紙の本
わかりやすく面白い
2021/06/12 18:37
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kimonomatu - この投稿者のレビュー一覧を見る
オートファジーの世界的な権威の先生がご自分の研究を一般の人向けに本当にわかりやすく書いた本です。一般の人も科学的な思考を身に着けることが社会のためになると考えていらっしゃるからです。私は「相関関係と因果関係は違う。だまされてはいけない」ということがわかっただけでも良かったと思います。随所に書かれているこぼれ話もとても楽しく読めました。
紙の本
科学のとらえ方
2022/09/04 00:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:募集要項難読且理解 - この投稿者のレビュー一覧を見る
語句を覚えるのではなく生命体としてのシステムについて考察していて興味深かった。
紙の本
わかりやすい。みんな読もう。
2021/06/26 22:25
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもわかりやすい。一章ごとにテーマがあって、時間を見つけて少しずつ読み進められる。一章読むごとに賢くなった気分になれるのも良かった。
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細胞とは何か?を生命科学を知らない一般人にもわかりやすく説明した本。
読みやすい。比喩などを使って専門用語を知らない私でも興味を持って読み進める事が出来た。(もちろん一部は難しい内容の部分もある)
概念説明なので生命科学の1割も理解できていないと思うが、細胞とはどう言うものか、人間の生命維持にどう貢献しているかが理解できて面白かった。
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【本書の詳細】
①科学という学問のあり方と科学に対する向き合い方
科学は、仮説と検証の積み重ねによって、真理に限りなく近づく学問である。科学の目によって、私たちは、極小の世界から極大の世界まで遥かに見渡すことができる。
科学の考え方の基本は「相関」と「因果」。
相関というのは目に見える関係で、研究の観察結果である。
因果というのは確実な原因と結果の関係である。
目に見える相関だけで判断せず、「なぜ?」と疑問を持ち、裏にある因果を探ることが大切だ。
②細胞の基本構成要素「タンパク質」
細胞の主役はタンパク質であり、生命のサイズの最も小さいところ、階層の一番下に属している。
最小単位であるタンパク質がたくさん集まったものを「超分子複合体」といい、それより大きいものに「オルガネラ(細胞小器官)」がある。オルガネラとは細胞の中にある臓器のようなもので、身近なものではミトコンドリアがこれにあたる。
生命の特徴は、タンパク質を構成単位の基本とした「階層性」と、「動的平衡」(中身が変わっているのに見た目が変わらないこと)にある。
原則的に、ひとつのタンパク質の形質はひとつの遺伝子によって決められている。遺伝子を決める素材は「DNA」であり、DNAのアルファベット(G,A,T,C)が3つ並んでアミノ酸になる。そのアミノ酸を並べたものがタンパク質だ。文字は並び方によって形質が変わるため、4つの文字からさまざまなアミノ酸が作られている。
このタンパク質が、脂質や核酸など、タンパク質以外の様々な身体の物質を作り出している。
遺伝子やDNAという物質に対して、遺伝子全体の遺伝情報、つまり「意味」を示すものを「ゲノム」という。遺伝子やDNAが本と文字なら、ゲノムは本全体の文の意味と考えてもらえばいい。人間のDNAは解読されたが、全ての文の意味はまだ分かっていない。
③病気について
病気を引き起こす原因としてウイルスがある。ウイルスとはゲノムと殻しかない物質である。ゲノムのコピーまではできるがその先のタンパク質を作れないため、他の生き物の細胞に侵入して自分のタンパク質を作っている。こうした特異な性質から、ウイルスが生物なのか非生物なのかについては議論が分かれており、はっきりしていない。
ウイルスは鍵のような物を保有しており、この鍵と細胞の鍵穴が合致することで細胞に侵入できる。人間の体内で作られる抗体は、ウイルスにくっつき鍵の形を変えて侵入を防ぐ。うまく鍵の部分にくっつけば侵入を防げるが、鍵ではない部分にくっつくものもある。当然ウイルスの侵入は防げないが、これも抗体と言われている。そのため、「抗体がある=ウイルスにかからない」と慢心してはいけない。
抗体を司るのが免疫システムだ。免疫システムは、ウイルスが侵入すると様々な形の抗体を無数に作って対応する。
一方、一度侵入したウイルスを記憶しておき、再度侵入された際に的確に抗体を作ることで撃退する免疫システムもある。
※用語解説
「交差反応」:ある病原体に対して効く免疫の反���が、別の病原体にも有効であること。
病気の他の原因として、細胞自身の異常が挙げられる。
細胞の中にあるミトコンドリアがエネルギーを作る際には活性酵素が発生する。活性酵素は細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰に生産されると細胞を傷つける。ミトコンドリアが傷つくと活性酵素の制御ができなくなるため、タンパク質や脂質やDNAに悪さをし始め、がんなどを引き起こす。ミトコンドリアは細胞内の発電所といってもいいぐらい重要な器官なのだ。
④不死と不老
ベニクラゲという生き物は不死である。また、アホウドリは老化せず、健康体のままぽっくりと死ぬことが確認されている。
しかし、何故大抵の生物には老化と死が待っているのだろうか?
それは、種の全滅を回避するためである。自らの種を地球に広げるためには、子孫を作り、形質を進化させ、何種類もの異なった遺伝子を残して行ったほうがよい。天変地異や疫病を乗り越え種全体を繁栄させるためには、個体自身が死んだほうが効率的であるのだ。
老化も死も、生物に備わっている避けられない運命ではなく、その生き物が選び取った結果である。
⑤不老を解決する「オートファジー」機能
「オートファジー」とは、細胞の中の恒常性を保つ機能であり、細胞の中のものを分解してリサイクルしている。これが解明されれば、病気を防いだり健康寿命を延ばすことが出来るかもしれない。
オートファジーの役割は次の3つだ。
(1)飢餓状態になったときに、細胞のなかの栄養素を分解してエネルギーにしている
(2)細胞の中身を入れ替える
→恒常性を維持するために、毎日壊しては作り直している。
(3)有害物を除去する
→細胞の中に入り込んだ病原体を自ら除去するための免疫機能である。病原菌以外でも、壊れたリソソームを除去し、病気にかからないように恒常性を保っている。
細胞は死んで生まれ変わることで恒常性を維持するが、神経細胞と心筋細胞は死んでも復活しない一度きりの細胞だ。これらが死ぬことでアルツハイマーやパーキンソン病が起こっている。また、オートファジーが関係していると思われる病気には、生活習慣病、神経変性疾患、肝臓がん、腎臓の病気、心不全などがある。
オートファジーの研究は、治療法の無かったこれらの病気を解決するカギになるかもしれない。年を取るとオートファジーの機能が低下するが、その原因を突き止めれば老化を止めることができるかもしれないのだ。
オートファジーは「ルビコン」と呼ばれる物質により阻害されていることが最近の研究で分かった。生き物は年をとるとルビコンが増えていき、これが老化による様々な病気を引き起こしていると考えられている。
ルビコンを研究することで、老化と死が必然のものではなくなるかもしれない。
ルビコンのせいで老化が起きると言っても、ルビコンは一部の器官にとっては必要不可欠な物質であるため、おいそれと除去できるものではない。
そのため、日常生活レベルでは、オートファジーを高める食事を心がけるのがいいだろう。
納豆、キノコ、味噌、醤油、赤ワイン、チーズなどがオートファ��ー機能を高めると言われている。
また、一日のうち一食を抜くなど、カロリー制限をしたほうがよいことも分かっている。ただし、どういう方法がよいかはまだ分かっていない。極端な断食はやめた方がいいだろう。
また、脂っこいものを食べすぎるとルビコンがたくさん作られることが分かっている。
究極的な結論は、腹八分にし、運動し、脂っこいものを避けるようにすることである。
【感想】
不老不死――人類が長い間望んできた生物の究極の形は、決して実現不可能なものではない。死や老化は必然のものではなく、種の繁栄のためにゲノムに埋め込まれた競争戦略にすぎないのかもしれない。そして、種の繁栄を気にしなくなった人間にとって、これらはもはや克服できる事象になりうる。何ともワクワクする話だ。そして、健康寿命の延伸という目線から、不老の研究が着々と進んでいると言うのだからまた面白い。
筆者も文中で言及しているが、同じような分野の本として「LIFE SPAN」が刊行されている。著者のデビット・A・シンクレア氏は、老いを「治療できる病」とみなしている。また、ips細胞を使った若返りにより寿命を延ばしていくことについても言及している。読もうと思ってまだ手をつけていないため、近々こちらも読んでみたいと思った。
一点、本の中身とはずれるが、表紙と帯に「最先端の生命科学を私たちは何も知らない」と書かれていることについて、あまりよい表現ではないと思う。
筆者が文中で繰り返し強調しているのは、巷にはびこる様々な科学的通説に対して「何故?」という意識を持ち、因果関係を理解することの大切さであった。筆者は、人々が基礎的な知識と洞察力を持つことで社会全体の科学的知見が底上げされるのが望ましいと考えており、本書もそのために、平易な言葉を用いて生命科学の基礎の基礎から解説する構成をとっていた。したがって、こうしたいかにも「最先端科学を扱っています」というアオリは適切ではないと感じた。
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科学的思考、論文、そしてオートファジーまでライフサイエンスを広範囲にわかりやすく丁寧に書かれた本。
ボールド部が自分の重要部とは違うので評価は一つさげましたが、これは個人の感性によるものです。
読んで損はないと思います。
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<目次>
第1章 科学的思考を身につける
第2章 細胞がわかれば生命の基本がわかる
第3章 病気について
第4章 細胞の未来であるオートファジーを知ろう
第5章 寿命を延ばすために何をすればいいか
<内容>
生物の教科書のような本。第1章、2章は基本を、第3章はそこからわかってきた病気のカラクリ、第4章、5章は著者の本職である「オートファジー」の研究内容を、わかりやすい語り口でまとめている。まず、一項目の短いものが多い。中学生でもわかる説明の仕方。すばらしい!
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生命とはなにか?細胞とはなにか?細胞の中の詳細説明の基礎を優しく説明してくれた上で、ノーベル賞を受賞したオートファジーはどんな働きのことで、これからどんな研究に発展していくのかがわかる本。面白くて一気に読み終えた。
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【はじめに】
著者は、細胞老化研究でも非常に注目されているオートファジーの研究者。ノーベル賞を受賞した大隅さんの弟子筋に当たり、哺乳類の細胞でのオートファジーの研究で知られている。世界で初めてオートファジーの「動き」を撮影したのも著者たちのグループだそうだ。
その著者いわく、「生命科学は現代人にとって必須の教養になりつつある」という。
そして、生命の基本は細胞であり、細胞を知ることで、人間の体の働き、遺伝、病気などが理解できるようになるとのこと。人間も、他の哺乳類どころか酵母や細菌も、基本である細胞の仕組みはほとんど同じである。37兆個の細胞からなる人間を知るためには、細胞のことを知らないといけない。著者が専門とするオートファジーは、細胞の機能の中でも老化や病気に深く関わるものであり、そうであるがゆえに大いに注目を集めているのである。なにせ、老化こそが飢餓、疫病、戦争を克服した人類が次に挑むべき敵(的(まと))であるのだから。
『LIFE SCIENCE』というタイトルと装丁は、先行したベストセラー『LIFE SHIFT』や『LIFE SPAN』に合わせにいった感があるが、中身は極めて真っ当で「必須の教養」たる生命科学の勉強になる本である。
【概要】
本の筋立てとしては、まずは科学的思考の重要性から入るが、その準備運動を経た後の最初のメインが「細胞とは何か」である。何ごとも複雑なものには階層構造が存在し、ここでタンパク質、オルガネラ(細胞小器官)、細胞という階層構造について明晰な理解が必要だと説いている。特にオルガネラという聞きなれない言葉で示されるものが理解の鍵になる。
「生命の特徴はこうした階層制と、動的平衡にあります」 ―― 著者はこのように言う。動的平衡は福岡伸一氏の著作で一躍有名になったが、オートファジーはこの生命の動的平衡の中で重要な役割を果たしている。
著者はオートファジーのことを、「細胞が自分の力で新品にする機能」と表現する。古くなった細胞の成分を回収し、それをもとに新しい細胞を組立てるのだ。毎日食事で供給する物質以外にもこういった形で体細胞は作られていく。
生き物はなぜ死ぬのか ―― 答えは、すべての命は死ぬべく定められているから ―― では全くない。生き物は本来死なないようにできているという。実際、ベニクラゲというクラゲは死なない。
リチャード・ファインマンは次のように語ったという。
「生体のふるまいを調べても、死が避けがたいことを示すものはまだ何一つ見つかっていない。だとすれば死とは少しも必然ではなく、この厄介事の原因を生物学者が発見するのも時間の問題と思われる」
生き物はなぜ死ぬのかの答えは、おそらくは「多くの生き物は進化の過程で死んだ方が有利だったのではないか」という。つまり、生き物は「わざわざ」老化しているのだ。そして、それが進化の帰結だとすれば遺伝子にその仕組みが刻み込まれているということだ。だからこそ、その仕組みを見つけることが、多くの科学者の目標になっている。
それとともにオートファジーが着目されている���由の中のひとつが、免疫機構と関係しているからだ。免疫機構は細胞の新陳代謝の仕組みを使い回してできたものである。また、オートファジーがタンパク質の塊の除去にも働いていることからアルツハイマー病などの神経変性疾患にも関係しているのでは、とも言われている。最新のアルツハイマー病治療薬が免疫機構を活用したものだということだったが、いろいろと関係しているのかもしれない。
【寿命を延ばすために】
この本でも『LIFE SPAN』のように老化を遅らせたり、防止したりするための処方箋が記載されている。ここは外せないところなので、順番に見ていきたい。
① カロリー制限: 『LIFE SPAN』で紹介されたものと同じである。かなり多くのところで紹介されるようになっているらしく、最近かみさんが16時間の断食がいいらしいと言ってきたので驚いた。
②インスリンシグナルの抑制: こちらも『LIFE SPAN』で出てきた糖尿病治療薬メトホルミンの話である。AMPK活性の話でもある。
③TORシグナルの抑制: こちらも『LIFE SPAN』でも出てきていた。イースター島の土壌から見つかったというラパマイシン(mTOR阻害薬)を飲むといいという話だ。
④生殖細胞の除去: この話は『LIFE SPAN』にはなかったと思う。宦官は長生きしたということだろうか。
⑤ミトコンドリアの抑制: こちら何か副作用もありそうですが、効果があると言われているという。
①~⑤の話はすべてオートファジーの活性化につながる話なので、著者は「オートファジーが要かも」と言うのである。上記で『LIFE SPAN』にあったかどうかということを記したが、著者も『LIFE SPAN』のシンクレア教授のことは意識をしていて、老化の統合理論であるとする「老化の情報理論」に夢中でオートファージの階層まで注意が向いていないのではとしている。この辺り静かな対抗意識が見えて面白い。
著者はさらに、自分が見つけた「ルビコン」という物質について着目する。ルビコンが増えることでオートファジーの動きが悪くなることがわかっている上に、ルビコンは加齢によって細胞内で急にその量を増やしているという。オートファジーの活性化が老化防止の鍵であるなら、このルビコンの量が増えるのを抑制するか、増えた量を下げることで目的を果たすことができるのではというのが著者の考えだ。
その方法として納豆やキノコに含まれるスペルミジンや、ワインに含まれるレスベラトール(こちらは『LIFE SPAN』にも出てきた)の摂取も効くかもしれないという。
で、結局まとめると「腹八分で、運動する。脂っこい食事を避ける」ということなのでちょっとがっかり。
【所感】
オートファジーの研究は、大隅先生が先鞭を付けただけあって、世界でも日本の研究が進んでいるという。しかしながら、ビジネスの段になるといつも後れを取るらしい。著者もこれまでビジネスには疎く、例えば特許の取得も怠ってきたという。それではいけないとして、最近オートファジーのベンチャー企業を立ち上げたという。
著者の力の入れ方を読むと、老化防止研究もかなり進んでいると感じることができるし、何よりベンチャーを設立したということはお金が集まったということに他ならない。今後、急速な研究の進展を切に期待するもの���ある。また、少しオートファジー関連の本を読んでみようかなと、思った。『LIFE SPAN』を読み切って、面白いと感じた人ならば、文句なくお奨め。
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『LIFE SPAN: 老いなき世界』(デビッドA・・シンクレア)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046747
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生命科学研究者によるる寿命や遺伝子、オートファジーなど盛沢山の内容。
専門分野の話というのは素人にはとっつきにくい内容になってしまいがちなのだが、我々の日常に関わる例をあげながら説明してくれるのでとてもわかりやすいです。
特に著者の専門分野であるオートファジーの話はすごく興味深い。
ルビコンが人間の健康寿命を伸ばす鍵になるかもしれないという話はすごくワクワクしますね。
これからもこういった専門分野の内容を一般向けの本で解説してくれるという橋渡しの役割に期待します。
とても面白い内容でした。
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科学とは、仮説を検証しよりよいものにし、真実に近づけること。
Nature 掲載料50万円 論文数中国30万本/年(2016-18年)アメリカを超す。
細胞があれば生き物。
細胞の構成や仕組みはその生物も同じ。
人間の細胞は1個の卵子から37兆個。それ以上は増えない。
がん細胞は無制限に増える。
細胞は数10μm、
オルガネラ 細胞小器官=機関
タンパク質 細胞の主役=働く人 数nm
膜=交通網
2万数千個の遺伝子がタンパク質を決める(設計図)
遺伝子をつくるDNAは4つだけ 3つ集まるとアミノ酸
アミノ酸が集まるとタンパク質
多様性がないと、死に絶える
酸素 細胞内のミトコンドリアがエネルギー源を分解するために必要
神経 秒速120m 体内を0.01秒で伝える 血液は20秒
ウイルス 細胞に入り乗っ取って増やす
細菌 分裂して増やす 細菌に入り込んだり毒素を出す
抗生物質 細菌には聞くがウイルスには効かない=風邪には効かない
死と老化を人間は積極的に選択
ベニクラゲ 不死 若返る
アホウドリ ハダカデバネズミ 死ぬ直前まで若く元気
オートファジー(自食作用)
細胞の恒常性を保つ働き 老化抑制
飢餓状態で活性化 アミノ酸からタンパク質をつくる
ルビコン オートファジーのブレーキ役のタンパク質
SBDD
構造に基づくドラッグデザイン
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「ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?」に続いて、
ライフサイエンス系で読みやすそうなものをチョイス。
こちらも面白いです。
※ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4799321676#comment
著者は大阪大学の教授なのですが、
大学の先生って難しいことを難しくしか言えない人のイメージがありましたが、
この人は珍しく当てはまらないようです。
とても分かりやすい。これは素人でも読める本です。
大昔、生物のクラスで「こんなこと勉強したな~」と
思いながら、読んでいました。
後半からは、オートファージというほとんど聞いたことのない著者の研究の話に移っていき、
レベルもそれなりに上がっていくのですが、
著者の分かりやすい口調(文調?)のお陰で何とか読み進めることができました。
文系の人でも全然イケると思います。
色々ホットな分野である生命科学を学んでみようと思っている人にとっては、
とてもおススメな一冊です。
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科学は、本当に正しいかはわからない、が前提。
断定する人は科学的にはあやしい。
真実に近い仮説。
相関関係と因果関係の違いに注意する。
比べること=RCT検査。対照群がなければ、比べていることにならない。
査読=ピアレビュー。二人から4人。普通は3人。リバイスが一番多い。査読前の論文を公表するプレプリントサーバーという仕組みもある。
二重らせん構造を発見したワトソンは、写真を盗用した。
スタップ細胞の問題は、存在ではなく論文として不正をしたこと。サマーリンの塗られたネズミ、と同じではないか、という疑惑がある。
「仮説が正しければ、こういう結果も出るはず」という積み重ねが大事。間違っていれば訂正すればよい。
ヒーラ細胞(がん細胞を培養した)。培養細胞でウイルスの増殖を防げるか試す。その後、動物実験、最後が人間で試す。培養細胞が基本となる。
遺伝子には記憶はないが、外観はそっくりにできる=クローン人間。
大きさの順に、タンパク質、超分子複合体、オルガネラ(細胞小器官)、細胞、組織、固体、の順。
遺伝子は、タンパク質の設計図。一つの遺伝子は、一つのたんぱく質に書かれている。
遺伝子は、DNAで書かれている。二重らせんなのは、情報をコピーするため。
DNAの集まりが遺伝子、ゲノムは、ソフトウエア。
クローン羊のドリーが生まれたことで、生殖細胞以外の細胞にもゲノムが存在することが証明された。
進化は、遺伝子のコピーミス。ダーウィンの自然淘汰説と、進化の中立説。どちらが正しいかは検証不能。
生命は、多様性がないと死に絶えるもの。
色覚異常は、異常ではなく多様性。遺伝学会は、色覚異常とは呼ばず色覚多様性と呼んでいる。
人類もいずれ滅びる。人類誕生から700万年。恐竜の繁栄は1億6000万年もあった。
研究は役に立つことを研究するだけではない。何かの大発見につながるもの。
細胞の死の原因
たんぱく質の塊がたまる(変性疾患)=アルツハイマーなど。
ウイルスの病原菌によるもの
細胞内の事故=活性酸素によるもの、自死。
がんは、元気な細胞で増え続けるもののこと。
脳梗塞は、細胞の酸欠。
細菌は生物、ウイルスは中間。
風邪は、ほとんどウイルスによる=抗生物質は効かない
抗体は、ウイルスの鍵にくっついて侵入を防ぐ。
抗体検査は、ウイルスの鍵ではない部分に取り付く抗体でも検出してしまう。
サイトカインは、免疫機能が活性化すること。サイトカインストームは、それが暴走すること。
生命は、エントロピーの増大を相殺することで定常状態を保持している。
ベニクラゲは死なない。しかし進化しない。死は生命の必然ではない。
老化も必然ではない。アホウドリやネズミの一種は老いず突然死ぬ。進化の過程で老化を選んだ。人間の老化のスピードは早い。
タンパク質は多くはオートファジーでできたアミノ酸を再利用して作られる。一日に240gのたんぱく質をつくる。
オートファジーの役割
飢餓状態になったときの栄養素
細胞の新陳代謝=スクラップ&ビルド。エントロピーの増大に抵抗する。
細胞内の有害物を除去する=病原体を一緒に殺す
ポリオウイルスはオートファジーの仕組みをつかって増える。=病原体も進化している。人類も進化している。
神経細胞は一生もの。オートファジーの仕組みを使ってアルツハイマーを治せないか。
オートファジーは高齢になると働かなくなる。
脂っこいものを食べると肝臓のルビコンが増えてオーt-ファジーが働かなくなり、脂肪肝になる。
因果関係と相関関係の違い。因果関係を調べるには多数の実験が必要。
寿命を延ばす方法=オートファジーの活性化=ルビコンの増加を抑える。
カロリー制限。
インスリンを働かせない。
TORシグナルの抑制=たんぱく質の合成を抑える。
生殖細胞の除去=宦官は長生きだった
ミトコンドリアの抑制=細胞のエネルギー源。
オートファジーの活性化は、神経変性(アルツハイマーなど)を抑える。
がんになったら、オートファジーを抑えたほうがいい
納豆やキノコは、オートファジーを活性化させる。
夜は赤ワインとチーズ。
食事をとらないとオートファジーは活性化する=飢餓から守るため。食後4時間。一食空ける。朝食を遅めに、火を抜く。食事の前に空腹を感じる。
高脂肪食を避ける。
腹八分目で運動する。
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生命科学者の吉森保さんが最新の生命科学について解説した一冊。膨大な情報溢れる現代社会において、自分が行動する上で正しい判断基準を養う科学的思考から、細胞の基礎知識、病気の仕組みまでが詳しく解説される(これが理科の教科書だったら理科好きになること請け合いの内容)。最後の方で著者が専門としているオートファジー(細胞の中の恒常性を保つ)のしくみから、活性化方法まで現在の研究で判明している内容がわかりやすく説明される。他のオートファジー本には書かれていない内容もいくつかあり面白かった。
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細胞生物学で専門の大阪大学教授でオートファジー研究の第一人者である著者が、細胞の基礎から最先端のオートファジー研究の内容まで、「現代人にとって必須の教養」といえる生命科学をわかりやすく解説。また、科学的思考を身につけるということも本書の目的とされている。
数式や専門用語を使わず、「そもそも」というところから説き起こしてくれているので、生命科学についてとても理解が深まった。また、著者の専門であるオートファジーについても勉強になった。そして、腹八分目で適度な運動をするようにするなど、かなり実践的な寿命を延ばすための方法が解説されていて、長生きしたい自分にとって非常に参考になった。
もう少し欲を言うなら、「細胞はひとつひとつが生きている」の「生きている」とはどういうことなのかなど、わかりやすく書いてあるからこそ逆にわかりにくい部分もちょこちょこあったので、そこらへんをもっと掘り下げて説明してほしかった。