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絶望死 労働者階級の命を奪う「病」
著者 ニコラス・D・クリストフ , シェリル・ウーダン , 村田綾子
米国で急増する「絶望死」。労働者階級を死に追いやる正体とは何か? 全米50州各地で、職を失い貧困にあえぎ生きる望みをなくした人々の実態を、ピュリツァー賞を2度受賞した著者...
絶望死 労働者階級の命を奪う「病」
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絶望死 労働者階級の命を奪う「病」
商品説明
米国で急増する「絶望死」。労働者階級を死に追いやる正体とは何か? 全米50州各地で、職を失い貧困にあえぎ生きる望みをなくした人々の実態を、ピュリツァー賞を2度受賞した著者がリポート。格差と分断が進むアメリカの窮状に迫る。
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紙の本
だから米国は強い……
2022/10/16 19:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北米50州で低所得層を中心に取材を行い、様々な生活様式をルポルタージュとしてまとめた読み応えのある作。
多少なりとも外国への渡航や滞在経験があればよく知られた話ではあるように思ったし、現実の米国はそんなものだろうと考えていた。これだけネットも発達したのだから、半ば常識と化したのではないか?と簡単に思っていたので、邦訳版の出版で「そんなに過酷な国なのか!?」と戸惑う感想が思ったよりも多くその反応に困惑した覚えがある。
書くまでもないが、英国から離脱する形で独立をした人工的な性質を強く持ち、五十の州は独立した自治権をもつ独立国家だ。米連邦は実験的な性質を強く持っている事を忘れないで頂きたい。
五十もの国が連邦を作っていればそりゃ強い。それも自然国家同士の緩い連合ではない強固な連帯だ。人工的に作られた国と言えばソ連も思い浮かぶ。米ソの対立は中核や革マルの内ゲバとも似ていて、外野から見ると似た者同士に見えるが、内では同族嫌悪というか強烈な対抗意識の働きもあってつねに揉めている。揉めに揉めて冷戦を巻き起こすけれども人工国家に運命づけられた悲しい性だと思う。
極右の北米と極左のソ連、似た者同士であるから、北米では保健や福祉の話は左向きとされて禁忌でもある。持論を話すと「アカだ」「コミュニストだ」「ソサエティストだ」と、排斥されるだけならマシで物理で殺しに来る。本邦で「同調圧力がどうの」と抜かす人には見えない現象だ。
彼らは親ガチャも大好きで、有名企業は子々孫々に受け継がれ稼業で持て余した金で起業や投資をし、さらに資産は増えていく。
そして北米では医療や福祉リソースすらも輸出品目なので、自国民が自家消費するモノではない。ノーベル生理学医学賞を何度も受賞しているが、功績は富と名声に引き換えられなければならない。よって対価を払えない庶民はどうやっても恩恵に与れない。少し話は変わるが、父親が出張でジョージア州に滞在していた折、軽い事故で脱臼をし応急処置とX線撮影で数万ドルも請求された。車が買える値段だったが、わが国の柔道整復師・整形外科医と比較しようもないレベルの低さで、日本人であることの有り難みを変な形で覚えたものだ。
北米の流儀ならば自分で医者を雇え、自グループに自分専用の医院を組み入ろ、出来ないなら身体が弱いからだ!それくらい稼げ!とマッチョイズムみたいものを押し付けてくるから我々には理解が及ばないのかも知れない。
そんなこんなで先端技術と軍事に全てを振り向ける国だから圧倒的に強い。少しでも自国民の幸福のために、なんて考えを入れた時点でスーパーパワーは失われてしまう。
太平洋の向こうで起きている悲惨な現実として楽しんで頂き(スラムツーリズムのような趣味の悪さはあるが)、新自由主義者への警戒としてご覧頂く方法もあるかと思う。
紙の本
世界一豊かなはずの国の影
2022/10/16 17:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界一の経済大国であるアメリカの貧困層を取材した本。
金銭的な貧しさもだが、彼らの尊厳が奪われている様、彼らがなぜ「トランプ」のようなリーダーを選んでしまうかを、丁寧な取材から伝えている。
アメリカの話ではあるが、貧困層が自らの首を絞めるにもかかわらず生活保護や福祉に対するバッシングしたりする様は、日本社会と二重写しになった。
紙の本
これが子供の時に読んだ「ラモーナ」の舞台の、現在とは・・・
2021/05/24 18:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんださん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本が取り上げている場所、それが子供の時に読んだ『ラモーナ』シリーズの舞台だと知って、衝撃を受けました。がんばれヘンリーくんシリーズ、懐かしい。
ほぼ同時期に発売された同じタイトルの著者は学者、こちらはジャーナリスト。
「ジャーナリステック」という言い方は好きではないけど、具体的な人々の生の声がアメリカで現実に起こっている社会問題の深刻さを感じることができます。コロナで、どうしてアメリカであれだけの死者がでたのか・・・その理由も、この本を読むとよくわかります。
そして最高裁判決が、その後、どういう結果を及ぼしたのか・・・法律では判決までしか学ばないけれど、判決がもつその後の社会的影響についても改めて考えさせられました。