紙の本
天国がありますように。
2021/03/03 08:48
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
★設定が面白い
突然天使が降臨、二人以上殺したら地獄行き、その制約によってかえって多発する理不尽な事件。
ファンタジーな設定のはずなんだけど、どこかリアリティもあって興味深かったです。
★伏線回収
大小様々な伏線が綺麗に回収されてドキドキしました。
結局大いなるものの真意なんて人間如きにはわからなくて、それぞれの物差しで解釈するしかない…神や天使が聖なるものだと思うのも我々の特殊な物差しでしかないのだろうなぁ。
…なんだかそんな風に、いろんなことについて考えさせられるミステリーでした。
紙の本
ミステリーとして面白いのだが
2020/12/16 12:27
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとして面白いのだが、人を二人以上殺したものを地獄へ引き釣り込む天使の存在そのものが、理解を超えるため、読み終えるために苦労した。
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天使が実在する世界において、正義の後ろ盾となるような神の不在を問う。何故殺人を裁きながらも、正義を守りはしないのか。特殊設定ミステリとしても、神の存在、不条理を問いかける叫びとしても響く物語。
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気になっていのだがやっと読めました。
設定が面白く、「二人は殺せない」世界での連続殺人と、ならではのトリックがよかった。
それにしても天使が怖い。
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ものすごい特殊な設定なのに、天使の顔とか井戸のあれとか地獄に落ちるシーンとかリアルに想像できるので、映像化したら面白そうです。この作品の天使が常世島の上空を飛んでいるところを想像するとぞわりとしますが……カラスの不気味さと同じですね。
主人公である青岸の、過去編の呆れつつも満たされて楽しそうな姿と、現在の投げやりな姿のギャップが辛いです。幸せそうな過去編だけ読みたい。
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・天使に関する設定が不気味で、でもちゃんとトリックへの意味もあったのが面白かった
・物語の世界観として、探偵≒警察というくくりで、名探偵、という呼称がさらさら出てくるのに違和感があった。ミステリ小説だと探偵は探偵、警察は警察だし、周囲が探偵主人公のことを「名探偵」と呼び、本人もそれを半ば受け入れている、というのはあまり無いと思う。コナンくらい…?
・本として読むより、映像化した方が面白い作品なんじゃないかなと思った。特に、過去の探偵団のストーリーなんかは。
・天使の存在があるが故に、殺人のルールに縛りがあり・その中でどう解決するか、という、はっきりとした枠組が示された中でのストーリー展開で面白かった
・全体的には、設定は目新しいと思ったし、フィクション小説としては面白い。でもミステリとして読むには、人物描写や現場描写が浅く、時折差し込まれる過去の話は本筋とはずれる(あくまでミステリとして読むと)、宇和島との対立が無意味とまではいかないまでも中途半端、、物足りない読後感。
・まとめると、私にはあんまりハマらなかったな…
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ラノベの作家さんでしたかm(_ _)m
架空の天使の存在する世界での殺人事件。
本格ミステリ小説をかなり意識してらっしゃるようで、随所に既存のアイデアが。
ラノベだとしたら納得。
爽やかで清々しい若手登場人物が。
真犯人の描かれ型もまたしかり。
楽しい読書タイムをありがとう。
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二人殺したら天使によって地獄に強制的に引きずり込まれる世界で起きる、孤島の館での連続殺人。
最近国内のミステリは、キャラが濃かったり特殊な設定だったりが増えてきてる気がするけどこれもそういったミステリだった。
300ページほどのなかに、天使の説明や、探偵の過去などを盛りだくさんに入れたために、ミステリというよりは探偵とは正義とは、といったところがメインのキャラ小説という感じがだいぶ強くなってた気がする。
探偵の過去の話は、過去編としてやってもまた楽しめそうな感じはしたけど、今回だけではあまり特に思い入れは感じなかった。
純粋な謎を解くミステリより、探偵の人間味などに興味がある人向けかもしれない。
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このミス6位、本格ミステリベスト・テン2021は4位、週刊文春ミステリーベスト10は3位、ミステリが読みたい!2位。全部トップテン入り。
超常現象を組み込んだ本格ミステリというのはジャンルとしてある程度確立されている。西澤保彦とかは代表格だと思うし、山口雅也の「生ける屍の死」は凄いと思った。
本作における超常設定は「天使の降臨」。2人以上を殺すと天使によって地獄に引きずり込まれる世界。他、細かい制約がいくらか。この設定によってある意味「孤島における連続殺人」という開拓され尽くしたジャンルが再構築される。
「天使」による制約を除けば物語は存外単純ではある。探偵が真相を明かす場面も極めて古典的である。
殺人事件もトリックも動機も割と単純なミステリだが、「天使」をミステリ上の制約以上に、登場人物たちの背景を増幅させる装置として使っているのが物語の特徴。天使の降臨と「祝福」で決定的に壊れてしまった探偵、天使の降臨が世の中に与えた負の影響と生み出された「悪」。
なぜ天使は降臨したか、なぜ「2人以上」で地獄行きなのか、祝福はあるのか、果たして天国はあるのか。天使の謎はそのまま残り、人間の歪みと救いだけが露呈する。
登場人物は魅力的ではあるが、この設定でシリーズ化するのは難しいだろう。これは探偵の再生の物語であり、ここで終わり、という感じがする。降臨前の探偵事務所ものはライトミステリとして受けそうだが。
未読だが、テッド・チャンに影響を受けていると知りそちらも読みたくなった。
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初読の作家さん。特殊設定には惹かれたけど、天使とはなにか天国はあるのか正義とは何かなぜ2人殺したら地獄行きなのかあらゆる事が、人にはあずかり知れない未知のものとして謎のまま終わる。拍子抜け……そこが知りたくて最後まで読んだのに。ならミステリにしなくて良かったんじゃないの? 幻想小説でもSFでも……と。
一番モヤモヤするのは、なんで天使が車に入れてくれなかったのかってこと。偶然ではありえない異常な行動をさせておいて説明がないって、狡くないか? 読者の気を引きたいがための行為だったってことかな。
登場人物にリアリティが薄く演技過剰に感じるのは、キャラの言動がラノベやアニメ的だからか。もしくはアドベンチャーゲームかも。悲劇的な過去、ドラマティックな運命、衝撃で感動的なエンディング、すべてゲーム向きだ。
一番の見せ場トリックは成功していたと思うけど、そこへ至る経緯が運だより(確認を疎かにしてくれてラッキー)な気がした。あれだけの釘を等間隔に打っていくの大変だったろうなぁ、いつやったんだろう。「金田一少年の犯人たちの事件簿」みたいで面白かった。
★★✬☆☆
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「孤島」×「館」かつ、特殊設定ものですがそれらがきちんと必要とされた上で、探偵物語として成立しています。
続編もいけるのではないかと思うので、ぜひ。
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もう一歩欲しかった。この設定に魅力を感じたら、ぜひテッド・チャン『地獄とは神の不在なり』も読んでみてほしい。
テッド・チャンのファンなので本書を手に取ったが、思っていた以上にオマージュ元の内容を取り込んでいた。人間の悪事を「裁く」基準が可視化された世界における、人々が倫理観を変化させ思い悩む描写はチャンのファンとして非常に興味深かった。神が布いた世界のルールは明確になったが、しかしそれが人類既存の倫理観に照らし合わせて公正とは言い難い場合に、人は何を信じ、何に祈ればいいのか。本作の主軸はミステリーというよりは、そういった人間の心理のほうにあると思う。
ただロジックが弱い。1人につき1名までの殺人は逆に「可能」であり、「2名以上の殺人」以外の悪事に関しては一切天使が裁かないのだから、この世界において「探偵が不要」とまで言われる理由が飲み込めない。司法が不要、警察が不要のほうがまだわかる。死刑が廃止されたという話にせよ、例えば緩やかに餓死させる、死刑囚に死刑囚を殺させるだとか、特に非民主的国家であれば如何様にも手段を変えて継続させるのではないかと思える。
ミステリー的な謎解きにしても、「部屋にすぐ戻っていたはずなのに、明かりが点かなかった」という証言だけで犯人扱いされるなど、組み立て方が軽い印象を受ける。徐々に消化不良なものが喉につかえながら読むような感覚になり、面白さが尻すぼんでいくような印象となってしまった。テッド・チャンがかなり緻密に世界観を組み立てる作家であるだけに、それを引いてくるならばもっと突き詰めてほしかったな、という感想が残った。
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本著者は初読。巻頭に舞台となる館の見取り図があり、自分の苦手な本格ロジック系かと思ったが、天使のいる世界の設定が興味深く、探偵を取り巻く面々の熱さが気持ちよく、ロジックも程よく楽しめた。自分にしては珍しく一日で一気読みしてしまったのは文章の読みやすさによるところも大きいと思います。
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孤島、館、というとことん王道なミステリですが。舞台となるのは「降臨」により、天使が跋扈することになった世界。いかなる理由があろうとも二人以上の人間を殺せば即地獄行き、という世界では、大量殺人はともかく連続殺人なんて起こるはずがないと思えるのですが。それでもやっぱり起こってしまうのですね連続殺人。何が一体どうなっているのか。しかし、この世界観の中でこそのトリックとロジックのある本格ミステリです。
こんな世界なら平和なんじゃないか、などと深く考えもせずに思ったのですが。とんでもないなあ。「二人殺せば地獄行き」ということはつまり、一人を殺害する分の権利は保証されているだなんて……そんなこと思いもしなかった! そしてこの法則を悪用するかのように起こる悪辣な事件の数々。こんな事態を引き起こし、しかもあのような外見のものを「天使」と呼ぶ皮肉さもあって、全然平和じゃないですこの世界。そしてその世界の中で求められる「探偵」の意義。複雑な思いはあるものの、こういうときには探偵の存在が必要ですよ絶対に。
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二人殺すと天使が地獄に引きずり込むという設定が独特すぎて、孤島での連続殺人の犯人が誰かは霞む。天使気持ち悪い。