三度もどってきた特攻隊員ーー川崎渉少尉ほか
国破れて名将ありといわれたひとーー今村均大将
靖国神社の緑の隊長ーー吉松喜三大佐
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良い例からの教訓
2021/03/21 10:12
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年2020年に著者90歳で出版された本である。半世紀前の昭和35年(1960年)に執筆された「人物太平洋戦争」39篇の人物インタビューの中から8篇を選び、文章も見直し編集されたものである。
人物太平洋戦争は旧帝国陸海軍の将校や兵士の体験談をとりまとめたものだそうだ。240万人という戦死者が祀られている靖国神社について、本書の「はじめに」のところで解説している。8篇の最後に登場する「吉松喜三大佐靖国神社の緑の隊長」の予備知識であろう。著者は最も掲載したい人物ということで、昭和35年当時、唯一雑誌文藝春秋に掲載した1篇だと述べている。
ここに紹介されたどの人物にも個の意思が深く感じられる。加藤陽子氏との対談で、著者は日本人の欠点は何か考えると2つある、当座しのぎの根拠のない楽観性と排他的同調性の2つであると述べたという。本書に紹介された8人の人物は前述のような欠点をもたず、軍人としても市民としてもよく生きた例だと加藤陽子氏は述べている。
戦争とは異なるが、大災害も非常時ということでは同じ意味合いをもつが、このような事態にどう対処し、どう生きるかは同様のことが言えるだろう。紹介された8人は戦争時には珍しい軍人だったが故にその価値も高まるということだろうか。
10年前の東日本大震災でも頑張った人々の好事例が取り上げられる。一方で火事場泥棒的な犯罪や非人道的な事例もあったとは思うが、あまり伝えられていない。著者の思いとは異なるが、災害時の良悪両面、特に悪面の伝承も必要かな思う。