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認知症の祖母
2022/06/10 01:20
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そして、こわれきったままの庭。その庭を再生するという……。認知症は、現代に一番多い疾患だとおもいます。完全な治療方法は確立していないしね。そして、誰もいつおちいるかわからないゾーンだし……。なんか、他人事とは思えず……
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人は必ず老いる。
自分が老いることは当然だと思って
そこまで衝撃は受けないけど、
身内が老いるのはこたえる。
でも、老いは受け入れるしかない。
老いていく相手に自分に何ができるか、
最適解を求めながら、
頑張ることで、
自分も人生を切り拓いていけるのだろうな。
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真芽の祖母・ハルは、いまは一人暮らし。転倒し骨折、そして入院。
荒れ果てた庭を「再生」させるため、真芽は手入れを始める。
また、おかしな言動が目立つようになったハルの症状を「認知症」とひと言で捉えてしまうのではなく、いろいろな方向から見直すことは、
とても重要で大切なことだと気付かせてくれる。
庭が美しく「再生」する様子が目に浮かぶ。
真芽と、遠藤くんには幸せになってほしいな。
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それぞれのタイトルに二十四節気がついてるのが、とても心が和んだ。
普段気にしていないけど、「小満」ていつ頃のことだろうと確認しながら読んだ。
優しくて心温まる物語だった。
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会社を辞めて、一人暮らしの祖母の見舞いに訪れた真芽は、祖母に頼まれ生家の庭の様子を見に行くことになる。花々が咲き誇っていた思い出の庭は、見る影のもなく荒れ果てていた。認知症の祖母のための、庭の手入れを決心する。
高齢化社会だからこそ、自分の一生の選択は自分で決めると風潮のない社会のなかで、自分らしくの生きることの難しさを改めて感じる。認知症患者が社会のなかで、ひとりで幸せに暮らせる社会を作らねばならない。
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植物がいくつも出てくるところ、年齢層が幅広くつながっていくところが好きなんだなぁ。
小さなまめ子がつぶやいた一言でまかれた種が少しずつ根をおろし、広がっていく。いいなぁ。
このタイトルにこめられた意味は最後にわかる。こういう世界観、空気感、ほっとする。たとえ現実では無理かもしれないと思っても。
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【一万円選書】西の魔女が死んだ、や、リトルフォレストを彷彿とさせるお話だけど、まず舞台が千葉というのがいいな。東京経済圏に飲み込まれて、いつでも帰れる距離感故に帰るのが億劫になる距離。。鎌倉とか横浜みたいに知られた観光地でもない目立たない、都会でもなければ田舎でもないそんな土地。きっかけから再発見。物語の先が幸せであればいいけど山あり谷ありで進んでいくんだろうなと思わせる引き。静かで心地よい心休まる読書でした。
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変えられない、受け入れがたい現実があって、何もかもがハッピーエンドではないけど、きっと誰にでも「やがて」があると思えた。
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不安は周りの人の不安
逃げずに向き合う事 理由から目をそらさないで
植物が人を癒す
自分の身近なところにも植物が好きな人がいる
育てるのが楽しくて
うっかり範囲を越してしまうくらい
近くの人がそう言っていた
その人も育てる楽しみを知っている人だね
いいよね自分も分かる
育てられる人は幸せな人
ハルばあも幸せな人だったのだろうなぁ
過去形になってしまうのが淋しい
でも庭がなくても訪れなくても育てる幸せはあるはず
自分はそれを見つけてあげたい
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まめ子(真芽〕が認知症で入院したおばあちゃんの庭を再生しながら、夢や希望を叶えていく。
食べること、庭の草木を愛でること、季節を感じること、人と触れ合うこと、大切なことを穏やかにゆっくりと感じることができる、まさにあたたかな春を感じる本。
土地の件はうまくいきすぎ?感はあるけど、ハッピーだからいいか。
この先の未来も楽しみな終わり方。
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最初、主人公の女性の人物造形や文章に違和感や引っ掛かりがあり、とても読みにくいなと思った。でも我慢して読み進めたらすぐに引き込まれ、結局は読んで良かったと思えた。主人公の女性のおばあさんが花やガーデニングが好きで、夫が亡くなった後一人暮らしをしていて…など、私自身の祖母と重なるところがあったので、祖母を思い出しながら読んだ。奇しくも今日は祖母の三回忌だ。
「ダ・ヴィンチ」のBOOK OF THE YEAR 2020のランキングで上位だったので読んでみたのだが、大勢に評価される小説はやはり良いなと思った。
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心優しいあったかいお話
お花の名前は知らなくても困らないけど知っている方が豊かで幸せな気持ちになる
ハルは桜の木や実のなる植物やバラなど季節季節で大切にしていてそこに訪れる人や小鳥やネコも合わせて庭か完成している
まめがおばあちゃんを想って庭を仕上げていくさまに力をもらえる
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今の私には今の私にできることしかできない
2022.4.10読了
親友と恋人に裏切られ、仕事を辞め一度、色んなことを白紙にした主人公のマメ子が再生していくと共に、家族の繋がりも紡いでいく物語。優しいお話だけど、奇跡が起こったりもせず、家族の老いという受け入れていかなくてはいけないことも描かれている。
認知症の症状だろうと思っていたことが、実は実際に起きていたことだったり。でも認知症の症状も明らかにあって。周りも翻弄されてしまうけれど、実は本人は、どれも真実だと思えるのに、認知症の症状だと言われてしまうと、本人こそ何が真実で何が違うのか不安で不安でしょうがないだろうなと思った。否定するのではなく、その人なりの意図があるのかもしれないし真実なのかもしれないし、寄り添うことが大切なのだろう。その人の思うようにさせてあげたいと思うけれど、現実的にはそうもいかないところもあって、親と子という立場だとぶつかり合ってしまうこともおおそう。祖父母と孫という立場だと現実的に無理なこともあるかもしれないけどよい距離感で気持ちを汲むことはできそう。そうやって子供や孫、家族みんなで意見を出し合ってサポートしていくことが大事なのだろうな。
要約
親友と恋人に裏切られた主人公のマメ子。一度仕事を辞め、リセット状態。そんななか、幼き頃一緒に暮らしていた祖母、ハルばあが入院し久しぶりの再会。一人暮らしのはるばあから一緒に暮らしていた家の庭が心配だからみてきてほしいと頼まれる。しぶしぶ久しぶりに訪れてみたところ、庭も家の中も悲惨なありさまに。そこから祖母が認知症であることに気づく。ハルばあが家に戻った時にかつての庭を取り戻すと心に決めたマメ子は、周囲の人の協力を得ながらかつてのお家を取り戻していく。庭の再生を図るとともに自分の夢であったカフェをその庭で開くこととなり、はるばあを始めとした家族を招き、久しぶりに家族が集い、温かな時を過ごせた。はるばあは、マメ子に庭を譲り、その後新たに骨折するとともに認知症もすすんでいってしまった。マメ子の庭では、春を待つとともに、また来てくれるはるばあも待っているというタイトル回収。
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無機質な生活を送りがちだけど、一軒家を持って花や庭を愛するひとの心情や、老いへの移ろいに考えることができる一冊。「和菓子のアン」では和菓子の魅力を垣間見てその後お店で興味を持つようになったけど、この本では庭や花がある生活に魅力を感じることになりそうだ。コストカットが盛んに叫ばれるご時世だがこうした心の余裕も大切にしたい。
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祖母ハルが育ていた庭の花が荒れた。
認知症らしいハルに代わって孫の真芽が荒れた庭を再生していく感動の物語。
都会の生活に行き詰まった真芽自身も再生される。
印象に残った文章
⒈ 自分がやりたいことを、自分のやり方で、できる範囲でやればいいのだ。
⒉ 私にできるのは、ハルばあのこの庭を、ひとりでも多くの人の記憶のなかに残してあげること。
⒊ 記憶を失っていくことは、自分の一部をもぎとられていくことに等しい。