新宿歌舞伎町ラブホ女子会顛末、鳥子を心配し訪れた上智大学にて、裏世界探検中にマヨイガに辿り着いての束の間交流顛末、八尺様との再対峙と謎少女との邂逅&生還&保護顛末…と濃密な4話収録の満腹感十二分な一冊
2024/07/02 14:59
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投稿者:♂猫Junn-Junn - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録内容は…
ファイル16「ポンティアナック・ホテル」
ファイル17「斜め鏡に過去を視る」
ファイル18「マヨイガにふたりきり」
ファイル19「八尺様リバイバル」
の4つで、
先ずは前巻収録のファイル15「裏世界夜行」内での、
クリスマスに裏世界で夜を明かす体験中に廃墟ラブホ内で交した口約束、
ちゃんとしたラブホ女子会をやろう…という件…で、
年明け正月明けに、鳥子と2人きりは気まずいので、女子5人で開催する形にした、
新宿歌舞伎町近辺でのラブホ女子会…
での不可思議な顛末が描かれた「ポンティアナック・ホテル」。
少しずつ全貌が明かされていき、その後…
という読者の興味を惹き付け読ませる物語構成の手法が、上手いな、と思ったり…更には、
そのメイン内容の後に、+α要素で、潤巳るなのその後、にも言及がされていて…独特の余韻で、
締め括っていたな、と。
余談で、吸血幽霊ポンティアナックとは別に、
作中で言及されていたインドネシアのバリ島の獅子舞って、バロンとかいう聖獣の事かな…
と読み終わって暫くしてから、ふと思ったり…してたら、次のファイル17内でソレも言及されていた件。
で、その「斜め鏡に過去を視る」では、冒頭部分の描写で、
「中央線四ツ谷駅を降りてすぐの場所にある大学」…つまり鳥子は上智大学の学生って事なんだな、
と、へぇ、と思ったり。
で、偶然か必然か、中間領域に1人入ってしまった空魚が、
鳥子視点で自分がどう見えているのか、その想い、好意、愛の大きさを痛感し、
へたれて逃げずにちゃんと鳥子の想いに向き合いたい、と心が動いた、そういうエピソードだったんだな、
と。
「マヨイガにふたりきり」は、
空魚と鳥子が裏世界側で自分達以外の生身の人間と何らかの交流をするのは、
「きさらぎ駅米軍救出作戦」でのドタバタ以来になるので、そういう意味でも印象深く、かつ、
最後は表世界に戻ってからの空魚視点で、
独特の余韻を持たせ、色々と読者が想像を膨らませられる形で、締め括っていたな、と。
「八尺様リバイバル」は今巻の表題話で…とりあえず、
以前読んだ…肋戸と遭遇・暫し行動を共にした「八尺様サバイバル」を(漫画版で)ざっと読み返してから、
今回のリバイバルの方を再度冒頭から読み直して…
…おぉ、こんな展開になっちゃうとはな…みたいな…謎が謎を呼びつつも謎は謎のまま終わり…でも、
ソレとは別?な謎少女との出逢いもあって、次巻以降で、
空魚や鳥子や小桜と、どう関わってくるのかも、楽しみの1つに、なるのかもね…。
…何だかんだ、収録された4エピソードはどれも濃密内容で、読み応えがあり、
満腹感は十二分にあったし、今回は、次の巻も一緒に購入したので、引続き読み進めるのが楽しみです。
わたし、きれい?
2023/03/18 15:18
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投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさか本当にラブホ女子会(笑)が決行されるとは…(笑)。
とはいえ、その後日談のオチが地味に今まででいちばんゾッとした昭和世代(笑)。
そのオチを含め、今回はネットロア以前のフォークロアまで素材を広げて「裏世界」に時間の広がりを感じさせている。
ともあれ、百合的にはすっかり両想いモードののろけ巻?
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今回の話はバリエーション豊かで、短編集っぽさが強く出ていたように思う。
裏世界に侵入したとき、或いはそれに属するものと邂逅したときの、ひりつくような緊張感は健在で、ホラーをあまり嗜まない身としても(或いはだからこそ)十分に楽しめた。
SF的なアプローチで裏世界の事象を解き明かす面白さは、今回は少し抑えめな気がする。二人の関係性も前回大きく進展した分、これまでのように、最後に解像度が一段階高まって終わるという感じでもなく、終わり方としては少し弱いように感じた。二編目以外は、正直今後回収される要素が多いように感じて、しこりのようなものが残ったので、星4をつけた。
とはいえ、決してつまらなかった訳ではない。鳥子の気持ちに確信を抱きながらも、踏み込む決断ができない空魚は焦れったいが、そういう葛藤をこそ読みたかった。追い打ちをかけるように、本作らしい手法で、鳥子の自分に対する感情の大きさに気づかされるのも良かった。勿論、気味が悪いながらも、どこか心惹かれる裏世界の情景描写は良かったばかりか、ますます磨きがかかっているように思えた。
余談だが、前回くらいから、古い怪談に起源を持つモチーフが取り込まれているのは、なにか意図があるのだろうか。
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今回も面白かった。
相変わらずのフォークロア系ライトホラー百合。
ふたりの関係がじれったいくらいに少しずつ進んでいる、というか鳥子のほうはもう覚悟しているのだが紙魚のほうがもだもだしていて結果鳥子に怒られたりしている話。
紙魚は生い立ちもなんかありそうで自分の感情にも他人の感情にも疎いところがあって、そこがじれったいのだけれど紙魚の代わりに鳥子が怒ったり泣いたり色々してくれたお陰で紙魚もちょっと感情豊かになってきたなという印象。もうなくてはならない相棒だなあと思う。
「わけのわからないもの」が一番怖いものだと思うので、今回もいい感じだった。
登場人物も増えた(?)し、前の巻で引っ掻き回してくれた美少女も目覚めたことだし、次の巻で少しメインストーリー的な話が動くかなといった感じ。
今後も楽しみ。
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怖い話というよりは二人の関係性に絡んだ成分が多め。
アニメ化のタイミングで過去の回想的なものだったり、表題の「八尺様リバイバル」のような初期のエピソードの続きがあったりで良かった。
四ツ谷の駅チカ大学、いったい何智大学なんだ…
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一気読み。リバイバルしてくるだけあって、出てくる怪奇の中で八尺様がいちばん怖い。気持ちよくして乗っ取るってタチ悪いわー
マヨイガの話、好き。このシリーズは女性がカッコいいのがいいなって思う。
知らない間に6巻が出てたらしいから明日買ってこようっと。
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鳥子の空魚への愛情が止まらない一方で、裏世界も空魚にちょっかいをかけているようだ。ラブホ女子会で空魚をはじめ、鳥子や桜子など5人が獅子舞の前で裸踊りをしたなんて、裏世界が関係しているとはいえ、おもしろすぎるだろ。「マヨイガ」の話は恐怖とほっこり感とともに、「よくよく考えたら怖いやつやん! 」 と後でじわじわと恐怖がやってくる。
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続きが気になるところで終わってしまった
マヨイガ知らなかったけど、いいなぁ 怖いような素敵なような不思議な話だった
遠野物語読みたいと思っていたけど読みやすい新訳とかあるのかな
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んー、4巻あたりから百合方向に行っちゃってるのが気掛かり。空魚も戸惑ってるけど、私も戸惑ってます(笑)
冒険でドキドキさせて欲しいです!
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ラブホ女子会にチャレンジするコミュ障主人公が楽しめる5巻である。
箸休めのような一章だが、冒頭から飛ばしていて、大変楽しい巻になっている。
章立ては以下の通りだ。
ファイル16 ポンティアナック・ホテル
ファイル17 斜め鏡に過去を視る
ファイル18 マヨイガにふたりきり
ファイル19 八尺様リバイバル
ネットロアという路線からはだいぶズレてきているが、怪異は全般に充実してもいる。
東南アジア圏の怪異(ポンティアナック)や遠野物語に収録された古典的怪異(マヨイガ)などが描かれている巻である。
一冊として見ると、非常にバランスの良い巻である。
後半にはピクニック要素も強く、裏世界を十分に満喫できる内容になっている。
マヨイガに住む外館とハナ、八尺様に取り込まれた先で見つけた少女など、出会った相手が多いのも特徴的である。
中でも外館の伝授で「裏世界に生息する動物の見つけ方」を知ったのは、世界観設計的にも面白いところだ。
荒涼した架空世界ではなく、そこには息づく生命もいるのだというのは、また裏世界を知るうえで一つ大きなファクターになりそうだ。
一方で前半部は二人(空魚&鳥子)の関係に大きくメスを入れる内容が描かれている。
この巻は4巻と合わせて前後編のような、ワンセットのニュアンスがあるかもしれない。
このワンセットによって百合SFとしての体裁は整えられたと見ていいだろう。
少し先走れば、次巻(6巻)で劇場版形式が採られたのも、ここで一つひと段落したからもあったのだろうと思われるところだ。
というわけで、バランス良く楽しませていただいた一冊だった。
本領というべき「裏世界ピクニック」も充実していて、文句なしに星五つで評価したい巻である。
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シリーズ第5弾!
今作はラブホ女子会から!
女の子5人でラブホへ行って、やはりそこでも不可思議現象
獅子舞もどきが現れて、無意識裸で踊ってしまう
怖い云々よりも、覚醒した後の羞恥心が大変そう…
あと、ラブホ女子会色々食べててちょっと楽しそうに…思ったり笑
続いてが、中間領域と言うなの鏡の世界へ
つんつんな鳥子ちゃんに翻弄される空魚ちゃん
そんな中空魚ちゃんだけ中間領域へ〜
表世界との繋がりは、窓越し、そして鏡越しに映る鳥子ちゃん
そして不思議源現象を通して鳥子ちゃんから見た空魚ちゃん自身を知る
人から見た自分自身ってだいぶ恥ずかしい気がする
続いては不思議なお家、マヨイガ
突如現れた立派な家は、めちゃくちゃ豪華
そこに住む婦人と犬
普通に良いな、この家…って思ってしまう怖い怖い
恐怖の合間のホンワカな時間の物語
最後は初期に出会った八尺様
初期よりもボロボロで、ボロボロだからこそ絶対見た目は恐ろしいだろう
過去に出会った男性と、その奥様を名乗る女性
女性は本物か、それとも偽物か……
そして裏世界で出会った少女は次の巻で出るだろうか?楽しみ〜!
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SF。ファンタジー。連作短編集。シリーズ5作目。
シリーズを追うごとに、百合ラブコメ感が強くなってきているような…。
個人的には、SF要素、ホラー要素が弱く感じて、やや不満。
ファイル18「マヨイガにふたりきり」での、裏世界の環境に関する考察はかなり好き。たまには、真面目にSFしてくれても良いかも。
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百合化進行。
シリーズ化進む中でやむを得ないんだろう。
それにしても、相手型の視点から自分への気持ちを見るのは、反則級だとは思う。
語り部の女性の位置付けが、ギリギリバランス保ってる感じなのか。
テーマがずいぶん薄まって来た気がする。だから、シリーズものは苦手だ。少年ジャンプの人気漫画じゃあるまいし。あくたれジャイアンツかよ。
さ、次行くぞー。
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第5巻。とても人間味があったというか、人の感情や愛情が描かれていることが多く、なんだかほっとした。とは言え、不可解な裏世界については今までにない事象や出来事が出てきて、恐怖だけではない干渉が物語を膨らませる。空魚が大好きな鳥子の気持ちとその気持ちの受け入れ方に戸惑う空魚。そのお互いの気持ちや感情を、鏡を通して認識する中間領域を描いた「斜め鏡に過去を視る」はとても良かった。第4巻で依存か?と感じた気持ちは薄れた。
「ポンティアナック・ホテル」
前回の裏世界探索の時に約束をしたラブホ女子会をすることになる。2人で行いたい鳥子に気後れする空魚は、小桜、茜里、夏妃を誘い5人で行うのだが、途中からの記憶がない。
「斜め鏡に過去を視る」
ラブホ女子会後に鳥子と連絡が取れない空魚は、鳥子の大学に行ってみる。鳥子は意図せず左手で空魚に触れてしまい、空魚だけが中間領域に入ってしまう。空魚の側だけからガラスに映る鳥子を認識でき、鏡からの脱出を試みる。
「マヨイガにふたりきり」
AP-1に乗り裏世界を探索する空魚と鳥子は、今までに来たことがない尾根道を進む。その先に見慣れない建物があり、そこは立派な庭園のある屋敷だった。
「八尺様リバイバル」
以前に裏世界で出会った肋戸の妻と名乗る者から夫の捜索依頼をされる。肋戸は行方不明になった妻を探すうちに裏世界に来たと言っていたが、果たしてこの妻の言うことは本当なのか?
「マヨイガ~」のタイトルにあるふたりきりは空魚と鳥子ではないふたりだった。今までとは趣が違う裏世界のことが描かれていたり、潤巳るなの回復が少し伝えられたりと、まだまだこの先が気になることが出てきている。次はシリーズ初の長編のようなのでちょっと楽しみだ。
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「ポンティアナック・ホテル」
忘れておくべきこと。
飲まないとやっていけない状態だったのだろうが、ここまで醜態を見てしまったら何も言えないな。
「斜め鏡に過去を視る」
狭間で知ったことは。
相手の想いなんて言葉にされないと気付かないとはいえ、ここまで大切にされてたのは予想外だろ。
「マヨイガにふたりきり」
立派な家に住んでた。
余程現世で退屈していたうえに、怖い目にあっていないからこそ暮らすという選択がでたのだろう。
「八尺様リバイバル」
助けなきゃと動いた。
違う目的でやってきたというのに、予想外過ぎるものを見つけてしまったからこそ混乱したのだろ。