月経と犯罪
著者 田中ひかる 著
「女は生理の時、カッとして頭にきて何をするのかわからない」――。女性は生理があるから罪を犯す、と信じられていた時代があった。その言葉の根拠を確かめ、信じられてきた理由を歴...
月経と犯罪
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商品説明
「女は生理の時、カッとして頭にきて何をするのかわからない」――。女性は生理があるから罪を犯す、と信じられていた時代があった。その言葉の根拠を確かめ、信じられてきた理由を歴史的資料からひもとく。
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つくられた「女性像」に気付く
2021/11/17 17:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
そういえば、女性のイライラは、すぐにヒステリーや生理と結びつけられて来たなと思う。
本書で著者が「つい最近まで日本では、女性が精神に変調を来しやすいのは「月経中」と信じられ、犯罪も「月経中」に多いとされてきた」ということにはうなずける。
そういう言説にあふれていたから。
でも実際にイライラしたり、不調になったりするのは、月経前。今では女性自身もPMSへの理解や認識が深まり、そんな言説に触れると首をかしげるだろう。
本書は、月経とヒステリーを結びつけて語られてきた過去を、実際の文献や記録、報道などから丁寧にたどり、ゆがめられた歴史を解きほぐしている。
あらためてステレオタイプな言説が、女性蔑視的なジェンダー観をつくり出し、強固なものになっていく過程を目の当たりにし、どんよりした気分になる。
女性自身も、そうした言説を疑わなかったりそんなもんだと思い込んだりして面もあるだろう。
論考であり、決して読みやすい本ではないが、これまでにない側面からジェンダーを考える良書だと思う。