フリードリヒとヴィルヘルムだらけ
2021/05/31 19:29
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
「名画で読み解く」シリーズは本当に面白いです。西洋史に全く興味がなかったのに気が付いたら好きになっていました。今回のプロイセン王家もほとんど知りませんでしたが、王家の始まり、親子の確執など興味深くとても楽しめました。名前が皆フリードリヒ、ヴィルヘルムで混乱しますが、あだ名も紹介されていてわかりやすかったです。「デブの女誑し」なんて身も蓋もないあだ名も。
待望のシリーズ第5作目
2022/02/10 21:31
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投稿者:いっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
待望のシリーズ第5作目。
今まで登場した王家とストーリーが繋がっているのが面白い!
プロイセンといえば、フリードリヒ大王とビスマルクが有名。
フリードリヒ大王も最初から強かった訳でなく、自分の負け戦から徹底的に考察した事がその後の成功に繋がってる(徳川家康と通づるものがある…)
ビスマルクもヴィルヘルム一世あってこその治世だった。お互いが切磋琢磨して、ドイツ統一を成し遂げた。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
優美な「マダムX」で知られるサージェントによる「ガス」
彼がこんな悲しい絵を描いたとは。
プロイセンのホーエンツォレルン家成立の過程(ルターが関わっているとは)、プロイセン王国からドイツ帝国になっていく流れがとてもわかりやすい良著。
217年の歴史の中でフリードリヒ大王、ビスマルクというスターを生み出した歴史は興味深い。
ヴィルヘルム一世の時代に外交と戦略の達人たるビスマルクと卓越した軍事的才能のモルトケが揃ったのは奇跡的。
動乱の時代、最後の皇帝となったヴィルヘルム二世の外交センスゼロさに唖然。
彼にあったのは先人の功績と労苦をぶち壊す負の能力だけだったのは救われない。
何事も壊すのは簡単なんだな。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴィルヘルム1世の御代にビスマルクとモルトケがいた。
この奇跡の結果、プロイセンという国家が生まれた。
そんなプロイセンの命脈を断ち切るために生まれたかのようなヴィルヘルム2世。
桁外れの自惚れ屋で他者の才能と功績を認める事ができない性質というのは君主としては駄目だろうに。
こんな彼でも最終的にナチスとは距離をおいた。
この事実に救われる思いがした。
絵画からプロイセン王家の歴史を復習できる
2021/11/13 15:40
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方の有力者に過ぎなかったプロイセン王家がドイツを統一し、没落していくまでを名画を観つつ解説してくれている本。フリードリヒとヴィルヘルムという名前ばかりでややこしい王様について時代順に一人ずつ紹介してくれていて楽しめました。大王が同性愛者だったとは知りませんでした。「名画で読み解く」の他の本も読もうと思います。
200年に凝縮された数々のエピソードが面白い
2022/02/05 00:34
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
わずか200年程度の歴史、系図もこれまでのハプスブルク家やブルボン王朝などに比べるとシンプルだが、フリードリヒやらヴィルヘルムやら何人も居てややこしい。それはさておき、ヨーロッパの中では比較的短い期間だと思うが、エピソードには事欠かず、そしてヨーロッパや世界史にどのような影響を与えたかがわかって面白い。
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読了:2021/8/14
前書きにある通りハプスブルク家やブルボン家と比べると目立つ女性が少ないので華やかさはあまりないなぁ。ビスマルクが登場してからが断然面白い。
p. 166 一八八八年、帝国議会で皇帝崩御の報告をするビスマルクの声は震え、声は途切れ、ついには手で顔をおおい、嗚咽をもらして議員らを驚かせた。七十二歳の老宰相は戦友を失いら片翼をもがれたのだ。もうこれまでどおり悠然と空を飛ぶことはできない。(中略)ヴィルヘルム一世はビスマルクの政策に否を発することが多く、だからこそビスマルクは知恵をしぼって練り直し、説得させるだけの十分な論拠を用意した。皇帝の胸先三寸でいつでも宰相は罷免されてしまう。ゆえにビスマルクは常に成功しなければならず、実際、成功し続けた。そんな宰相に去られることを、皇帝は何より恐れた。お互い腹を立てつつ離れがたく、苦労も多いがやり甲斐も大きい。二人を引き裂こうとする勢力は常にあったが、彼らの信頼関係はびくともしなかった。
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シリーズ第5弾とのことだが、わたしは初めて拝読した。
私事になるが、プロイセンの歴史については独学ながらそこそこ知識があると自認している。この本は初心者の頃に読みたかったと感じた。
「名画で読み解く」というシリーズのタイトルにある通り、この本は有名な絵画を多く用い、そこに登場する人物についてのエピソードを紹介する形になっている。なので、人物伝を集めたものといった印象が強い。また、同時期に他国で起こっていたことについても紹介されており、大変興味深い。
ただ、残念に思ったのは、現在時点で訂正されているはず(とわたしは思っている)出来事が、それがされないまま紹介されていることだ。なるほど、この本は「名画で読み解く」ものなので、絵画にまつわる有名なエピソードだったから紹介されたのだろう。出来る限り最近発表・出版された書籍を参考にしている様子も伺われる。けれども〝漏れ〟があったことは、ずっと人口に膾炙しているエピソードで、この本でも多く文面を割いて紹介されている人物のものだっただけに、残念でならない。
繰り返すが、この本は初心者の頃に読みたかったと思った。学び始めの方がプロイセン王家=ホーエンツォレルン家について、簡単に知っておくためにこの本を最初に読むには、ちょうどよく、読みやすいものだと考える。
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安定の面白さ。ホーエンツォレルン家なんて、人生で初めて聞いた気がするのに、面白く読めた。(日本史だもの、ってことにしよう。)
印象に残ったのは、ビスマルクのおそるべき有能さ。
しかしこの本らしく絵画で言うなら、一番驚いたのは第6章の扉絵『シャルロッテンブルク宮殿庭園のフリードリヒ・ヴィルヘルム三世と王妃ルイーゼ』。なにこの「少女漫画かよ!」っていう絵は。奥様自慢がよく伝わるけど…けど…!
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他の有名王家に比べてしまうと、日本でのプロイセンは知名度が低いように思う。フリードリヒ大王が何世かなど露知らず、だろう。
そもそも美術史からこの界隈に入った自分からすると、ドイツ諸国はロマン主義まで絵画の知名度が低い、耳の国だ。故に知らないことがとにかく多かった。ドイツ第二帝国の短さにも驚きだ。
他の王家に漏れず、ここも沢山のドラマがある。そして他王家とも繋がっている。相変わらずこのシリーズはビジュアルから入れる上に歴史をかいつまんで知ることができるようまとまっていて面白い。
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ベルリンで、プロイセン王国の歴史を知ろうと色々な本を読み、歴代王・皇帝の名前を覚えたが、まさにそのプロイセン王フリードリッヒ1世以降の王・皇帝それぞれの物語だった。それほど目新しい内容はなかったが、肖像画などを使ってその人物の見た目も紹介していて、一層各人の個性が引き立てられたように感じた。
素直に面白かった。
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情報量が多い!最高!
倒置法を用いた次章への引きで往年の美の巨人たちを思い出した。
本書はドイツ統一を果たしたプロイセン:ホーエンツォレルン家のおはなし。
1701年、スペイン継承戦争のドサクサでプロイセンは公国から王国へ昇格し、王朝の始まりとなった。以降、9代、217年で幕を閉じる。
フリードリヒ1世(猫背のフリッツ)
フリードリヒ・ヴィルヘルム1世(兵隊王)
フリードリヒ2世(大王)…生前から死後まで国内外で大人気の大スター
フリードリヒ・ヴィルヘルム2世(デブの女たらし)
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(不定詞王)…王妃ルイーゼが人気
フリードリヒ・ヴィルヘルム4世(ひらめ)
ヴィルヘルム1世(白髪王)…鉄血宰相ビスマルクと二人三脚。ドイツ統一しドイツ帝国皇帝へ。
フリードリヒ3世(我らがフリッツ)…即位後数ヶ月で病死
ヴィルヘルム2世(最後の皇帝)
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おもしろくてあっという間に読んでしまった。ハプスブルクの同シリーズの後に神聖ローマ帝国がよくわからない~と思って読み始めたけど、プロイセン史は歴史の流れが日本の幕府っぽくてイメージが掴みやすいのと、地域が現ドイツのエリアからそこまで大きく変わらないので(いや、植民地を多く持ったり、領土をびっくりするほど大幅に拡大してたら本当は彼らは良かったんだろうけど)分かりやすかったような気がします。絵画ベースなので近々積んだ「物語 プロイセンの歴史」あたりも手を付けられる勇気が出てきたぜ
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遅れてきた帝国、
ヨーロッパ地図を塗り変える――。
『怖い絵』シリーズなどベストセラー多数のドイツ文学者、中野京子さんの最新刊、いよいよ発売!
ヨーロッパの歴史を名画とともに紐解いていく、光文社新書を代表する人気シリーズで、5作累計30万部を突破。2008年に刊行した『ハプスブルク 12の物語』以来、増刷を重ねています。
長い群雄割拠時代を経て、19世紀にドイツを統一したプロイセンのホーエンツォレルン家は、帝国を形成しヨーロッパ最強国の一角に食い込みます。
フリードリヒ大王とビスマルクという二人の傑物を生んだプロイセン。
本書では、その激動の217年の光と闇、運、不運、そして熱い人間ドラマを、色彩豊かな名画とともに読み解いていきます。(アマゾン紹介文)
確かに「ホーエンツォレルン家」と言われてもぴんとこない、どころか全く知らなかった。プロイセン(ドイツ)の旧支配者のことなのね。
画が主題ではなく王家の物語が主なので、前者を期待するとちょいと肩透かし。ただ、さすがに物語は面白く語られているので、楽しめるんじゃなかろうか。
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GDP世界4位、EUの盟主。”欧州最大の国”ドイツ。その成り立ちは?名画で読み解く王朝シリーズ5作目。今回は、どれよりも物語の方を楽しませてもらった。プロイセン王家は9代。それぞれが強い個性。全員簡単に覚えられそう?いやいや、そこはそれ欧州の王家。同じ名前が何度も繰り返す。一世、二世、名前で追ったら記憶が定着しない。便利にも国民がつけたあだ名がある。「ひらめ」「白髭王」「猫背」「不定詞
王」に「デブの女誑し」・・。成したことと結びつければ統一帝国の出来上がり。「鉄血宰相」?これは王ではなかった。