紙の本
419頁もありますが、スモールステップで一気に読めます
2021/03/24 11:19
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
新書にしては頁数が多く、なんと419頁もあります。
購入直後は「これ、読み終えられるかな?」と思いましたが、一気に読み切れました。それは、当書では22項目の論点を取り上げており、1項目当たりの頁数が長くて20頁と、スモールステップな内容に出来上がっているからです。取り上げている項目そのものが身近な話題だから、という理由もあります。
今の日本が抱えている難しい問題も、楽観主義の著者が優しく説いているのが、読んでいて気が楽でした。教育者としての著者の視点もしっかりしていて、読んで良かったと心から思います。
紙の本
現代社会が抱える諸課題への処方箋
2020/12/20 21:59
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は大手生命保険会社勤務後生命保険会社を創業、現在は大学の学長を務め、読書家としても知られ多くの著書を出している。本書では、今の日本や世界が直面している問題のなかから22の論点を選び、その基礎知識を解説した後、著者の考え方が示されている。その論点は、コロナウイルス対応・地球温暖化・憲法改正・安楽死・年金問題など広範にわたる。著者が物事を考えるとき大切にしていることは、「タテ・ヨコ・算数」の3つ。タテとは歴史を知り、ヨコとは現在の世界はどうなっているかを知り、算数とは数字・ファクト(事実)・ロジック(論理)で裏づけていくこと。本書の「著者の考え方」では、この大切にしていることに基づき、海外の事例や歴史的事例なども随所に織り込まれて話が展開している。その事例の一例をあげると次のとおりである。◆歴史上、悲観論は全敗している。◆政治家の発言撤回が許されるのは日本だけ。◆移民、難民は優秀な人々◆歴史を顧みると、人口が減少した国や地域はすべて衰退している。
400頁を超える新書版であるが、現代社会が抱えている諸課題についてのわかりやすい解説と著者の考え方は、一読の価値があると思う。
紙の本
日本のことを考える
2021/02/24 07:46
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
量の情報、真贋不明の情報が溢れる現代社会において、様々な問題が私たちの目の前に、横たわっている。その問題を、どう判断して解説していくかは、難しいことである。著者の考え方を通して、自分なりに考える、判断するプロセスを提示する。よくよく考えて、そして、確実に行動に移さないといけない。行動しなければ、意味がないのだから。
電子書籍
巻末付録には納得感あるが、全体的に論旨が粗く不満も残る
2021/02/01 21:48
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投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
博覧強記で知られる著者が現在の日本が抱える22の論点について、考えるための「基礎知識」と、「自分の頭で考える」とする著者自身の主張を簡潔に記したもの。
文体は平易で特に基礎知識は簡潔に整理されており読みやすい。挙げられている論点もやや結論ありきのものもあるが、コロナ問題など最新テーマもあって興味を持って読み進められる。
ただし、著者自身の主張の方は、良く言えば、すっきり簡潔だが、バッサリ大鉈の論旨も多く、必ずしも基礎知識の分析によるものというよりは、著者の価値観・悪く言うと決めつけが論拠となっているようなものや、「論点」を議論しているはずなのに、反対意見は「論外」と片付けられているものもあって、満足感は今一つ。
新書一冊に22の論点なので紙面制約上の限界という面もあるかもしれないが。
一方、本書の巻末に「付録」として「自分の頭で考えるための10のヒント」は目新しいものではないが、「確かに」と再認識させられるもので、こちらは、折に触れて読み返し、心掛けたいと感じた。
新聞広告で興味を持ち電子書籍で購入して通読。
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p112 UK 思想家 エドマンド・バークから始まる近代の保守 人間は本来万能でないという立場に立つ 人々が長年それに沿ってやってきて誰も文句をいわなければ、理屈はともかくとりあえずそれを維持し尊重しよう、問題が生じたらその時変えればいい、という考え方
p123 近代の文明社会は、自由意思という名の虚構の上になりたっている
p129 サラマレー 死者を弔うということ
p155 公務員は中立性と市民住民の信頼確保のために政治的行為を行うことが法律で制限されている 同様に憲法99条は国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員の憲法尊重擁護義務を定めている
p202 陰謀の日本中世史
p190 1492 スペインのイザベル1世とフェルナンド2世がユダヤ人を追放した 富を独占していたのに、ユダヤ人を追放してから一気に衰えた
p198 ユニコーンが生まれるキーワードは女性、ダイバーシティ、高学歴
p242 政治家がある主張をする際に、実態を反映したエビデンスやデータを根拠にしているか、一部のエピソードだけを持ち出して主張しているかは峻別しなっくてはならない
p245 一人7万1億2600万人年間106兆円 夢物語
p290 自由貿易か保護貿易かは、その国家の発展段階に応じた時間軸の問題
p293 食料自給率 カロリーベース 38% 生産額ベースは66 %
p306 イングランド人 子供が18歳になって独立したら、たいていの人が生命保険を解約
p392 日本が衰退してきている原因の一つとして不寛容な社会になっていることがあげられる
アインシュタイン 常識ってなんですか 僕が生まれてからこの18年間の社会の偏見の集合体じゃないいですか そんなものを学んでなんになるんですか
p412 人の真贋は言行一致か否かで見極める
p414 好き嫌いや全肯定、全否定で評価しない
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タイトルの通り、自分の頭でしっかりと考えるべき様々なテーマが解説されており、とても参考になりました。勉強というとハードルが高いですが、老若男女問わず、いきいきと自分らしく生活する上で外せないテーマばかりです。
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なんだかお勉強したい気分になって、本書を手に取りました。〈2018年に幻冬舎で開催した「出口塾・自分の頭で考える日本の論点」という連続講座での講義をもとに加筆したもの〉ということですが、以前に読んだ『人生を面白くする本物の教養』の実践編のような一冊です。
日本が抱えるさまざまな問題について、まず「基礎知識」が提示され、そのあとに出口さんによる「自分の頭で考える」が続きます。それぞれ、「タテ・ヨコ・算数」を駆使して考え、出口さんなりの判断、結論を導き出しています。
本書で考える日本の論点は、22個。
[論点1]日本の新型コロナウイルス対応は適切だったか
[論点2]新型コロナ禍でグローバリズムは衰退するのか
[論点3]日本人は働き方を変えるべきか
[論点4]気候危機(地球温暖化)は本当に進んでいるのか
[論点5]憲法9条は改正すべきか
[論点6]安楽死を認めるべきか
[論点7]日本社会のLGBTQへの対応は十分か
[論点8]ネット言論は規制すべきか
[論点9]少子化は問題か
[論点10]日本は移民・難民をもっと受け入れるべきか
[論点11]日本はこのままアメリカの「核の傘」の下にいていいのか
[論点12]人間の仕事はAIに奪われるのか
[論点13]生活保護とベーシックインカム、貧困対策はどちらがいいのか
[論点14]がんは早期発見・治療すべきか、放置がいいのか
[論点15]経済成長は必要なのか
[論点16]自由貿易はよくないのか
[論点17]投資はしたほうがいいか、貯蓄でいいか
[論点18]日本の大学教育は世界で通用しないのか
[論点19]公的年金保険は破綻するのか
[論点20]財政赤字は解消すべきか
[論点21]民主主義は優れた制度か
[論点22]海外留学はしたほうがいいのか
おもしろかったし、勉強になりました。出口先生から直接お話を聞かせていただいたような、とっても濃密な読書時間でした。
目から鱗が、ボロボロボロボロ、落ちまくり。こんな簡単なことなのになぜ、と逆にまた疑問が湧いてくることも。きちんとファクトを知っていれば方法は自然と導き出されるはずで、普段いかにメディアに踊らされ目くらましされているか痛感、無性に悔しくなりました。
ひとつのニュースにもあらゆる側面があって、テレビなどで伝えられるニュースだけを鵜呑みにしていたら、見方が偏ってしまうのは確実。自分でひとつひとつ裏側まで調べて、客観的にどういう状況なのか、ただひとつしかないファクトをきちんと見極めていかなくては、と危機感をおぼえました。
出口さんの知識はもちろん、視野の広さと豊富さにつくづく感服。私もこんなふうに考えられるようになりたい、その癖をつけたいと思いました。
そのためにも、EUやヨーロッパ諸国、アメリカ、中国など、世界の歴史や実情を、もっともっと知りたい! 勉強したい! 私もAPUの学生になりたいぞ。
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自分の頭の整理になりました。
400ページあるが、ちょっと長かった。論点22個がちょっと多すぎかな。
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恐らくは今の日本の論点を網羅的に整理していただいており、どこが自分の琴線に触れるかで自分の興味も分かる。いつもながらこれをお一人で書いているのだとすれば本当にすごい。
自分の興味はやっぱり日本の教育なのかな〜。
「製造業に必要なのは…均質な労働力です。…そこで要請されるのは、「偏差値がそこそこ高く、素直で、がまん強く、協調性があり、上司の言うことをよく聞く」人材です」
…ってうるせえな!!
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日本の課題を考える本だが、この本において課題は題材に過ぎない。
課題を解決するための命題が与えられるわけだが、そもそも命題そのものを疑い、データを集め、データが出る意味を深掘りし、類似事例と比較し、ロジックを立ていく、という思考過程が楽しい。
頭を使うということはこういうことか、と納得せざるを得ない。
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「自分の頭で考える」とは…
・問いを疑う。
・常識を疑う。
・前提を疑う。
・事実に基づいて考える。
・相手の立場で考える。
・ポジショントークになっていないか疑う。
・深掘りしてみる。
・いままでの類似事例を探してみる(縦軸で考える)
・自分の周りで類似事例を探してみる(横軸で考える)
・隠れているメリット/デメリットを見つける。
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歴史から経済、医学まで多岐にわかる分野について、なにを考えるかどう考えるかの知識を具体的に書かれていてとても勉強になった。
何事も歴史を見て、世界と比べて、数字をもとに議論することの大切さを解かれていて、これは竹中平蔵さんが言われていたことに似ていると感じた。
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まず、著者の精力的なアウトプットに感嘆する。
著書は勿論、ビジネス雑誌の多くで名前を見かける。
本書は、現在に考えるべき論点22項について、
まず客観的なファクトを述べ、著者の考えを述べる
構成になっている。
「次にあなたはどう考えるか?」
と、文には無くとも問われている。
最後に、
・付録「自分で考えるための10のヒント」
ご付いてるが、本書の主題はここだ。
理科系の自分にとっては、
社会科学的な観点も論理が明解で読み易い。
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現在、あるいは今後も議論になると思われる日本の論点を22個あげ、それぞれについてまず基礎知識について解説し、ついで各論点に対して著者はどう考えるのかという構図になっている。そして最後に考えるためのヒントを10挙げている。
取り上げている22の論点は妥当なものであると思われる。また著者自身が述べているように、著者の考えに必ずしも賛同する必要はない。むしろ、著者の考えに賛成か、それとも反対か、それはなぜかをじっくり考えることで、各論点に対する理解が深まるだろう。
大学生、特に1年生に読んでもらいたい本である。
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様々なテーマについて、データを用意して読者に考えさせる形にしているのがいい。
イノベーションは既存値を新しく組み合わせることによって生まれ、既存置換の距離が遠いものを組み合わせるほどユニークなアイデアになる。様々なバックグラウンドを持った人が集まるダイバーシティのある場では面白いアイデアが生まれる。
グローバル・ファイヤーパワーランキングによると、日本の軍事力は世界5位。
https://www.globalfirepower.com/countries-listing.php
日本国憲法の原型は1928年のケロッグ=ブリアン条約で、戦争を否定した初の国際条約。
博報堂のインターネット調査によると、LGBT・性的少数者に該当する人は10%。LGBTQに厳しい目を向けるようになったのは、男女差別の激しい朱子学に範を得て、天皇制をコアとする家父長制の国民国家を作ろうとした明治以降のこと。
社会的地位の高い人や公職についている人が、間違ったことや不適切なことを言っても撤回すれば済んでいることは、他の先進国では見られない。撤回しなければならないような発言をした政治家は、即刻政治生命を失う。
高齢者になって体力が落ちる最大の原因は働かないこと。寝たきり老人がいるのは日本だけ。
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良書。池上彰氏の書籍と同様に浅く知識の補完や筆者と読者の間に静かな討論が出来て楽しい。
恐らく編集者が作成した基礎知識の項と、出口氏の持論を展開する形式で進められる本書はその構造によるものなのだが、出口氏が明らかに論争になりそうな点には踏み込んでない。それが歯痒く、マイナス点。例えば論点8のネット言動は規制すべきか。の項では愛知トリエンナーレの所に触れているが昭和天皇や特攻隊への侮辱に対しては突っ込んでいない。
また「赤ちゃんは4時間寝て、起きて、そのリズムは職場に連れてくるのに最適」などの発言もあるが出口氏は昭和の人間なので責められない所はあるかもしれないが育児を知らなすぎている。赤ちゃんと言っても1ヶ月と10ヶ月では全く違うので大きく括る事自体がナンセンスかつ、そんなにリズム良く寝て起きてする赤子がどの程度いるのか、育児を知らないのは仕方ないが書籍にする前にファクトチェックは必要だったろう。