0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台がパリなのでおしゃれな感じですが、拾ったバッグに入っていた飴を食べたり、手帳を読んで妄想するところが気持ち悪いと言えなくもないような感じでした。こんなにバッグに色々入れるか?とも思いますが、いかにも大人の為のお話といった雰囲気は悪くなかったです。
投稿元:
レビューを見る
パリの書店主であるローランは、高校生の娘がいるがバツイチ。娘は母親とその新しいパートナーと暮らしている。ある朝、道端で紫のハンドバッグを見つける。持ち主の手がかりはないかと中を探ると、赤いモレスキンの手帳とパトリック・モディアノのサイン本などが入っていたが、財布や名前がわかるものはなかった。手帳に書き留められた言葉、モディアノの読者であることなどにシンパシーを感じ、持ち主探しを始める。
わずかな手がかりからパリ中を探し回り、付き合っていた女性からは新しい彼女ができたと思われて別れる。唯一、共感し背中を押してくれたのは娘だった。
バックを強盗に盗まれたとき意識を失い病院に運ばれていた持ち主の女性と、ローランの両側から描く。あまり大きく扱われていないようではあるが、高校生の娘の存在が良かった。「ミッテランの帽子」に続いて、フランスらしいステキなストーリー。映画化の話もあるとか、小粋なフランス映画になりそう。
投稿元:
レビューを見る
すごく面白かった。そして素敵な物語。パリの街並みを背景にした映像が目に浮かぶようだ。
強盗に奪われ、捨てられていたロールのハンドバックを、ローランが拾うところから物語は始まる。
自力で持ち主を探して返すことを試みるローランが、あわや暴走してしまうようで、読みながら少しひいてしまって、「あれ?これってミステリーだっけ?」と思わず錯覚してしまうほど背筋がゾッとした一瞬もあった。
それでも、読みながら、ローランと一緒にちゃんと夢中になれる。
これほど常識的ではない行動をとっているのにもかかわらず、まともな人間として描かれているのがすごく気に入っている。時折叫び出したりすることもないし、汚い言葉で罵ることもない。気味の悪いこともしない。きちんと「ジェントルマン」である。読んでいるうちにパリが大好きになるようなそんな作品だった。
これを読む前に「ミッテランの帽子」を読んだのだけれど、この「赤いモレスキン女」を読んで、さらに作者のアントワーヌローランが好きになった。
さり気ない洒落がところかしこに散りばめられていて、(当然私は解説を読んでからでないと気が付けないのだけれど)とても素晴らしい。フランスは文学に関してもレベルの高い国なのだなぁと感心してしまった。
吉田洋之さんの訳とあとがきも良かった。
投稿元:
レビューを見る
翻訳モノは独特の言い回しが苦手で、今まであまり手に取らなかったのですが、この本は新刊コーナーでなぜか表紙の装幀に目がとまりました。
読了してみて…
とても読了感が良かったです。
奇想天外な事は何も起こりませんが、どうやって二人が繋がっていくのか先が気になってどんどん読めちゃいます。「パリを舞台にした洒脱な大人のおとぎ話」とありますが、まさにそれです。
ローランの書店、行ってみたいな~。
それと、クロエ、よくやった!
投稿元:
レビューを見る
本年度ベスト級の作品・翻訳本編。お気に入りのハンドバッグを引ったくりされた女性と、捨てられていたそのバッグを拾い警察に届けに行く書店主。パリの街を舞台に、なんの関係もない2人の運命が交錯していく。彼のあまりにも大胆な行動に思わず「おい!」と声を出してしまったのは、日本人的な感性のなせる業か。フランス人はこんなこと気にしないのか(いや、するだろ?)。まあ、リアルではないとしても、心情的には許せてしまう。大人向けだがちょっと甘めなラブストーリーだった。
投稿元:
レビューを見る
おしゃれ、おしゃれ、おしゃれ!私も赤いモレスキンの手帳を買って、モディアノの本を持ち歩いて、猫を飼う!もちろん、ひとり暮らしで。パリで。手に職をもって。強盗にあうのも、昏睡状態になるのも怖いけど、不器用とか遠回りとか、大人の、とかいう形容詞が似合う、素敵な言葉を紡ぐ書店主との出会いがあるのならいいじゃないの!…って思っちゃう。は〜・・小説って楽しい。読書人生において、何冊かに一冊は、心地よくさせてくれるこんな小説に出会いたいもんだ。やっぱり小説が好きだ。
読書が生活に染みわたっているー 訳者あとがきもとても良かった。これぞ信頼のつながりだ。
投稿元:
レビューを見る
表紙がオシャレで手に取りました。独特な言い回しで読み進めるのが少々大変でしたが、ひとつひとつの細かい情景や仕草が至るところで想像できました。
投稿元:
レビューを見る
読売新聞の書評欄で女優の南沢奈央が「極上の大人の恋物語」と書いていた本です。子供の頃から気になる女の人が読んでいる本は気になって気になってしょうがない性向なので普段だったら手に取らないこの本もつい。(こう、書いていて山口百恵が無人島に一冊持っていく本は?というインタビューに「夏服を着た女たち」を語っていて、それが自分の初アーウィン・ショーだったとこと思い出しました…)アントワーヌ・ローランという著者も初めてです。最後のページに掲げられてた著者近影は本書の登場人物のような知的な優男。同名の「質量保存の法則」のアントワーヌ・ローラン・ラヴォアジエは化学の時間にお世話になりましたが、全く違うタイプ…?ワインの極上がわからないのと同じように、この物語が極上かどうかわかりませんが、装丁、紙の質感、文章の区切れ、そして物語そのものに魅了されました。ゴクゴク一気読み。恋、とは人にするもの、なのでしょうが、その人の持つモノから始まる恋、という設定もコロナで買物が電子画面の上にしかないこの状況下で、この物語が自分に沁み入る理由かもせれません。サッシャ・ギトリの言葉として引用される「誰かの寝姿を見ることは、自分宛てではない手紙を読むのと同じ」という悪趣味ぎりぎりを意識的に攻めているのも濃厚な味わいの要素ですかね。タブッキ、モディアノ、ソフィ・カル…この物語で出会った芸術家の作品も、いつかどこかで。
投稿元:
レビューを見る
パリの情景がありありと映し出され、この世界にもっと浸っていたかった、、、、
けど、なぜホテルはロールの状況を知っていたのに部屋を貸したのだろう?日本だったらまず警察と救急車呼ぶと思うなあ。ラフランスではまた事情が違うのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
まるで映画のような素敵な小説だった。
そして苦手な海外小説が、なぜかスラスラ読めた。
(何が苦手って、登場人物の名前が覚えられなくて、男性か女性かもわからなくなっちゃうから、話が理解出来なくて挫折する)
アメリに似てるな、と思った。
パリは3回行ったので、街の情景が浮かんで、まるで自分もそこにいるかのように感じた。
いつか4回目のパリに行く✈️
投稿元:
レビューを見る
素敵な話なのだろうけど、これはフランスだから許される事なの?
落ちていたカバンを警察に届けず(一度は届けたけど)中身を見る。しかも家の中まで侵入(彼女の友達に入れてもらったのだけど…)。ちょっとストーカーっぽいよな。
それでも女性は怖がる事もなく、カバンの中から自分を探し出してくれた事を、少しロマンティックに感じている。フランスだから?
でもやっぱり私が心惹かれるのは、紫色のハンドバッグから赤いモレスキンの手帳、作家のサイン入りの愛読書、ヒエログリフのキーホルダーなどが出てくる。持っているモノから想像する女性は、やはり素敵なのだ。
日本では完全にアウトかもしれないが、フランスというお国柄か素敵にさせてしまうのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
タイトルや表紙に惹かれて読んだ。
本や、ノートがすきなわたし。
海外文学は、名前が覚えられなくて苦手で
あまり手にとらないが、裏表紙の皆さんの感想や
大人のためのおとぎ話 というワードが素敵。
あったことも、話したこともない人に
こんなにも惹かれるものなのかと夢中になった。
ロールのカバンの中身や赤いモレスキンのノートには
彼女の隠すことのないありのままが書かれていた。
秘密を覗き込むようなドキドキ感。
自分の中で形作られていく人物像。
本が好きなローランだからこその想像力も楽しめた。
だんだん現実のロールに近づいていくにつれて、
ローランのしていることに対し、アブナイと思ったが、
引き際が絶妙であり、だからこそ許されたのかなと思った。
ロマンチックであり、非現実的であり、
大人のおとぎ話にぴったりのお話であった。
所々海外文学を引用し物語を深めているようだったが
わたしは海外文学に造詣が浅く、理解できずに残念。
忌避せずに、これからは海外文学を手に取りたい。
最後に、訳者の吉田洋之さんのあとがきは
とても深みがあり、それだけで物語になるのではないか、と思うくらいで、とても素晴らしかった。
憧れの地フランスの1つのロマンスに乾杯!
投稿元:
レビューを見る
大人のおとぎばなし、という表現に惹かれて読んだ。
おとぎばなしというとファンタジー?と思っていたけど、そんなイメージでは全然なかったかな、物騒な話も出てくるし。ただそんなパリの街で落とし物の中身に恋をして追いかけるなんて、普通に怪しい人扱いされ嫌われるのでは、、とひやひやしたけど、ローランのちょっと入り込みすぎたなと反省して身を引く距離感とか、猫や娘の存在も手伝って、最後はほっこりできたお話。登場人物がみんな素敵。まあ私はカバンや手帳を見られるのは絶対嫌だけど、人に見られても素敵というのはさすがパリのマドモワゼル!
仕事でたまに会うフランス人の4〜50代の女性がいるんだけど、いつも少女みたいに可愛らしくてお洒落なのを思い出した。ブラウスに、膝下の黒いフレアスカート、白いレペット履いて、スカーフ巻いてるんです。
投稿元:
レビューを見る
ひょんな事から入手したバッグの中の赤いモレスキン。持ち主を限定される物は一切ない中、書店主は想像力を駆使して彼女を見つける。ネタバレになるので後は省略するが、赤いノート、黒猫、パリのカフェなどモノクロの街に色を重ねて行く様な読後感に久々にしっとりとした気持ちになった。冒頭のシーンは恐怖を覚えるが繰り返して読みたい一冊。
投稿元:
レビューを見る
赤いモレスキンのノートが入ったハンドバッグを
盗まれたロールと、それを拾ったローランの
恋物語。
フランスの小説で、
すごくおしゃれな美しい物語。
海外の物語なので仕方ないかもしれないが、
会話に『』がないので、
誰の発言か非常に分かりにくかった。笑
ストーリー自体は難しくない。