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投稿者:Katze - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分もタイトルのキャッチ―さに釣られましたが、中身は割と「え?今更?」という部分が結構ありました。ただ、やらない方が良い引きこもり支援のあり方は知らないことが多く勉強になりました。それ以外の支援の部分では、少し古い本ですが「ひきこもりのライフプラン」(斎藤環・畠中雅子)の方をお勧めしておきます。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
例えば新型コロナ感染にしても死亡例から軽い風邪程度で済む場合もあるように、引きこもりにもレベルの違いがあるのは道理。しかし、引きこもりになった原因は結構共通項があると思います。
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引きこもり支援を行うNPO法人、ニュー・スタート事務局の事務局スタッフである久世芽亜里さんの著。
目次からの引用ではなく、私が読んでみた全体の流れとしては、
1章:引きこもりに関する調査データとともに引きこもりの実態について
2章:相談先、実際の支援についてのアウトライン提示
3章:ニュー・スタートプロジェクトの詳細説明
4章:親の心構えと行動
5章:時代背景と総括
という感じになっています。
引きこもりについて長年支援されてきた著者だからこそ書ける「感覚」の部分が本書では貴重な情報だと感じました。引きこもり関連の本を他に読んだことがないので信憑性はかなり薄いとは思いますが、引きこもりをああしましょう、こうしましょう、ではなく、実際に支援する側として「こういう実態がありますよ」「親の問題点にはこんなところがありますよ」と提示してくれる感じの内容です。
実際に引きこもりについて何か情報が欲しいと思っている当事者であったり、その近辺の人たちには勿論のこと、一般常識として引きこもりとはこういうこと、という知識を得るためだけに1章あたりは読んでみて良いと思います。
引きこもりというと「社会に適合できなかった特殊な人」という風に見られがちですが、実はそうではなくて、いじめによる不登校などから引きこもりになる人達よりも、社会人になってから人間関係につまずいたために引きこもってしまう人たちの方がよっぽど多いという事実にはこの社会の闇を感じざるを得ませんでした。
背景に発達障害や病気などがあるのも事実だとは思いますが、最終的に「コミュニケーション能力」で片付いてしまうような問題が日本社会にはゴロゴロしていて、就活問題と引きこもりは表裏一体でもあるし、孤立した高齢者と8050問題も表裏一体なんですね。
必要なことは「マトモ」「普通」のレールに戻ることではなくて、自分が社会と関わって生きて行ける状態になること。
この本を読んで、改めて自分の人生観というのでしょうか、社会の一部としての感覚を問い直された気持ちがしました。
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タイトルにインパクトがあるので思わず買ってしまった。ま、著者(編集者?出版社?)の策略にまんまとハマったわけですが、引きこもりの人がなぜコンビニには行けるのか、なんてことは書いていなかった。それによく考えたら、引きこもりの人がこのタイトルを見ると、「なんだよ、コンビニ行っちゃいけないのかよ」と傷つきそうな気がするな。ちょっと悪いな。
しかし仕事上、引きこもりの人の気持ちも分からないといけない場面があるので、参考になる視点も多々あって良かったです。
著者は教育学や心理学の研究者とかではなく、引きこもりの支援をしている団体の、一職員という立場。ながらく支援に携わってきた経験に基づいて、日本の引きこもり支援の在り方や問題点を書いている。ご本人もきちんと、「あくまで経験」「自分は学者ではない」と断りながら書いており、統計に基づいた裏付けなどはないのだが、かなり長期にわたって支援を続けており、説得力があります。
日本社会は本当にきゅうくつ。本当は、心身ともに疲れ果てたら、数年引きこもったっていいはずだ。自殺という選択よりずっといい。問題は頑張って受験して入った学校が合わなくて中退したり、就職先でうまくいかなくて辞めてしまったりしたときに、必要以上に罪悪感を感じたり、やりなおしがきかなかったりすることだ。それで引きこもりが長引いてしまう。長引けば長引くほど、社会復帰が難しい。頑張り続けなければダメ人間みたいな世の中、学校教育…。
社会は変わりつつある。多様な生き方が認められ、選択肢も広がりつつある、と思いたい。それが引きこもりの問題の解決の糸口になれば良いのだけど。
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親御さんや関係者の理想と
引きこもり当事者の現実が乖離している。
信じて待つ
ではなく
伴走しながら、信じて待つ。
親だけでも
親の動きが伝わらなくても子より先に動いてあげなければ、彼らは動けない。
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引きこもりになる理由をいろいろなケースをあげて説明している。引きこもりを終わらせる活動をしている著者の経験が書かれていて参考になった。
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引きこもり支援団体の活動とケース(当事者)の現実ついての話。親から離れ寮で生活すると驚くほど変わる当事者たち。
理由はそれぞれあると思うが現状として資源とキッカケが足りてないのは事実。今後広まっていって欲しい尊い活動。
興味深く読めた。
働いていくのって生きていくなかで最もハードル難しい事なのかなと‥
もっとコミュニケーション(人と人の繋がり)を尊重する世の中にならないかと‥
学力至上主義の今後‥
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■引きこもりのきっかけは不登校というイメージを持っている人もいるが、内閣府の調査では引きこもりのきっかけが小中高の不登校という人は18.4%に過ぎない。大学になじめなかったという人を合わせても22.4%。
・一度は仕事に就いた後に引きこもりになったというケースが主流
■親兄弟への暴力と他人への暴力は全くの別物。
・親への暴力は甘えが根底にある
・兄弟への暴力は兄弟自信に何かされたという直接の恨みの場合もあるが親へのアピールや幼少期に比べられたなど甘えと家族間の歪みからくるものの方が多い
・(親兄弟への暴力は)無差別の攻撃性を持ち合わせておらず他人に暴力が向かうことはない
■本人の意思をすべてと考えるべきではない理由。
①社会経験や知識のなさ。
・本人の希望だからとそのまま聞くのではなく親や周囲が客観的視点で判断を助けていく必要がある
⓶本人も引きこもり支援の素人である。
・親は引きこもり支援の素人であるが本人もそうで過半数の人は正しい判断ができない
③引きこもっているうちに思考も体も鈍る。
・変化のない生活をしていると変化への恐怖心が高まる
・「引きこもりの心と身体」になり心身共に動きが鈍くなり楽な方へ流れがちになる
④「意思がない人もいる」
・最初はどうしようと色々考えるが引きこもって何年もたつと何も考えなくなる
・そもそも若い世代や引きこもり傾向のある人はあまり欲がない人が多い
■不登校対応の主流であった「信じて待つ」は怪しい。
■「親子の分離」「親離れ子離れ」(が大切)
■現在では退職からの引きこもりが多い。
■「社会力」とは「社会を作っていく力」
・「社会性」は今ある社会に適応する力であり「社会力」とは人とつながる力でもある
・「社会性」が今の社会の維持だとすれば「社会力」は既存社会の革新
・今の社会に適応しているかどうかは関係なく人とつながり自分の社会を作れれば社会力があると考えることができる
・社会に適応できなかったとしても社会力が高ければ自分なりの小社会を作ることができる。それなら引きこもらずに済む
・「社会力」は「多様な他者との相互行為(二人以上の人が互いに働きかけ行動のやり取りをすること)によって培われる」(門脇厚司氏)
■「社会力」を形成するステップ
・第1ステップは0~3才(笑顔を向けられたら笑顔を返し話しかけられたら応えることが相互行為)
・第2ステップは4~25歳頃。学校へ入り広がる世界の中で「次から次と目の前に現れる見知らぬ人たちとの相互行為に次ぐ相互行為」で社会力が形成される
・第3ステップは20代後半~定年を迎える60歳頃。身に付けた社会力をここで発揮し社会生活を送っていく時期。一部の人は更に社会力を高めるが多くは社会力の形成はストップして同じ行為を繰り返す
■常に多数派の立場でいて声が大きい団塊の世代やその上の学生運動を経験したような世代は上の世代にぶつかり自己表現をしていた。そのため自分たちの作った社会に異論があれば下の世代が反発してくるはずなので、何もなければこれでいいと思いがち。しかし、下の世代はそもそも強い主張をすることがない。この構図は親子間でも見える。団塊の世代以上の親は意見が強く、こどもは根拠の薄い自分の意見をはっきり言うことはできない。この世代間の傾向は今後も変わらないだろう。
■引きこもり問題はゼロにならないが、100万人という現状からは脱することができるはず。それには、引きこもりの多様化を認識し、支援の多様化を推し進めるとともに生き方の多様化の定着が必要。そのためには上の世代は子供世代の生き方を否定しないことが大切。
■長い引きこもりの多くは自分の生き方に向かう途中でつまずき動けなくなっている状態。多様な生き方が定着した中でその人が社会力を備えていれば自分に合った生き方を模索していける。ゴールに多様性がなければその途中にも多様性はない。生き方の多様性は新たに引きこもる人を減らす。
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実は知られていない引きこもりの実態。外出はできる、中高年が多い。親を除き暴力は少ない、等。NPO活動を通じた引きこもりの姿。
最適解はなく、とにかく動き出すことが必要。十人十色の解決策。寮生活を通じて社会復帰を目指す、「レンタルあ姉(兄)さん」の活動は成功率8割。
3年を過ぎると長期化する傾向。先日二つの悲しい事件でクローズアップされたが高齢の親と中年の引きこもりが多いようだ。
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引きこもりと言うと、自分の部屋から1歩も外に出ない人のことを言うと思いがちです。コンビニは通える引きこもりたちと言うタイトルは、引きこもりの中でも比較的軽い症状の人について書いた本と言う印象を受けます。だけど実際は、引きこもりの人の大多数はコンビニだったら通えるよと言うことが細かく書いてあります。具体的な支援をしているNPO法人の人が書いた本なので、内容がとても詳しいです。
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コンビニは通える引きこもりたち。久世 芽亜里先生の著書。引きこもりにもいろいろな引きこもりがいる。引きこもりという言葉だけで引きこもりをひとくくりにしては引きこもり問題の解決にはならない。引きこもりという社会問題を解決するには引きこもりへの理解を深めて引きこもり問題を真剣に考えること。引きこもり支援をする人たちがもっと増えてほしい。
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「8050問題」どころか「9060問題」になることが確実な日本の引きこもり問題
さらには統計として表には出てこない「家事手伝い」という多くの女性たち
現代日本が人類史上世界最悪のかって歴史上で記録になかった異常な精神状態のままで、そのまま亡くなってしまう当事者たちも存在し続けてきてしまっている状況におちいってしまった。
ですが、このままで良いわけなんかは絶対にありませんし、当事者たちがたとえ異常な精神状態のままであってでも、少しでも人間らしい働き方をしていった方が良いに決まっていますので、社会の引きこもり支援をされている方たちはとても大切です。
まえがきで、引きこもり支援で実績のある著者は、「多様性」にこそキーワードがあると述べられています。
様々な状況の引きこもりとその親、そして支援状況の多様な実情。
本書の最後で、役立ち感や、自己肯定感を得られることができる、生き方の多様性・多様化にこそ引きこもり問題の解決がある。と書かれています。
第1章
引きこもりをめぐるウソホント
ひきこもりたちのほとんどは外出している
実際の引きこもりで多い人達は、外出はできて、買い物のときは店員と必要最低限の話はして、近所の人と道端で合えばあいさつ程度はするが、親しく会う友人がいない人。
不登校、人間関係等で、結局動けなくなり、引きこもりが始まった人。政府の統計には含まれえてはいないが、実際はとても深刻な多数の「家事手伝い」という女性たちの引きこもり。
情報も得られず、自己理解も進んでいない等の理由で、結局動けなくなり、引きこもりが始まった人。
様々な引きこもりの姿があるが、長年支援をしている著者たちからにしても、“今はまだ決定的な解決策はない。”
第2章
インターネットを使用できない親子も存在
どこに相談すればいいのか
最初から「本人がきてくれないと」と言われてしまうところもある。
昔と違って相談先の選択肢が多すぎて選べないので、間違える親と子供。
第3章
「一歩踏み込む」支援スタイルがなぜ有効なのか
寮費は月額22万円で、平均滞在期間は1年半、就労率95%のサポステの紹介。
そもそも引きこもりの最大の問題は長期化でなく「固定化」になってしまい、引きこもりのまま時間が過ぎることが問題。
第4章
親も変わらなければならない
まずは行動すること。そしてうまくいかなくても軽やかに切り替えていくことが、支援に、問題の解決につながっていく。
第5章
引きこもり支援のこれまでとこれから
「8050問題」は、ほぼ間違いなく[6090問題]や、親が亡くなり孤立する当事者、という方向に向かうはず。中高年引きこもりの問題のピークはおそらく5~10年後であり、今はまだ序章。
1980年代から一貫して引きこもりの数は増え続けてている。
問題は引きこもりの継続性、引きこもりから抜け出せない人の数。引きこもりから抜け出した人の過半数が期間3年以内、それを過ぎると長期化していく傾向がある。これでは、総数は増える一方なのが当たり前。
以上のことから、8050問題のような今引きこもり業界が抱える課題は、引きこもった人への対処が間違っていたから起きていると捉えるのが妥当。そのため「これが一般的な対処法」と思われているものを、もう一度考察する必要がある。
支援である「居場所事業」は、あくまでも「とりあえずの居場所」であり、巣立っていく力を養うことを職員たちで行うことはなかなか大変でむずかしい。
オンライン時代でも、やはり人間がいて、その人とやり取りしなくてはならないので、人間関係から解放されるわけではない。
なんとか仕事を継続して収入は得られても、実質は孤立したままの状況になる可能性が大いにある。
これではその人自身の「人としての魅力」などが成長、向上しないため、かえって引きこもりの人たちにとってマイナスに働く可能性が高い。
”結局これまでリアルな人間関係をつちかってきた人には勝てない。”人の中でやっていける力が結局必要。
生き方の多様化は引きこもり問題の解決方法と考える。
現代社会の完全な落ちこぼれで、人間として、日本人としての可能性、尊厳、人間性、自尊心をたくさん失ってきてしまった数多くの引きこもりたちとその親たち。
根本的に問題は「人間関係」にありますので、引きこもりの人達の「自尊心」を傷つけないように、少しでも社会生活をしていけるようになれるために、そのためには、確かにひきこもりたちが少しでも自尊心を持てる生き方をしていける、役立ち感や、自己肯定感を得られる、様々な生き方の多様性・多様化した働き方、社会生活をしていくこと以外には可能性はないのかもしれません。
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現代の引きこもりの実態を、支援団体の方が具体例を添えて紹介し、その対策や取り組みを書かれています。信じて待とうとか本人の理想の人生を支えるような理想論でなく、状況を改善する具体的な行動にコミットする内容で、とても参考になりました。親族が情緒的に対応するのでなく、プロに頼って淡々と問題解決に取り組む姿勢が、本人のためにも最適だと感じました。
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ちょっとびっくり。
でも書かれていることにはすごく共感した。
さて、我が家の引きこもりをどうするか・・・