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全電源喪失の記憶―証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間―(新潮文庫)
著者 共同通信社原発事故取材班 , 高橋秀樹/編著
東日本に大津波が押し寄せたあの日、濁流は福島第1原子力発電所をも飲み込んだ。全電源を喪失し制御不能となった原発。万策尽きた吉田昌郎所長は、一人一人の顔を眺めながら共に死ぬ...
全電源喪失の記憶―証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間―(新潮文庫)
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全電源喪失の記憶 証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間 (新潮文庫)
商品説明
東日本に大津波が押し寄せたあの日、濁流は福島第1原子力発電所をも飲み込んだ。全電源を喪失し制御不能となった原発。万策尽きた吉田昌郎所長は、一人一人の顔を眺めながら共に死ぬ人間を選んだ――。遺書を書き、家族に電話をかけ、嗚咽する人。現場に背を向けた人……。極限で彼らは何を思い、どう行動したか。絶望と死地を前にして揺れ動く人間を詳細に描いた、迫真のドキュメント。(解説・池上彰)
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紙の本
最後のひとかけらの瓦礫が片付くその日まで
2019/07/25 23:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読人不知 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの時、何が起こったのか。
本書は、政府の調査結果や東電の発表とは違った角度から、福島第一原発事故の経緯を読み解くカギになる。
実名でインタビューに応じた人々の証言を元に、あの時、現場で何が起きたのかを語るドキュメンタリー。
現場の尽力、福島や他の地域の人々が何を為し、何を成し遂げたのか大変よくわかった。
人・地域・仕事・責任……そんなキーワードで繋がれたヒューマンドラマでもあるが、フィクションではなく、現実に起きた出来事で、まだ何も終わっていない。
現場の社員や協力(下請け)企業、東電とは無関係の建設会社までもが、命懸けで未曽有の事象と戦った。
あの時、一旦は現場を離脱して戻った協力企業関係者がショベルカーで獅子奮迅の活躍をしなければ、高濃度に汚染されたと知りながら手作業で瓦礫を撤去し道を作った現場職員が居なければ、二号機に留まり手動で冷却装置を作動し続ける地元の東電社員が居なければ、二号機も爆発していたと知り、納得と同時に背筋が凍った。
同時に、協力企業の社員が普通の靴で地下に突入し、高濃度汚染水でベータ線熱傷を負ったことや、三重の建設会社がポンプ車の提供を申し出てから長時間待機させられたこと、ポンプ車の現場到着後の東電対応など、「東電にあらずば人にあらず」などと揶揄された残念な経緯も浮き彫りに。
当時の政府と東電本店の詳細な対応を知り、虚偽報告をしてでも冷却を続行させた吉田所長の胃の痛みが自分にも伝わった。
新聞で読んだが、通しで読むと更に状況がわかりやすくなった。
連載時にあった多数の図はかなり減らされたが、その分テキストが増え、読み応えが増した。
まだ、事故の終息作業は続く。
最後のひとかけらの瓦礫が片付くその日まで、ずっと読み継がれて欲しい一冊。
紙の本
福島第一原発事故の生々しい記録
2018/11/30 19:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
島第一原発の事故については多くの本が出版されていますが、本書は現場に居合わせた現場作業員の方の証言をメインに集めて事態の推移を描いた本です。
東日本全域が人の住めなくなる状況となるような最悪の事態を避けられたのは事故発生からの数日間に現場の方々の文字通り自らの命を顧みない作業のおかげであったことを改めて知ることができます。
しかしその現場がいかに過酷であったのかが読み取れるのは、本書に登場する多くの作業員の方が現場で感じた命の危険や恐怖を正直に語っておられる証言です。以下に抜粋します。
「怖かったです。でも原子炉建屋に入るってことは半端じゃない被ばくをするってことです。死ぬかもしれない。やっぱり行きたくなかったですよ。家族のことが頭をよぎりました(原子炉建屋に入る作業員を募る際に挙手できなかった時の心境)」、「完全に戦意喪失でした。『死を覚悟した』なんて言うけど、俺は死ぬって覚悟もないまま実際に死にかけた。あと10秒早く車に乗っていたら車ごと潰されていた。目の前に『死』があった(3号機建屋の水素爆発の際、飛散したコンクリートの塊で作業車両が破壊された作業員)」
他にも生々しい証言が多数収められています。忘れてはならないのは2名の方が地震直後の点検作業中に津波によって原発内でお亡くなりになっている事です。
技術的な説明は極力抑えて、多くの人の証言から事態の推移を描いているので非常に読みやすく、何よりあの時に現場がどのような状況であったのか、その過酷さの一端が伝わってくるノンフィクションでした。
紙の本
福島第一原発事故
2018/03/14 17:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カピバラさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災から7年目。福島第一原発事故の廃炉作業には今後30・40年はかかる。原発の安全神話が崩れ、東京オリンピックを前に、今後、原発はどうなるのか考えさせられる1冊。
紙の本
壮絶な人間ドラマ
2018/04/07 18:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
強さも弱さもあるのが人間。
吉田所長のように魅力的な人になりたかったなあ。
人間としてすごいから人がついてきてくれるのになあ。
当時の首相はそれ知らなかったのかなあ。
出来ないのに、自分は出来ると勘違いしている指揮官の部下はつらいよねえ。
感情的になる人は、幼稚にみえるね、みっともない。
原発の現場の人たちに心から感謝いたします。
日本の救世主のみなさま、ありがとうございます。
紙の本
記憶
2019/03/04 07:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
事故の時の記憶が鮮明に描かれているので、臨場感がありました。ドキドキしながら、読みました。すごかったです。