平成の終わりに殉じる
2022/08/01 03:44
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
安楽死が合法化されたパラレルな世界に生きる、ふたりの男女がベストカップルです。フラフラと生死をさ迷う平成くんには、しっかりと引き留めてくれる愛ちゃんのような存在が必要ですね。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
安楽死は、現在の日本では許されませんが、合法化されたら、…という世界でのお話。平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられた平成くんが、平成の終わりと共に安楽死をしたい、という気持ちが理解できませんでした
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投稿者:名無し - この投稿者のレビュー一覧を見る
で、結局何が言いたいの? 内容は素人の生半可な知識に毛が合えた程度。東大院卒だが出身は慶應。所詮にわか学者。ごまかしの弁だけは一人前なのはワタクの王者慶應の卒業生。歪んだ思考が丸わかり。
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【気鋭の社会学者、初小説!】安楽死が合法化された現代日本で、平成くんは死ぬことを選んだ――平成という時代と、現代を生き、死ぬことの意味を問い直す意欲作。
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・安楽死したい理由
・周りに対しての配慮
・みんな同じ感覚を持っているわけではないこと
・考えている領域が違うだけでみんな考えて生きていること
猫のシーンがとても鮮烈だった。
まるでAIである平成くんが愛ちゃんによって感情を手に入れていくような、そんな不思議な感覚で読みすすめることができた。
平成くんの「人生は何度もあると考えればより自由になれる」っていうセリフがとても良い。
よくそのセリフと対極の「たった一度の人生だから」という言葉を聞くが、同じゴールでも前者の方が後悔も悲しみも、失うものも少ないと思う。この反省を来世で活かせるのだから、来世は最高だ。
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どんなん書く人なんやろ?
って興味があったんで買ってみた
平成くんは作者なのかなぁ
こういう業界にいないと書けない
というか
田舎に住んでる平民なので
よくわからんけどシャレかぶってんなぁ
って遠くを見る目になっちゃった
そこたぶん重要じゃないんだろうけど
いや重要かな
とにかくそのシャレオツなとこが
理解できん
さらーっと読めたので
その点で星は3つ
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いかにも、古市さんらしい表現。
それは、比喩か、揶揄か。
どこか自身のことも反映してるのかなぁ、と感じる作品。
沈黙は音が溢れてることを思い知らせる、の一文が良かった。
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社会学者古市憲寿さんの初の小説。
ずっと文庫化待ってました。
古市さん自身のような立場の平成くんと
ビックコンテンツ(多分ドラえもんがモデル)を
生み出した父親の著作権で生きる愛ちゃんは
景色の良いタワマンに住み、
Googleでスケジュールを管理共有し
庶民には縁遠い有名なレストランにウーバーで向かい
ハイブランドの服を使い捨てのように着る生活。
だけど
ねえ平成くん、
といつも優しく呼びかける愛ちゃんは
平成くんに合わせてエキセントリックに振る舞っている
だけの凡人だと自覚していて、
当然平成くんの安楽死という自殺に納得はできず、
平成という年号の終わりに向けての1年間
語り合い、ぶつかり合いながら
平成くんの安楽死について答えを出そうとしていく日々が
淡々と、なぜか穏やか感じるように進んでいく。
普段毒舌な社会学者としての古市さんしか
見たことがなかったけど
以前とても熱くSMAP愛を語ってるのを見て
なんか思っていたより無機質な方では無いな?
と思って、それまでより少し親近感というか
普通の人っぽさを感じ、
この、初の小説作品を読んで、古市さんの中に
平成くんであり愛ちゃんである部分が存在しているのなら
ますます愛くるしい人だなと感じる。
この文庫版には用語注解がついていて
作中に出てくるレストランや人物について
愛ちゃんの視点で解説されているけど
本編を読んだあとこれを読むと
本編の終わりと解釈が少し変わってくる気がします。
これ、ハードカバー版には付いてないってことなのかな?
そちらを読んで自分なりにですが解釈した終わりのほうが、
わたしはすき。
ねえ平成くん、
わたしは平成くんにはこっそりと
愛ちゃんホームを持っていてほしいな。
平成くんの大嫌いな暗闇の中でも
ねえ愛ちゃん、って
語りかけていてほしいな。
だけどそうなってたら、すごく寂しいな。
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卒業式があったり、映画に夢中になっていたり…
気が付けばレビューがすっかり遅くなってしまいました。
『流れる季節の真ん中で、ふと日の長さを感じます』
3月9日ですね。
あの子も、安楽死の合法化を夢見ていた。
いつも難しい哲学書を読んでいて、わたしとはいつも、本の話をしていた。
そんな彼に、わたしはまだ読んだこともないシオランを勧めた。
読んだこともない本を勧めるなんて、無責任だっただろうか。
彼は独自の理論を展開するから、所謂「普通の」世界にいる子どもからは、遠巻きに見られがちだった。
いつも死のことを考えている彼の将来が、進路が、心配だった。
でも、本人も思ってなかったくらいレベルの高い、記念受験だった大学に受かり、あからさまに表情がよくなった。
そこには、生きることへの絶望ではなく、希望があった。
あれから一年と少し。
彼は今、何を考えているのだろう。
今でもまだ、安楽死を望んでいるのだろうか。
ここに描かれているのは、「安楽死」が合法化された世界。
しかし、だれでも安楽死を選択できるわけではなく、カウンセラーや医師との面接等、条件が必要だ。
物語の中では、日本は世界で最も安楽死をしやすい国として描かれている。
そして、実際にある作品や事件(秋葉原通り魔事件など)を描きながら、物語の世界観が作り上げられていく。
都会の街並み、最先端のサービス、高価なブランド服、豪華な外食、テレビ出演、執筆活動…
こんなの、わたしはどこかで狂いそう。
主人公の恋人・平成(ひとなり)くんは、そういう世界で、淡々と暮らしている。
元号が「平成」になった日に産まれたことで、「平成(ひとなり)」と名付けられた。
彼がある日突然、安楽死を考えていると、恋人に打ち明ける。
恋人は帯にある言葉を尋ねる:「ねぇ平成くん、なんで死にたいと思ったの?」
とても失礼な言い草だとわかってはいるけれど、なぜこの作品が芥川賞候補になったのか、少し謎が残る。
最近『この世の喜びよ』を読んだせいか、描写に幅の少なさ(=詳細に描き過ぎている)を感じてしまう。
現実世界に一段付け加えるような形で作り上げた世界なので、とても分かりやすく伝わってくる部分もあれば、それが逆に大衆文学のようになってしまって、どうにも芥川賞候補としてはチャラすぎるような印象がぬぐえない。
たぶん、この作品においては、「描写を減らして想像を広げてゆく」楽しみ方ではなく、描写を多くして現代を生きる人たちをわかりやすく描いた上で、一番根っこにある「生きるとは、死ぬとは」という、根源的な部分を問うているのだと思う。
村田沙耶香さんの芥川賞受賞作品『コンビニ人間』も同様に読みやすく、そこには「普通とは」という根源的な問いがずっと横たわっていた。
それと同じような感覚なのかもしれない。
わたしは最後まで読んだけれど、やはり「安楽死」というものに全面的に賛成はできなかった。
だけど、たとえば大切な人が病気で、どんな治療を施したとしてもあと数時間とか数��しか生きられず、自分の目の前で苦しんでいて、その苦しみが死ぬまで続くものだとしたら。
治療が確立していない病気で、心身ともに、自分だけでなく周りも巻き込みながら、日常生活を送り続けないといけないとしたら。
わたしは専門家としては、彼らを案じ、支え、生きてほしいと願う。
でも、それが自分のこととなったら、そのときどういう判断をするだろう。
大切な人が安らかに亡くなってほしいと思う瞬間があると思う。
自分もこの人も、一緒に死んだら一緒に楽になれる、と思う瞬間があると思う。
「安楽死」は、その時自分の味方になってくれる手段の一つにはなってくれるだろう。
だけど。
平成くんの「死にたい」理由はちょっと別のところにある。
わたしはそれを、100%は理解できてない、というのが正直なところ。
でも、今の時代の「死にたい」ってやっぱり、究極の「生きたい助けて」だと思う。
ずっと頭の中で”自分ならどうやって平成くんを説得するか”を考えてしまってあんまり集中できずに読了。
あと、読みながらどうしても平成くんが古市さんの実写となってしまったことも集中できず…
用語解説が付いているのを知ったのは最後、物語を読み終えてからだった。
もっと事前に知りたかったけれど、読んだところで自分の教養のなさにぶち当たるだけだった。
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なんとも言えない苦しさが胸のあたりをぎゅっと押しつぶしている。「面白かった」と言うのは少し違う気がするし、「考えさせられた」もなんだか薄っぺらい。うまく言えない。私も誰かの永遠になりたいと思うことがあるけれど、それは死にたいと思うことと似ているのかもしれないと思った。平成が終わり令和になったことに何か感じたことはなかったけれど、こんなにも当たり前に日常が過ぎていく中で誰かが消えるタイミングが分からないのは寂しい。わたしは寂しいと思ってしまう。泣けないのは苦しい。どうせ消えてしまうのなら、平成くんの消えるタイミングを私なら知りたいと思ってしまうだろう。愛ちゃんもそうかもしれない。少し寂しいね、と話しかける愛ちゃんの表情や感情が一切地の文に書かれていないから、わたしが愛ちゃんになったみたいに感情を肩代わりして、読んだ。少し寂しいどころじゃなくて、やっぱり何と言えばいいのか分からない気持ちで、ちょっぴり泣いた。
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めちゃくちゃ面白かった!
積極的安楽死(精神的苦痛なんかを理由に自ら安楽死選ぶ)が合法化されてる2021年を舞台に、落合陽一とかDaiGoみたいな頭が良くめちゃくちゃ情報収集をした上で世間を斜に見てる感じのタレント(偏見)である平成(ひらなり)くんが、「平成が終われば僕は間違いなく古い人間になる」からと、パートナーの女性に安楽死の希望を打ち明けるところから始まる。
序盤で安楽死したい言い出して、それ以降パートナーの葛藤や情報収集で時間は過ぎるし、これ最後どう終わらせるんだろうと思ってたけどすごい良かった。
ミステリ好きな頭良い人とかが考えながら読んだら想像ついちゃうのかもだけど、私にはすごい新鮮でした。
中盤からラストの展開がめちゃくちゃ面白かった。
平成生まれの中途半端な若者としては、上の人間が「最近の若者は〜」とか言っちゃうの苦手なのだけれど、自分がそう考える未来を容易に想像させられてしまった。令和やべぇ。
はじめは、やたらと出てくるブランド名や固有名詞、これでもかと主張される主人公達のハイソサエティーな暮らしぶりに、「あ〜SNS見てる気持ち」「令和の小説って感じで新鮮ね」と思いながら読んでいたけど、最後に「これが作者の言いたかった令和です!」と突き付けられた気持ち。
何となく買った1冊だったけれど、すごい面白かったです。
追記
古市憲寿さんの書かれた本なんですね・・・すごく納得・・・。
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コメンテイターとしての古市さんの言葉の使い回しがすごく好きで、どんな文章を書いているのだろうと楽しみに読み始めました(^^)
期待以上の物語と表現力に感動でした!
始まり方も、途中のストーリーも、結末もとても面白かったです(^^)オススメの本、上位ランクインです☆
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中盤は面白かったけど、ラストで「え、結局それ?」と疑問を感じた。
この疑問の生じた理由が、本業が小説家ではない古市さんならではの表現故なのか?…とも思ったが、
「まあ、実際にあるならこんな所かな」とも感じる。
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本屋さんで、なんとなくタイトルを聞いたことがあるなと思い、手に取った。
冒頭が刺激的過ぎて、ちょっと動揺。
え、どういう話なの、これ。
しかもたまにTVで見かける古市さんじゃないか。
小説書いてたの?
しかも芥川賞候補作??
というわけで色々気になり、購入に至った本。
読み終わった感想は、色んな感情が残ったけど、やっぱり面白かった!というのが一番かな。
設定も面白い。安楽死が認められているパラレルワールドの日本。変な言い方だけど、現実的っぽくて面白い。
文章も新しいと思う。形容詞が少なく、固有名詞だらけ。人によっては拒否反応を示す人もいると思うけど、テスト的に敢えて使ってみたんじゃないかな、古市さん。私は新鮮に感じて、逆に光景がまざまざと頭に浮かんで、まるでドラマを見ているような感覚で、とても面白い手法だと思った。
結局、平成くんは、終わった人間になりたくなかったというよりは、愛ちゃんの永遠になりたかったのかもしれない。
生きてるんだか、死んでるんだかわからないなんて、私なら一生気になって忘れられない人になると思う。
古市さん、面白かったですよ!
次作も楽しみにしてます!
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ものすごくはっきりと、固有名詞が出てくるのが違和感。全部に掲載許可を取ったのだろうか?(そういうの、必要ないのかな?)