商品説明
あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。
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電子書籍
上品過ぎ
2023/11/27 18:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Jeu - この投稿者のレビュー一覧を見る
食欲も睡眠欲も裏切らないのは心身共に健康な人だけで、どっちも割と簡単に裏切ってくるものだと思う(現に本作にも過食嘔吐の人物が登場する)が、そこがまず冒頭から違和感。食欲、睡眠欲ときてじゃあ性欲は、という提起かなと思いつつ途中で物欲も出てきて、なんか中途半端(「物欲は裏切らない」ってもはや文として?)。
水に興奮するのはいいが、興奮した後の行為の描写がほとんどないのが説得力に欠けて、じゃあ毎日お風呂場で一人でしてるの、とか、公園で盛大に水遊びしたとしてその場でしたくならないの、抑えられるくらいの興奮なの、とか、なんか上品過ぎ。
もっと読者が不快になる描写があってもいいのに。
異性を好きになることと性欲は必ずしもイコールではない(幼稚園児が異性を好きになってもそこに性欲はない)けど、夏月と佳道が繋がりを持ちたいと思えたのはやっぱり異性だったからなの、とか、同性に体の上に乗られても同じように安心できるの、とか、色々しっくりこなくて読後の満足感なし。
電子書籍
考えさせられた作品でした
2023/11/01 15:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
不登校の息子がユーチューバーに生き甲斐を見つけ、父親として「まとも」な人生を送らせたいと思う検事が、仕事の中で出会う異常な事件の被疑者と向き合う設定が絶妙だった。ラブホテルで性欲を満たす事は「普通」で、別の少数の物に性欲を感じる事が犯罪になる可能性がある。同じ人間で、感受性はみな違う筈なのに多勢側につけない人間が異常者として裁かれる事がある。生きにくい人生を生きている人がいるんだろな、そんな作品でした。
紙の本
ごみ
2023/06/29 16:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななな - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆、価値観が変わるって書いてあるから変わったとか
言っとかないと自分が可笑しいと思ってしまうから皆これを読んでから変わりました☆*。とか言ってるだけ、結局何も変わってない。俺は何も変わらなかった。
誰も救われなかったし、
結局排除されたまますっきりもしないし
価値観も変わらない。
こんなので変わったとか元からLGBTに対して大した感情はなかったし考えてこなかっただけ、
八重子にも始終イライラする。
YouTubeになった子供は結局どうなったんだ。
全てが思考で終わってる
モヤモヤするし読まないほうがいい
紙の本
う〜ん
2023/06/06 01:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題の作品なので読むのを今か今かと心待ちにしてました。
ですが個人的にはう〜んという感じでした。
喉の奥に何かもやもやがつかえてしまう様な作品でした。
紙の本
おもしろい
2023/04/11 22:14
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投稿者:過酸化水素 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で「50代に人気な本ランキング1位」として置いてあり、興味本位で手に取って見たのですが、大当たりの本でした。あなたもきっと、今流行りの「多様性」についての理解が深まると思います。
紙の本
初の朝井リョウ作品
2023/03/28 20:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、朝井リョウ作品はこれが初めて。
読んだら、読む前には戻れない!というキャッチコピーは、大袈裟に聞こえるが、確かにそうだなと感じる。
多様性という言葉を用いて、自分とは違う何かを「受け入れてあげる」側だと思っている人は多いように思う。かくいう私もそのうちの1人なのだ。
今まで軽い気持ちで見ていたテレビのニュース。
今までと同じように、、見れない気がする。
電子書籍
すごい作品だった
2023/02/17 12:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごすぎて、おもろすぎて笑いながら読んでしまった。リアルタイムに社会派の名作を味わえるって幸運なんだなと思いました。
紙の本
異端というマイノリティ
2023/02/05 22:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了してから脳裡には2つの事が浮かびました。1つ目は、本作品を書き上げるに当たって、かなり緻密に構成を練ったのでは、という事。2つ目は本作品の中心となる『水』をよくぞネタに思いつく事が出来たという事。
まず構成として、『語り手』が順番に主体となって話を進めていく形式。この形式はミステリ小説では時折見掛けます。近時では湊かなえさんの『白ゆき姫殺人事件』が一例です。ただ本作品は更に拘りがあり、それは前章の一文にあるワードやセンテンスが次章の冒頭に引き継がれるというスタイルです。テレビCMでもありますが、A君が持っていたカメラにどんどんクローズアップされ、更にその後再び引き下がっていくと別のBさんが同じカメラを持っていた、みたいなやつです。
2つ目であるテーマの『水』については、よくこんな発想が湧いたなぁ、です。マイノリティというものは殊更日本人が最も敏感になる分野であり、その分野に向けて昨今世間を賑わす(もう今や昨今ではなく、かなり前の時代からも陰々とあったでしょうが)社会的事件を根底にして抉り出したキーワードを鋭く描いています。社会ネタと言えば宮部みゆきさんの『模倣犯』を少し彷彿とさせるような気もしました。
さて、本作品の最大ネタである『マイノリティ』。このワードを、どう捉えるか。現代に於いてとても複雑で難しい内容だと思います。島国である日本という古来から横たわる根深い思想文化から考える必要は多分にあるでしょうし、随所に出てきていた『多様性(ダイバーシティ)』と関連付けてみると、一絡げに纏め上げる事が出来ない様相もあります。まさに現代ネタです。そういった複雑な様相を本作品で読み手に呈ずる著者は、なかなかに凄いと感じました。
朝井リョウさんの作品と言えば過去に2つ程読了しましたが、今一つピンと来ず、の印象でした。ですが、本作品はかなりズッシリと応えました。一方で同氏の作品のタイトルはパロディー的なものが幾つかあり、本作品もおそらく『性欲』からもじった『衒い』感がします。『正欲』の『正』について、食欲・睡眠欲・性欲が3大欲求と言われ、その3つは人間として大多数、マジョリティとしての欲求であり、また追究すると人間或いは日本人が持つマジョリティの感覚という意味で『正』を使い、そこから対比的クローズアップでマイノリティを炙り出す暗喩的な狙いがあったと解釈しました。
紙の本
まさに、正欲。
2022/11/04 03:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くるくる - この投稿者のレビュー一覧を見る
多数派で構成されるこの社会で、多数派に紛れ込むことでしか生きていく方法がない現実。
そんな世界で芽生えた多様性の理解、尊重の傾向。
多様性とは何か、多様性を理解することの意義を考えさせられる本であった。
詮索、干渉、査定される現実はいつの時代も変わらないのではないかと恐ろしくなった。
紙の本
世の中の見方が変わる
2022/06/23 19:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のん - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段何気なく生活している中では、到底思いつかないような考え方が世の中には沢山あるのだと知ることができました。マイノリティにも当てはまらない人がいる、ということは私たちが普段なんとなく使っている「多様性」という言葉の重さや意味も変わってくるのだと思います。また、冒頭に述べていたこれらの情報はみんな明日死にたくないに繋がる、と言ったような言葉にはとても衝撃を受けました。とても勉強になるし、新しい視点を持つきっかけにもなった一冊です。読んでよかったです!
紙の本
想像力
2022/05/30 13:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何言ってもネタバレになりそうで何も言えやしないんだけれど、
無意識に人を傷つけかねないために
想像力というか、物を考えながら他人と接しなければならないなという教訓を得た。
自分の想像の範囲内がいかに狭いものか。
価値観がぶっ壊されます。おすすめ。
電子書籍
これが?
2022/05/07 22:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝井リョウさんが、十周年記念作品、ということなので、すごく期待して読み始めましたが……。期待外れと思ったのは、自分だけでしょうか……。朝井リョウさんにはもっともっとよい作品ありますよ
紙の本
真の多様性とは
2022/02/22 08:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2022年本屋大賞ノミネート。己の想像力が試される作品。理解したふりで「多様性」を語り、その浅い共感が刃となり更にマイノリティへと振りかざされる。何かを判断する時に役立つ公式も、それがある故にその型に嵌まらないものを見付け難くさせる。無理に理解しようとする事より、静かに寄り添う、ただそれだけを求めている人も居る事に気付かされる衝撃的な傑作。
電子書籍
読後も深く考えています
2022/01/15 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:を - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝井リョウさんのお話の「仕掛け」を満喫できました!
作品前半でしっかり「多様性を認める世界」へ思いを充満させ、中盤以降は「…からの〜、理解できない価値観」とのインパクトを真正面から受け止めることに。
読後、反芻を繰り返してばかりです。
どーどもいいことですが、私は「水」を少し意識するようになったかも笑
紙の本
あらすじをかんたんに書けない衝撃作
2022/01/13 11:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」―。なにやら突然、鋭利な刃物を突きつけられたような一文である。朝井リョウさんの作家生活10周年記念作品。本書は「絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く」気迫の書下ろし長篇小説。「読む前の自分には戻れない」...そう心して読み始めたほうがいい。本書は、曇りなく讃美される「誰もが自分らしく生きやすい、新しい時代」の虚像を引きはがし、白日の下に晒す―。ザックリ言うと、これまで特に深く考えもしなかった常識や価値観というものをことごとくぶった斬られ、一から出直しを迫られる感じである。