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鹿乃江さんの左手
「この学校には魔女が棲んでいて、どんな願いごとも一つだけ叶えてくれる」という噂。 絵空事と思っていた生徒の前に、ある日魔女を名乗る女性が現れて……。(「からくさ萌ゆる」よ...
鹿乃江さんの左手
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鹿乃江さんの左手 (ポプラ文庫)
商品説明
「この学校には魔女が棲んでいて、どんな願いごとも一つだけ叶えてくれる」という噂。 絵空事と思っていた生徒の前に、ある日魔女を名乗る女性が現れて……。(「からくさ萌ゆる」より) ある女子校で起こる“不思議で残酷な出来事”を描く3つの連作短編集。
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百合チックだけど男性でも読める爽やかさ
2018/10/05 11:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
百合系の物語…と聞いていたので、購入したはいいものの、何度も指をかけながらも躊躇っていた作品。別に百合系がニガテというわけではないのですが、露骨なものだったらイヤだなと…。
約3年の時を経て、ようやく読んでみたら…思ったほど露骨じゃない。むしろ爽やかな後味さえ感じました。(純粋な学園モノ、友情モノと思って読み始めた人には少し戸惑いを感じるかもしれませんが…)。
1つの短編を除き、ほぼしっかりとした青春小説ですし、百合のような物語もエロティックな表現はなく、男性でも百合初心者安心して読み進めることができます。
書名の「左手」と、装丁に描かれた天井から伸びる左手の描写で、少しホラーのような怖さも感じる人もいるかもしれませんが、その怖さも作品を読んでいくうちに一つの味と変わっていきます。
なにより、登場人物の心の揺れ動きが繊細に描かれているのがいい!
魔女が「願い」を良い方に導くのか、悪い方に導くのか…それがわからないところが、『アウターゾーン』などのハラハラ感も与えてくれます。
『君の嘘と優しい死神』でもそうでしたが、青谷さんの作品は登場人物の心のひだを描くのがとても上手だと思います。