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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
サッカーに興味はありましたが、女子サッカーはあんまり見たことがなかったので、本を読んで興味を持ちました。
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面白かった!30代社会人女性がチームに入ってサッカーを始める、ってだけで、体力的にも社会的にも生活的にもそりゃもういろいろ壁があるだろうなというもの。訳文も軽妙で楽しい。
でも私が特にそうそう!と思い、また最も爽快感があったのは『ロビングシュート』の章だった。土砂降りのコクリツでベッケンバイアーを見て以来30数年ちらちらとサッカーを観戦、Jも設立開幕戦から、キッズ〜高校、大学、社会人までのカテゴリーも観てきましたが、誤解を恐れず言うならば、まあマンスプレイニングの嵐なわけです。
なので『ロビングシュート』万歳!
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韓国で、「脱コルセット」運動をはじめ、「女性はかくあるべき」としているものを自ら問い直す、フェミニズムエッセイが話題だということを、私は知らなかった。
サッカーにしても、韓国の男性は、それを自分たちだけのものだと思っているなんて文章を読むと、確かに、上記のような運動が盛んになるのも肯けるような、決め付けている事実に、悲しさを覚えた。
好きなことをやるだけ、やりたいことをやるだけなのに、なぜという思い。
ただ、このエッセイの場合、そうしたメッセージを真面目に考えながら、面白可笑しく読めるのが素晴らしい。ある意味、タイトルは的を射ている。
著者が、好きでやりたいと思っていた、アマチュア女子サッカーチームに自ら入り、様々に奮闘する話は、最初、地味な練習にも喜びを見出せるところから、少しずつ上達していって、仲間から賞賛されるまでに至る経緯が、新たな扉が開かれる感覚、それが自分らしく生きていると思える充足感になっていることに、他人事ながら嬉しくなりました。
また、エッセイ中に、「スラムダンク」やサッカー漫画の「ホイッスル」が登場するのが嬉しくて、親近感が湧いたり、著者の好きな日本人サッカー選手が、長谷部誠なのも渋くて嬉しい。
コロナの影響で、今年の6月時点では、全面休止中とのことらしいけど、今は試合出来てるのかな。エッセイ中での、ブッチャケながらも何か憎めない感じの著者の御活躍を、これからも祈っております。
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人生はなかなか大変で、急に良くなったりとても素敵なことはなかったりするけれど、ちょっとしたいいことはときどきある。読んでいてじーんとする。
男尊女卑の日本と同様に韓国でも女性が置かれた立場や受ける待遇は大変なことが結構ある。本書でもマンスプレイニングや出産前後のサッカーとの関わり具合とか、あらためて感じることが多い。
そんななかで、キャプテンが男子2号に対して行った行為は、とてもスカッとする。サッカー以外でもこういうことができればよいのだけれど、なかなか難しそう。
本書に出てくる男性の振る舞いを、私自身がしないよう注意したい。
内容は結構重いのだけれど、文章はそれを感じさせない面白さがあって、笑ってしまう。そのギャップがよいのだろうと思う。
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英語 訳タイトル
’elegant and exciting women’s soccer’ by Kim Hon-bi
女だからという理由で諦めたこと。
もう年だから今さら始めても、と躊躇していたこと。
「それがやだ、アタシみたいな女でもサッカーしているっていうじゃない!?」
「そうか、アタシ、今までこういうこと待ちわびていたんだ、って」
泣きました
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet.nwec.jp/bunken/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=BB11475509&opkey=B161706494440152&start=1&totalnum=2&listnum=1&place=&list_disp=100&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=00
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2021年サッカー本大賞受賞作。
ブラジル代表FWロナウドのプレーを見て以来どハマりし、いつか自分もサッカーをやりたいと思い続けてチームを探していた韓国人女性の体験記。
「初心者歓迎」と書かれた募集を見てさっそく電話したところ「とりあえず来て」と言われ、それから初日を迎えるまでの準備のワクワクと、ついに明日となった時のやっぱりどうしようというドキドキ、そしていざボールを蹴った時の見ているだけの時と違ってままならない焦りは、きっと誰しも経験したことがあり共感することだろう。
それなのにいきなり試合に出させられて、相手チームのおじいちゃん選手にいろいろなことを言われながらも必死でプレーし、見かねたチームメイトが助け舟を出す場面から始まり、それ以降も著者はサッカーを通していろいろなことに気付かされていく。
前述のおじいちゃん選手のみならず、韓国女子代表経験のあるチームメイト(!)に「サッカーのことを教えてやろうか」と近づいてくる対戦相手の男性選手、「こんなところでサッカーなんかしてたらダンナの昼ご飯はどうするんだ?」と言ってくる一団など、上から目線の男や、女は家の仕事をしてろと言わんばかりの決めつけ。そう言われてもやめられないサッカーという競技の奥深さと魅力、チームメイトや対戦相手たちとのサッカーを巡る様々なやりとり、そしてチームスポーツならではの内部のゴタゴタも軽妙な語り口で重くならずに読ませてくれる。
女だって日常的にサッカーを楽しんでいいんだ、そう高らかに宣言しつつボールを蹴り上げる、痛快な一冊。読後、きっとあなたもボールを蹴りたくなる。
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サッカー本大賞(http://www.kanzen.jp/smp/news/n40415.html)を受賞したのも宜(むべ)なるかな、と得心する一冊。ただ観るだけでは飽き足らなくなり自分もやりたくなって草サッカーチームに入団する初心者という世間によくある話なのだけれども、男尊女卑の甚だしい韓国でしかも中年にならんとする女性が挑むというのだから、読む前から一体どうなることやらと「期待」せずにはいられない。面白いエピソードは数々あれど、二年目にして挙げた1G1Aの顛末こそがサッカー競技の理不尽さと醍醐味を語り尽くしている。と同時に、タイトルが示唆するとおり、フェミニズム文学の香ばしさも際立つ作品である。
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わたしはサッカーはやらないが長く好きで見てきたので、共感できることがたくさんあった。サッカーを知らない人でも、自分の物語として読める部分があると思う。ユーモアがあって読んでいて楽しいし、注釈のアシストも絶妙で親切だった。好きなことを楽しむパワーをもらえた。
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“マンスプレイニングを楽しんでいる一部の男たちは、女性サッカーファンのことを俗にいう‘オルパ’(顔重視のファン)と断定する傾向も強いからである。彼らには、女が男と同じ理由でサッカーやサッカー選手を好きになるということがイメージできない。理由を情緒的、審美的なものに矮小化してようやく受け入れることができるらしい。あのさ、私もあの選手のキレのある動きや視野の広いところが好きなんだってば。あんたと同じようにね。”(p.44)
“あることについて、自分もやれるという可能性をまったく想像できずに生きてきたものが、突然「やれるかも」という現実と出くわすと、「やりたい」を通り越して「ずっとこの瞬間を待ちわびていたんだ」という感覚になることは、なんとなくわかる気がした。運命的な出会いは時として時間をさかのぼり、現在から過去を照らしだす。”(p.224)
“つまり私たちは、自分らしい人生を生きて、好きなことをしたいだけなのに。社会に抑圧されたこの「~したいだけ」が集まって運動になり、波のように打ち寄せ、境界線を少しずつ、消していくのだ。
だから、社会にはサッカーをする女たちのチームが一つでも多くあったほうがいい。”(p.256)
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何かを偏愛する人が偏愛するものについて語ることはだいたいおもしろい。それがたまたま「男性のスポーツ」とされているサッカーだったために、フェミニズム、シスターフッドの話になっているという感じ。女性にありがちな苦労話があるから、わかるわかると共感することばかり。マンスプレイニング野郎をやっつけるところは痛快だし、ライバルチームとの関係は胸が熱くなる。キムジヨンで気づいたことにどう対応するか、その答えの一部になっている。
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筆者は韓国のアマチュア女子サッカー選手。別に学生時代にサッカーをやっていたわけではなく、30代になってから突然サッカーをやりたくなり、ある女子サッカーチームに全くの素人として入団する。本書は、筆者が入団してから約1年間の彼女にサッカーライフを自ら語ったエッセイ。
本書には2つの側面があるように感じた。
一つはフェミニズム的な側面。韓国も日本と同様、あるいは、日本以上に女性の社会進出が遅れている国である。そのような国で、「男のスポーツ」と考えられているサッカーをプレーすると、ある種の不愉快な経験をすることになりがちである。筆者も、そのような経験をすることになるが、意に介さず好きなサッカーをし続けるところは、けっこう、読んでいて痛快である。
もう一つは、「ただのサッカー好き」という側面。何故か分からないけれども、サッカーをプレーするのが好きだという筆者の気持ちが本エッセイの至るところで描かれている。こちらの側面に注目して読んだ方が本書は楽しい。
私もサッカー好き(下手の横好き)で、いくつかのチームでプレーした経験もある。一番楽しかったのは、40歳過ぎてから加わったシニアチームでの経験だった。私がやっていたのは相当前の話だが、私が住んでいる場所では、当時からシニアサッカーは盛んで、私のチームも市のリーグ戦・カップ戦、県のリーグ戦・カップ戦に出場していたし、それ以外の大会にもいくつか参加、年に20-30試合はやっていた記憶がある。また、遠くのシニアの大きな大会に泊りがけで出かけ、試合も楽しみ、夜の飲みも楽しみということをやっていた。練習も週に1回やっていたし、そういったことが純粋に楽しかった。
二つの側面があるエッセイと書いたが、私は、筆者の「ただのサッカー好き」という側面を感じながら、とても楽しく読むことが出来た。
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“社会の規範”から外れて何かをすると、「○○が××をすることに意味あるの?」等の否定的な言葉を投げつけられることが大なり小なりある。そんな経験をしている人は、この本から勇気をもらえると思う。
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2021サッカー本大賞受賞作。
舞台は韓国。
サッカーをしたことがない普通の女性が草サッカーにハマっていく様子がツボ。
妻が所属するママさんサッカーチームでも人気になった本。(女子)サッカーに国境は無い!
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これ、ほんとおもしろい。サッカーに興味なくてもおもしろいし、サッカーが好きだったらなおさら読んでほしい。
日本の女子サッカーを応援してきたけど、色々見ていて、嫌気がさしてみなくなった。日本とは違うところもたくさんあると思うけど、問題の根源は同じだろう。
みにいくと分かるけど、アイドルとるようなカメラを携えている中年・高年とおぼしき男性が多いのに、まず違和感。
選手は素晴らしいけど、下手な審判や判定にもまったく文句言わないのにも違和感。
将来の夢はお嫁さん、といっていた選手にもすごく違和感。個人的にそれでも良いとは思うけど、なんだかなぁ、という気持ち。本の感想ではなかった…
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フェミ本として訳者や出版社は出したいのだろうし、作者もそういった意識はあるのだと思うが、そういった括りにしたくない本だと思う。ジェンダーは間違いなくあるし、不自由な思いをしている女性も多いことは理解してるが、新しいものに出会い、のめり込み、喜びを見出し、誰かに伝えたくなる。そういった喜びに満ちた本だと思う。
例えば、この同じ内容の本が、男性が手芸にハマるという内容出ても、多分面白いものになるのではないか。男性、女性にか変わらず、ジェンダーを含めた様々な問題が新しいことに挑戦すると湧き出してくる。それを乗り越え、少しの喜びを感じ、のめり込む。その様子を見るのは経験者からしたらとても嬉しく面白いものであることは間違いない。