結構奥の深い物語
2001/03/29 12:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドン・キホーテというと風車を怪物と勘違いして向かっていく、というイメージしかなかったが、なんのなかなか深い物語だった。
特に後半はドン・キホーテも有名になっており、公爵夫妻がドン・キホーテに悪ふざけするなど結構面白い。とくに従者であるサンチョがその悪ふざけの一端として島の領主にしてもらうところがあるのだが、サンチョの身の程をわきまえた判断力に感嘆する。
この本にはセルバンテスの思想がきちんと盛り込まれている。ドン・キホーテと言われて、風車しか思い浮かばない人はぜひ一度読んでほしい。ただの狂人の物語ではない。
わかるようでわからない。
2011/05/28 10:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドン・キホーテ セルバンス 牛島信明編訳 岩波少年文庫
初めて読みましが、よくわからないということが正直な感想です。スペインのお話です。50歳独身のやせた男が騎士物語を読んで騎士の生活にのめりこんで狂人となり、それがドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャとなる。風車や水車を敵と思い込み斬りかかっていく。彼はこの世に実在しないドゥルシネーア・デル・トボーソという女性に憧れと恋心をもつ。彼の家来が百姓のサンチョ・パンサですが、彼は常識人です。後半は、サンチョがひとつの島を統治するところまでいきます。
キリスト教を背景にした道徳話のようでもあります。罪とは、傲慢(ごうまん)であること。忘恩であることです。神の存在があり、魔女による魔法があります。礼節を重んじることも説かれています。ドン・キホーテは認知症のようでもあり、夢想家のようでもあります。精神病のケもあるのだろうか。ドン・キホーテは、人生の最期を迎えるときに正気に戻ります。
翻訳では、発言者が明確なのがいい。現代小説では、誰が話しているのかわからないものが、みうけられます。
物欲に対して素直です。人生訓を読むがごとしの面もあります。サンチョの言動に、リーダーになるよりも、その他大勢のなかのひとりでいるほうがいいと読み取れるものがあり共感します。
書かれた時代背景とか作者の人生体験を事前に仕入れておかないと理解できない内容でした。1605年に書かれた小説です。日本では1600年に関が原の戦いがありました。
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狂人ドン・キホーテ可愛い・・・でも妄想狂のくせに(笑)物事の本質を付きまくったことをいうのでびっくりします。サンチョパンサは何となくドラクエ8のヤンガスを彷彿とさせます。
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16世紀のスペインの作家、セルバンテスの名作。かなり読みやすく編訳されています。ホセ・セグレーリェスが描いた挿絵が物語りの世界観に合致!
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なんと利口なコンビか。
サンチョあってのドン・キホーテ。
だけど、ドン・キホーテなければ、サンチョもない。
この絶妙のバランス。
サンチョをモデルにしたキャラクターは数あるけれど、やはり元祖は一味違う。
………
「ほほう、なるほど」と、この時、緑色外套の紳士がつぶやいた、「われらの騎士どのがとうとう正体をあらわしたぞ。」
………
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かの有名なドン・キホーテ
ドン・キホーテっていう騎士(になりたい?)おじいさんと
サンチョパンサとロシナンテの名前は知ってたけど
実は未読だったので
読んでみました。
最初の4章くらいは
ドン・キホーテのきちがいっぷりにひいちゃって
つまんないから読むのやめようかと思ったんですが
ひまだったので読んでたら
だんだん面白いような気になってきて、
結論→面白かったです^^
なんだよーおもしろいじゃん!笑
ドン・キホーテが気ぃ狂っててこわいんですが
さいご訳者あとがきにもかいてあったけど、
ドン・キホーテの奇行をあざ笑っていいのか賛美(はしないけど)していいのか
狂気なのか正気なのか
馬鹿なのか利口なのか
あいまい性というより両方の同時的認識が「ドン・キホーテ」なのではないか、みたいな
なるほどー
ほんとはもっと引用があったりこの6倍くらい長いお話らしい。
でもそんなに読めないし、ちょうどいいかな
最後正気にもどったけど、
何かに夢中になるのってこわいなーとか、物語ばっかり読んでるとこうなっちゃうのかなー
とかは思わなかったけど。笑
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『ドン・キホーテ』はかなり長い作品らしいです。その中から、つじつまが合うように抜粋して編集してあるのが、この岩波少年文庫版です。この作品にどっぷり浸かって読む分には滑稽で面白いですが、ちょっと引いた目で眺めると、悲しいお話になります。
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わりと好き。サンチョみたいな陽気な従者は指輪物語のサムと一緒で、いい役してるよね
ただの狂人じゃなくて学のある人。いつの間にか応援してた
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最初だけ読んでおしまい。自分が小学生でドン・キホーテのようなおっさんがいればすごく楽しんだに違いないが、今読むと「大変だな」という気分が先にきてしまう。表紙の絵がこんなにてらてらしたかんじじゃなくて、もう少しドワーフ小人風のルックスなら受け入れられるかもしれない。
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表紙のドン・キホーテの目つきがなにかしらすべてを物語っているように感じる。
騎士道にハマり、従者のサンチョ・パンサを引き連れていきながら遍歴を繰り返していくドン・キホーテの半生が語られている。
「ドン・キホーテ」なんて聞くと、やはりイメージとしては、しゃにむに風車に突っ込んでいく狂騎士のイメージが強いけれども、
著者のセルバンテスの生きた時代は、スペインの国力、キリスト教勢力がともに没落しつつしていた時代。
そんな時代にセルバンテスはこの物語に何を訴えかけたかったのだろう、と思ってみる。
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昔の作品なのに楽しく読めました
現在でも小説の読み過ぎで頭がおかしい人が出てきてもおかしくない
そこに普遍性を感じました
周りの狂人(主人公)に対する態度が暖かくて微笑ましかったです
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岩波文庫版に挑戦して敗北したが、岩波少年文庫版でリベンジ。文体が冗長なので、抄訳じゃないと読み切れない。とはいえドン・キホーテとしての最初と最後は載っている。とくに最後のエピソードには泣ける。あれ、風車の話あったっけ?
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ボケることが幸福と水木サンがゆうてたけど、まさにそのお手本。サンチョとの掛け合いがオモチロイ。
もっともっと旅は長いはずで、会田訳がよいらしい。色々読み比べてみたいが!出来るかな。
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古典中の古典、名作中の名作と言われながら、実は世界中の殆どの人が読んでない『ドン・キホーテ』。
欧米の文学者アンケートでお勧め古典の第1位に選ばれたという『ドン・キホーテ』。
お友達からの推薦があり購入。
牛島信明さんの名訳『新訳ドン・キホーテ』は原典そのものの翻訳で前編3冊・後編3冊となり長い。
この本は同じ牛島さんの名訳で読みやすい上、原典を損なわないように仕上げたらしいので選んだ。
さて、…
最初から頭をガツンとやられた!
ドン・キホーテの頭がおかしくなった原因は本の読み過ぎ。
その結果、風車に突撃したのだ。
僕も40歳を過ぎた頃から読書を始め、今では身近な人たちに「本読み過ぎ」、「本ばかり読んでる」と非難されている。
僕は「まだまだ全然読んでない・全然読めていない・もっと読みたい・本だけ読んでいたい」と思っているくらい。
昔の僕を知っている人達からすると狂ったと思われても不思議ではない。
やがて読書で得た知識を実践して少しずつ成果が出てきて、最近ではその成果を周りに広めたいと思ってきている。
周りの皆さんにお役に立ちたいとかお手伝いをしたいという気持ちなのだ。
・現時点では具体的なイメージが固まっていない状況。
ほとんどの人には夢のようなこと、と言われ本気にされなかったり理解されない。
周りからは“風車”に突っ込むのと同じだと思われている。
そのように、狂って風車に突撃したドン・キホーテを自分に重ねてしまった。
風車の後もドン・キホーテは勝手な自分の妄想をもとに世間に迷惑を、それもかなりヒドい迷惑をかけ続ける。
お供のサンチョなどは何度も死にそうな目に遭う。
これも次のように自分に重ね合わせた。
読書を続けているうちに自分では多少は物事を分かったつもりになってきてしまう(恥かしいことだ…)
その結果、相手が困っていると良かれと思い提案したりアドバイスしたりしてしまうのだが、これは相手には上から目線だと思われてしまう。
相手は「困っている」と言いたいだけで殆ど解決を求めていないパターンが多い。
周りからしたら僕は迷惑なのだ。
冒険の旅を続けるドン・キホーテは、やがて本を書かれるほど有名になり、意地悪く狂人具合を楽しんだり、優しく受け入れたりする人達が現れる。
さらにこれも次のように自分と重ね合わせた。
いつも公私ともに楽しそうにしていており(本当に楽しい)、ある時は読書や速読(フォトリーディング)を勧め、ある時は知識を受け売りし、ある時はもっともらしいことを語る僕は、周囲にはあまりいないタイプなので、おそらく「変な人」と思われている。
それでも皆さんに優しく温かく楽しんで頂いたり、受け入れて頂いている。
これには感謝したい。
この本では最後にドン・キホーテは正気に戻って死んでゆく。
僕は今のまま読書に狂ったまま“風車”に向かって突撃したいと思った。
さて、最後に思わずハッとした名場面を書いておく。
次の2場面��セルバンテスがドン・キホーテの口を借りて自分の意見を書いたと思われる。
P.173、174
ある名士に対して子育てについて意見を言う場面。
子どもの持って生まれた傾向で、好きな学問をさせてあげるべき、と話す箇所。
この時代に読んでも納得。
P.249〜256
付き添いのサンチョがある島の領主になる前日、心構えを伝える場面。
人としての心構えとしても大いに勉強になる。
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結局、悪い人を懲らしめるのではなく、勝手に悪いと思った人を攻撃し、勝ったり負けたりするおじいさんのお話だった。
サンチョが、島(?)の領主になった話が一番面白かった。