紙の本
ミステリの醍醐味。
2021/02/12 17:19
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
緻密に張り巡らされた伏線と、複雑な心理描写。
人の心の悪い面を語りながら、ああ、そういうことってあるかも知れないとうなずいてしまう逸品。
電子書籍
意外な展開と結末
2022/05/23 22:47
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投稿者:pizzaco - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めての著者でしたが、日常に潜むミステリーを意外な展開で描いていて、楽しめました。さりげない始まりから、ミステリーに転じていく短編集です。家族が軸になった作品集ですが、怖れや不安という心の中が丁寧に描かれているので、引き込まれて読みました。事件が起きるもの、恐ろしい事件を予測させながら、全く違う方向に展開するもの、とバラエティーに富んでいます。
紙の本
妻は忘れない
2020/11/04 11:05
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
矢樹純の下記の5つの短篇作品
妻は忘れない・・・夫が殺そうとしたのは誰?
無垢なる手・・・保育園のママ友と夫が急接近の謎
裂けた繭・・・引きこもりの少年は何をした
百舌鳥の家・・・姉妹の思い
戻り梅雨・・・息子が犯人?
それぞれのテーマがあり、物語の展開は面白かった。個人的には妻は忘れないが一番良かった。無垢なる手と戻り梅雨も良かった。
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日常の中で、簡単に陥ってしまいそうな罠。
他人が仕掛けた罠だけでない。
自分自身でがんじがらめにしてしまう罠やら
愛情のボタンの掛け違えからくる罠やら色々だ。
自分にも起こる可能性だってあるかもしれないと思うから、
ちょっと怖いのよね、、、
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前作の『夫の骨』も良かったけれど今回も先が気になり一気に読み終えた。短編だけれど読み応えは充分で切れ味がいい。どんでん返しもありで読み返しても楽しめる。
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傑作短編ミステリだと思われるが,いまいち好きになれないタイプの話が多い。
ラジオの書評で知って買った。
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突然、普通の人々に訪れる日常生活の歪み。平凡な家庭に潜む秘密を鮮やかに浮かび上がらせる五篇のミステリー。日本推理作家協会賞短編部門受賞後第一作。
作品内に漂う雰囲気が、ただただ異質さを感じる。いつもの日常と変わらないはずなのに、何故か違和感を覚えるほど気持ち悪いものはない。この表現力は現代作家随一かもしれない。
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矢樹純『妻は忘れない』新潮文庫。
5編収録のミステリー短編集。『夫の骨』が面白かったので、本作も読むことにした。
5編共に女性の強かさや内に秘める恐ろしさ、表と裏の二面性を描いている。表題作の『妻は忘れない』と『戻り梅雨』の2編が面白かった。
『妻は忘れない』。表題作。短編の中に起承転結とミステリーとがバランスよく配置され、小気味良く読める。バツイチの夫と結婚して数年後、夜の夫婦生活が途絶え、悩む妻・千絋が主人公。義父の通夜に弔問に訪れた夫の前妻の佑香。それを境に頻繁に外出するようになった夫の通勤バックに見付けたスタンガン。夫は自分を殺し、前妻とよりを戻そうとしているのか……
『無垢なる手』。全体に漂うベタついた雰囲気の保育園のママ友の話。女性同士なら簡単に意気投合するかと思えば、背負っている家庭の事情や子供たちへの教育のこともあり、見えないところでバチバチと火花を散らすようだ。『妻は忘れない』と同じパターンの結末なのが残念。
『裂けた繭』。サイコミステリーっぽい短編。10年間も自室に引き籠る誠司には、もう一人《みゆな》という女性の人格があった。実際に過去に起きたよく似た事件をベースに凄惨な結末が待ち受ける。
『百舌鳥の家』。母親が手術のため入院したことから、久し振りに帰省した沙也は姉から母親が死んだら相続を放棄してほしいと告げられる。父親の死の真相と忘れていた過去が……
『戻り梅雨』。本作の中では一番ミステリー性の高い短編。二転三転の展開が面白い。7歳年上のシングルマザーの佐山美玲との交際を諦めたはずの哲生が、美玲が自宅で頭部を殴打され、倒れているところに居合わせる。警察に参考人として拘束された哲生は美玲を襲った犯人なのか。
本体価格590円
★★★★
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“妻は忘れない”というか、“女は忘れない”が集まった短編集。
どこにでもいる普通の人々が主人公だけれど、いったいどうなるんだとドキドキさせる展開と予想できない着地点に落ち着く意外性が面白かった。
「無垢なる手」のママ友のズレた感覚、「裂けた繭」の母親の正常な感情の麻痺、どれも真正面からくる直球の怖さではないが、胸のざわつきがいつまでも残るイヤな感触の怖さ。
平穏な母と息子の日常が脆く崩壊する苦さを味わい、その分ラストの安堵感が倍増する「戻り梅雨」を終わりに持ってくる構成が巧み。
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家族をテーマとしたどんでん返しミステリー、ノンシリーズの5作品の短編集。
よくありがちな家族設定からはじまり、彼らが抱える悩みや疑念が除々に大きくなり、あれよあれよという間に小気味良いオチが待っている。『私の骨』で、してやられた感があったが今回もたっぷりやられて楽しめた。
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妻は忘れない
矢樹純さん。
初めましの作家さん。
日本推理作家協会賞短編部門賞受賞作家。
短編ミステリー。
おもしろかったー!!
一人読みながら、
えーっ!!マジか!!と、
声が出ちゃった。
おもしろかったー!!
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表紙がもっと可愛いといいのに。中身はもっと魅力的でした。
2作目、無垢〜は、なんともゾクゾクするイヤな感じ。
でもそういう人いるなあと、思う。
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スッキリ3割
イヤミス7割
…ってところでしょうか。
特に『裂けた繭』はグロテスクな描写があるので
苦手な方は要注意。
(殺人鬼フジコの衝動みたいな)
読後感が良かったのは
表題作の『妻は忘れない』と『戻り梅雨』だけど
全体的に最初に勘違いさせるような描写のあと
ひっくり返される所謂どんでん返しの趣向があり
読んでいて楽しかった。
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5編の短編集ですが、どれも面白かった。
それぞれ当初の思惑通りに完結することなく、少し意外な結末に終わるので、次の話が楽しみであっという間に読み終えました。
勝手に相手が自分に悪意があると決めつけてかかってもその逆だったり、いい人だと思っていてもそうじゃなかったり、現実にもこういうことありそうで怖いと感じた本でした。
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表題の妻は忘れないは、女性の勘の鋭さと
それを表面には出さず夫と普通に過ごす
妻の裏の顔が見えて、女性はいざとなると
恐ろしいと思った。
ママ友を題材にした、無垢なる手は
日常何処にでもありそうなリアル感で
人の心に無邪気にスルリと入り込んで
ずっと剥がれない溶接剤の様なべっとりとした
最後まで後味の悪いママ友。
どの短編も、何気無い生活の中に潜んだ狂気が
感じられる作品。