読割 50
電子書籍
認知バイアス 心に潜むふしぎな働き
著者 鈴木 宏昭
「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、な...
認知バイアス 心に潜むふしぎな働き
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
認知バイアス 心に潜むふしぎな働き (ブルーバックス)
商品説明
「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、いつもならするはずのない判断や行動。それはなぜ起こるのか。このようなふつうの行動に現れる心の働きの偏り、歪みのようなものである「認知バイアス」について、わかりやすい事例を挙げて解説します。
認知バイアスという言葉は、一般的にも時々使われるようになってきて、なんだかよくわからないけど間違ってしまった、おかしなことをしてしまった、というときに認知バイアスという言葉で片付けようとする安易な解決も見られがちですが、著者は、「知」を身体、社会、感情、環境なども取り込んでトータルな人間の理解を深めようとする認知科学に基づき、理論的に分析しています。また、なぜ誤るのか、そして誤ることには意義があるのか、それは何なのかを解き明かします。
認知メカニズムは、ある状況では賢い判断をするように働き、ある状況では愚かな判断を生み出す。つまり人間は賢いようで愚かで、愚かなようで賢いものであるということがわかる1冊。
第1章 注意と記憶のバイアス:チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶
第2章 リスク認知に潜むバイアス:利用可能性ヒューリスティック
第3章 概念に潜むバイアス:代表性ヒューリスティック
第4章 思考に潜むバイアス:確証バイアス
第5章 自己決定というバイアス
第6章 言語がもたらすバイアス
第7章 創造(について)のバイアス
第8章 共同についてのバイアス
第9章「認知バイアス」というバイアス
目次
- 第1章 注意と記憶のバイアス
- 第2章 リスク認知に潜むバイアス
- 第3章 概念に潜むバイアス
- 第4章 思考に潜むバイアス
- 第5章 自己決定というバイアス
- 第6章 言語がもたらすバイアス
- 第7章 創造(について)のバイアス
- 第8章 共同に関わるバイアス
- 第9章「認知バイアス」というバイアス
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
判断をする背景にある「バイアス」を理解する
2021/01/17 13:34
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
判断を下すとき、後から考えても「なぜ?」とさえ気が付かないことも多い。
その判断の元となる「バイアス」を、詳細に分類・解説してくれる。
注意と記憶のバイアスから始まり、
リスク認知、概念、思考に潜むバイアス
無意識の働きによる自己決定のバイアス
人間だからこその言語・創造にかかわるバイアス
それぞれの章にブックガイドがあり、さらに詳しく調べることができる。
例題もわかりやすく、これから心理学を学ぶ人の座右の書!
電子書籍
認知は難しい
2023/05/14 18:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の認知について例えばメディアは珍しい事項を取り上げるため珍しい事項のの方が多いように感じてしまったり、囚人のジレンマの実験の被験者に関係のない映像を見せるだけで判断が変わってしまったり(しかも本人はそれに気づかない)など人の認知がどのようなものか紹介されており面白い。
電子書籍
無意識のうちにやってしまう認知バイアス
2023/02/11 03:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:魚大好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い発見がたくさんあった。人はどんなに気をつけていても自分の物差しで考えてしまう生き物。人の記憶は曖昧で見たこともないことを見たと思ってしまうこともあるし、外的要因が私たちの行動を決定つけてしまうことだってある。だけど人はそれを自分の意思だと勘違いをする。
興味深かったのは、言語が思考停止させるということ。言葉はとても便利なツールだけど、言葉ばかりに頼っていては物事を本当に理解したとは言えない。体を動かしながら言葉を使うことが理想的。
「文、文章、発話を理解するとはその中の言葉を理解するのではなく言葉によって語られた状況、世界を理解することである」
これ、本当に納得した言葉。特に母語以外の言語を使って対話していると身に染みて感じる。だからこそ、その国の文化的背景や社会情勢等を知り、体験することも言語学習には必要なんだと腑に落ちた。
紙の本
認知とは“心の働き”
2021/07/09 21:58
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
○注意と記憶
視覚・注意・記憶は、人間の認知の中でも重要なことである
しかし、見る見える、記憶するということは、存在の確証にはならないし、記憶は脆弱で見たこともないことを“記憶”したりもする
問題は、それらの欠陥を自覚していないことである
○リスク認知
リスクが与える影響と頻度を考える
メディアは珍しいことを報道する
人はリハーサル効果(繰り返し)により記憶に残り、利用可能性ヒューリスティック(先入観)により現実とは逆のリスク頻度の推定を行ってしまう
私達は同じタイプのことが100回起きることと、そのタイプの一つの事例について100回聞くことを区別していない
○概念
日常的な概念(鳥やコップ等)は豊富な事例から適切なプロトタイプが生み出される
事例のサンプリングがうまく働いていない場合、代わりに代表例、ステレオタイプを用いて予測や判断を行う
代表例を用いてカテゴリー判断を行うと論理的には有り得ないような間違いを犯す
このバイアスを知ることが大事な決断を下す時に重要になる
○思考
確証バイアス
1・・PならばQ
2・・PでなければQではない
人は1を選択する
何かが安定することは、“でない”よりも“である”の方が適切である
推論バイアス
人間関係においては第一印象に過度に頼り、正確な人間評価を妨げることもある
原因を求める際にも、偏った非合理な方向へ導いてしまう危険性がある
○自己決定
人の行動は自由意志によって、その人が自覚できる意図に基づいて行われるわけでなく、意識できない情報、無意識の働きによって引き起こされる
人は社会の中で生きており、うまく適応できないと様々な困難に陥る
こうした社会的な要因も行動に深く関わっている
心、それが生み出す意図が行動の原因であるが、生物学的・社会学的な観点から複合的な人間理解が求められる
○言葉
言語は私達に多くのものをもたらした
秩序だった形で他者に伝えられるようになった
反面、言語化することで記憶、思考を低下、停滞させる
言語は伝えたい事柄を分解、分析し、単語に置き換えなければ言語化できない
言語は分解分割が可能な対象には強力な武器になるが、分割できない全体の形状に関わるようなことにはポジティブには働かないことが多い
○創造
発明・発見・創造は、めったに起こらないから尊敬される
思考の制約を除去することで創造、洞察は可能になる
自発的に創造、洞察を生み出すためには何が必要か
一つは多様性である
もう一つはゴールを明確に意識し、現状とゴールとの差をしっかりと評価すること
創造の認知プロセスは心の制約を外し、緩和させる事が必要、それは数多くの失敗によってもたらされる
○共同
共感は人と人を結びつける大事な働きを持つ
情緒的共感
苦難にあっている人を見て、自分も同じような苦しみ、悲しみを感じるような心の働き
認知的共感
人がどのように感じ、考えているかを推測する場合の心の働き
情緒的共感は近視眼的であり、身内びいきのような事が付きまとう
ユニセフの募金協力に特定の子供を登場させるのは、このためである
○認知バイアス
人はバイアスまみれの当てにならない存在であり、人間の非合理性、非論理性は常識化している
思考の二重過程理論
1直感的で認知的負荷をかけないが、論理に基づかず非合理的な決定を生み出す
2熟慮的で認知的負荷を相当かけるが、論理を駆使し熟慮に基づく決定に導く
認知バイアスの考え方は、文脈依存性や限定合理性が絡み、生産的ではないと言える
電子書籍
確かに……
2021/08/04 05:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知しているつもりで行動しているが、そうでないつまり、見えているつもりで見えていないことがあります。人間の脳は賢い、けど、愚かである、と書かれている理由がなるほどと納得しました