案ずるより乗るが易し
2021/12/31 22:00
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投稿者:bs - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふとしたきっかけで折りたたみ自転車を手にする事になった作者が、その折りたたみ自転車と共に様々な所を旅するというコミックエッセイ。最初は近所のベーカリー巡りから、次に輪行(折りたたみ自転車を列車に積み込んで持ち運び、旅先で組み立てて走る)と徐々にステップアップしていき、写真を交えつつ、原色鮮やかでかわいらしいイラストと共に旅の様子を紹介してくれる。
その行先の中で特に目を引いたのが、東京都北区の十条・赤羽、そこからちょっと足を伸ばした所にある荒川河川敷で、かつて自分が一人暮らししていた赤羽周辺が二つも紹介されているというのはとても嬉しく、他の人から見るとこんなに魅力的な所だったんだと再認識させられた。
各章の最後には、実際に自転車で走行したルートを示した地図と、どんな服装で行ったか、カバンの中にどんな物を入れて持って行ったかというのが記されており、自分も行ってみようという読者への配慮がなされている。自分の場合は割と着の身着のまま、カバンの中に『マックスマップル 全日本道路地図』を放り込み、カメラは旅先で写ルンですを現地調達(まだスマホはおろかデジカメすら無い時代)という感じだったので、持って行くものをこれだけきちんと揃えているというのは、作者は女性なのでその辺りの気遣いがあるとは言え、何だか新鮮に感じられた。
章間には折りたたみ自転車の基礎知識や、具体的な輪行の方法等が紹介されているが、実際に必要な知識のうち、ここで挙げられているものは感覚的に半分位だろうか(補足するならば、自転車を持ち運ぶ際、ペダルの位置が悪いと足に当たって歩きにくいので、袋の中でぐるっと回してペダルが当たらないように調整しておくと良いとか)。自転車を運ぶ時の重さには慣れるしかないというのは同意だが、試しに10kgの米袋を紐を使って肩にかけてみて、どれ位重いのか感覚をつかんでおくと良いと思う。あくまで初心者向けに書かれた本であり、あまり多くの事を書き過ぎると、かえって読者を混乱させるだけなので、この方向性は悪くはないと思う。ここに書かれている事を足掛かりにして、もう半分は自分自身で経験として積み上げていこう。
最後の章は、言わずと知れたサイクリストの聖地、瀬戸内しまなみ海道なのだが、通常は広島県尾道市から渡り始める所を、作者は反対側の愛媛県今治市から渡り始めており、自分も最初に走った時は今治側からだったので、前述の赤羽周辺の事といい、お前は俺か!と叫ばずにはいられなかった。自分がしまなみ海道を走ったのはもう20年以上も前、前述の通りスマホが無い時代で割とぶっつけ本番の旅だったのに対し、作者は事前に行きたい店をチェックした上で、効率よく回れるルートを構築したりと、旅先での行動プランを綿密に立てており、GPSのおかげで目的地が分かりやすくなった事も含め、スマホがあるだけでこんなにも旅の様相が変わるものなのかと、時代の変化を感じさせられた。
一方で変わらないものもある。今治市の旭方バス停近くの公民館の所で休憩を取っていた所、そこに集まっていた婦人の皆さんから、つきたての草餅を分けてもらった事がある。それが忘れられない思い出になりそうな気がして、皆さんの写真を撮らせてもらい、今もまだその時の写真が手元に残っている。作中の作者が出会った人たちの優しさが羨ましいなあと思う一方、自分だってこんな素敵な出会いがあったんだぞと、作者に自慢したくもなる。旅の楽しさや思い出は、いつの時代も人それぞれ、千差万別。この本を手に取った貴方も、ページの続きを書き加えてくれる存在になってくれる事を願う。
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投稿者:kuzira - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、車では行きづらいお店等が増え、
歩いていくには距離があり、自転車もいいなと思い、購入。
折り畳み自転車がある生活って、どうなのかわかりよかった。
しまなみ海道を自転車で旅をするのはとても楽しそう。
持ち物等も書いてあり、参考になった。
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定期的にチャリンコでどっか行きたくなる欲。目的地ももちろん楽しいけど、そこに行くまでも楽しめる人でありたいよね~~絵も可愛くてフルカラーで、情報もみっちり!読み応えありです。
輪行に興味出てきたけど私の折り畳み自転車は見てくれで選んだので17㎏もありました!笑 要検討です!
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あまりにもイラストが美しくかわいいので紙版を購入。
内容も盛りだくさん。一気に読むのではなく、少しずつ理解を深める用と思っている。主人公がおしゃれでかわいい。
漫画『おりたたぶ』と読むと「あの自転車だ」と思えるのでより楽しい。おりたたみって表記は、ひらがなが多いのはなぜ?
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絵が上手い。わかりやすい。作者は自転車歴10年以上らしいが、初めておりたたみ自転車を買ったときのエピソードも読みたかった。
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こんな丁寧に作られた本は見たことない。
自転車持ってるけど、折り畳みをネット検索するほどに魅力的に描いてくれています。
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いわゆるコミックエッセイです。
おりたたみ自転車を買おうかな、と思い読んで
みました。
最近の漫画は写真を加工して、それを漫画のよ
うに表現しているので、画力は問わないのだな
と思います。あとは中身です。
特にコミックエッセイというジャンルは増えて
いるようで、○○をやってみようかな、と迷っ
ている時に背中を押してくるこういう本はアリ
だな、と思いました。
本書での主人公が自転車を乗り始めた理由は、
「最近、学業や仕事に追われるあまり、自分
を見失う人が多いと感じる」「自分らしく生
きてこその人生なのに、人間はなんて愚かな
のだろう」というペットの犬の言葉が刺さった
ことによります。
疲れを感じる人こそ読むべき一冊です。
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2021/10/31
単純な私のことだから自転車欲しくなるかな?と思ったけどそうでもなかった。
折りたたんで持って歩くのがイヤすぎる。
荷物もつのが嫌いだから買い物も嫌いなんです。
まずポイポイカプセルが欲しい。
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この本に出会って、輪行をしてみたくなった。
折りたたみ自転車の魅力だけでなく、利用者として気をつける点なども含めて描かれているのも良かった。サクッと読めるのに、何度も読み返したくなる作品。続編が楽しみです!
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タイトルだけで読んでしまった。折りたたみ自転車に興味があったので。
これは輪行(鉄道+自転車)の本でした。私は輪行はしませんが、関東の郊外では、休日に駅で自転車をたたんでいる人や自転車らしき荷物を持ち込んでいる人を見かけるし、自転車好きが(見てそれとわかる格好で)サイクリングしている様子はよく見かけるので、輪行自体はそんなに珍しいことではないと思います。
この本での行き先は①井の頭恩賜公園②荒川河川敷③蔵前④赤羽⑤四万温泉⑥しまなみ海道です。
①は折りたたみ自転車を買ったきっかけと初めての輪行の様子だからいいとして、③④は輪行してまで行きたいところではなく、特に③で著者が描きたかったのは輪行ではなくオーダーインクの方ですね。
自転車の手入れ方法の詳細はあまり書かれておらず、おすすめ自転車もざっと書かれている程度で、初心者向けだと思いますが、初心者レベルで⑤⑥はハードルが高いですね。⑤は脚力に自信がある人向け、⑥は旅の移動手段として自転車を使うのか、少しだけサイクリングを楽しむのかでかなり違うと思います。
いろいろ描きたいものがあるのでしょうが、読者層としてどのあたりをターゲットにした本なのかよくわかりません。輪行向けのおすすめの場所やコースの紹介は特にありませんし、全体的に情報不足で、著者が描きたいことを描いただけ。
自転車を車に乗せて運び移動先で乗るなど、輪行以外の使い方は全く触れられていませんでした。ブログ発祥とはいえ、本にするならそれなりの構成を考えて欲しいです。
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P23 靴選びで、かかとの可動域を挙げています(=アンクリング)。「アンクリング」=悪という認識だった私の考えが古かったみたいでした。
P24-25 自転車の左向きはウラにあたるので、あんまりやらないかと。
P42 操車場は貨物を組んだり、バラしたりする場所なので、たぶん違うかと。
P93 公式にヘルメット着用
P94 埼玉県川越市 旧山崎家別邸 というマイナーな場所に自転車で行ったのですが、地図を見たのに迷いました。
おわりに
はじめにと対になっていたというか、著者と入れ替わってました。
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ちょうど折りたたみ自転車を購入したところだったのでとても参考になりました。
Googleマップと照らし合わせたりしながら読んで、妄想が広がりとても楽しい時間になりました。
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★おりたたみ自転車を買ってから 週末が待ち遠しくなったんだよ!(p.187)
▶おしゃれに見えた人に憧れておりたたみ自転車をゲットしたさえちゃん。▶マシンはなんと! プロンプトン!!▶相棒の犬と一緒にあちこちに足を伸ばす。▶輪行もやる。▶そしてついには聖地しまなみ海道へ! ▶サイクリング入門書に良さそうです。ぼくの場合はメカ方面から入りましたが楽しさから入る本だと思いました。
■おりたたみ自転車についての簡単なメモ
【荒川河川敷】さえちゃんが最初に輪行した場所。ぼくも休みごとに主に淀川河川敷を走ります。大きな川の河川敷は道が広く道路を渡る必要がないところも多く自転車で走る基本ですね。
【井の頭恩賜公園】東京人でなくても名前くらいは知っている有名な公園。さえちゃんが最初に自転車で訪れた。ふだんは出勤の近道として使っている。
【インクスタンド】じぶんだけのオリジナルの万年筆インクを調合することができる。蔵前にあるらしい。国技館くらいしかイメージできないが。最近つけペン風のペンを買ったのですがそういうのがあればもっと楽しめそう。
【ウインドブレーカー】さえちゃんは下り坂用に持っていってたが自転車では気温の上下に敏感になるので小さくできるのを常に持参しとけば安心。
【おりたたみ自転車】個人的に小さい自転車は好きなもののおりたたみ機構は必要ないなあと思っていますがいま小さい自転車はかなりの確率でおりたたみ機構がついてます。そのほうがつくりやすかったりローコストだったりするのでしょうか? おりたたみ機構の部分にけっこう服がひっかかったりするんですよねえ。まあでも、おりたたみ機構を駆使したらそれまで以上に気軽に輪行できるのは確かですね。メカ好きの人だとバラして組み立てる過程が欲しいかもしれませんが。
【距離】さえちゃんの場合は一日三十キロがちょうどいいという感じだそうです。寄り道をいろいろ楽しみたいなら散歩気分でゆったり走れそう。その人の欲しいものに応じてそういう目安を立てておくのはいいですね。ぼくの場合やと車種はランドナーで一日八十キロ以下やとヒマをもてあましてしまう感じです。今でも休日のポタリングは午前中だけで六十キロというところでしょうか。観光したり温泉入ったり食べたりというのをあまりしないので。でもそういうのにイチイチひっかかりながら走るのもエエなあと最近思います。
【クミちゃん】さえちゃんの会社の後輩。オリジナルインクを作れる店を教えてくれた。
【コロッケ】美味しいですよね。ぼくも自転車走行中たまたま見つけることがあります。
【さえちゃん】犬のポタがそう呼んでいるのでここでもこの呼び方で統一します。たぶん著者自身のことなんだろうと思います。
【サンライズ】しまなみ海道に行くのにさえちゃんが利用した寝台特急。豪華ですねえ。ぼくが乗る機会はなさそう。
【四万温泉】輪行で行った。登りはあるが意外に快適だったらしい。
【しまなみ海道】自転車乗りの聖地になりました。一度は行ってみたいですがまだかなえてません。大阪なのでアプローチ距離が微妙でぼくにとっては自走したい��離ですがもうトシなんで体力的に無理そうやけど輪行するほどでもないなあとも思うし。尾道から行くか今治から行くか。大阪からやと鳴門を渡って四国を自走して今治まで、そして尾道からは輪行で帰るというのがいい感じでしょうか。四国は自転車で一周したことあるし。それから、自転車で走れるようにしといてくれると聖地になれたのにと思う橋が全国にはいくつかありますね。
【青春】《きっと 青春って 自分を変えたいと強く思う その気持ちのことなんだ》p.37
【プロンプトン】見たところさえちゃんの愛車はプロンプトンのようです。はっきり言って高級車です。その分小径自転車の中でも別格レベルの性能と評価を持つようです(触ったこともないです)。他におりたたみで有名なのはダホンでしょうか。ルノーの軽いヤツは店で持ち上げてみたことありますが羽のように軽い!! とビックリしました。これなら輪行もラクそうと。でも八キロ近くあるから本当は重い荷物となるでしょうけど。
【ヘルメット】長く乗ってたら必ず何回かはコケるものと思っておいたほうがよいです。そのとき頭を打ってもヘルメットが少しくらいならカバーしてくれます。ただ、一度衝撃を与えたら緩衝材がつぶれるらしく効果を失うらしいのでそのときは買い換える必要があるとか。いわば使い捨てですね。
【ポタ】相棒の犬。
【まとめサイト】アテにならない。
【輪行】自転車をバッグ等に入れて手荷物として電車等の公共交通機関で運び現地で走ること。日本では荷物料金を取られます(今はどうなってるか知りません。バッグにさえ入れとけばそのままいけたりして?)。バッグに入れて見えないようにするのはたぶん必須だと思います。ヨーロッパ等ではそのまま載せられる車両もあるのでうらやましい。すごく遠いところや途中をはしょりたいときにどうぞ。何度もやりました(というより輪行メインだった時期もありました)が軽いと言っても自転車は重いです。なるべくならやりたくないので百キロくらいなら自走して行くほうが気楽です。時間がなければしかたないですが。壊滅的な故障したときでも家に帰ることはできるのでその準備をしておけば心強くはあります。ともあれ、乗客の多い時間帯は(絶対に)避けたいところ。
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平日は仕事に追われ、休日は家事をするだけであった著者がおりたたみ自転車にひかれて、輪行しながらいろいろなところへ遊びにいく話。
小径のタイヤでダムにあがっていったり、しまなみ海道を走るのは大変そうだ。
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クロスバイクでの輪行は面倒くさいどころかそもそも最近乗ってない、でも自転車であちこち出かけたい、ってことで折りたたみ自転車ってどうなんだろう…(長い)と思って手に取りました。
服装や荷物の中身の紹介もためになるし、何より絵の可愛らしさもあって「これなら折りたたみ自転車で出かけるのも悪くないかも」と気持ちのハードルは下がりました。
ざっくりとメーカーごとの説明もあって参考になりました。