電子書籍
ウイルスはささやく
著者 武村政春
新型ウイルスが増幅させたものは何か。人々はほんとうは“何に”感染したのか。「ウイルスの惑星」たる地球における生物との共生の関係を見つめ、ウイルスの存在価値を根底から問い直...
ウイルスはささやく
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
ウイルスはささやく これからの世界を生きるための新ウイルス論
商品説明
新型ウイルスが増幅させたものは何か。人々はほんとうは“何に”感染したのか。「ウイルスの惑星」たる地球における生物との共生の関係を見つめ、ウイルスの存在価値を根底から問い直す画期的論考。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「こんなのもあり」から認識の変革を「ウイルスはささやく」。
2021/08/05 11:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年・今年と続くウイルス禍の影響で関心が高まっている「ウイルス」について専門家が語る。もちろん新型コロナウイルスについても基礎的なことが書かれているのだが、本書の面白さはそこから広がる「世界のイメージ」の変容だろう。
・「ウイルスはどんなものか」という定義の話から入って「生きもの」とはなんだろうを考える。
・「大きなウイルス」や「小さなウイルス」の存在から「大きいことがよいこと」「小さいものは弱い」と考えがちな人間の思考がどこから始まったのかを考える。
・最初に「病気を起こす」原因として見つけ出されたので「ウイルス」という名前には「悪い」というイメージがついた。しかし「病気を起こさない」ウイルスもわかってきた。使用される言葉に縛られる人間の思考を考える。
著者の研究に関わるウイルスの紹介部分は少し専門的で難しいかもしれないが、少し哲学的なことがみえてくる。
一度人間が定義しても次々と概念を揺さぶる事実が発見される、というのがウイルス研究の現状らしい。「こんなのもあり」なのかと驚くようなものに遭遇した時の感情を想像すると、ウイルスのことなのになんだか「宇宙人」を考えているようにも思えてきた。それでもまだ「生物」と「ウイルス」には「複製で増える」などの共通点がある。宇宙人はその共通性もない「こんなのもあり」なのだろうか。そういうものに遭遇したときはどんな感情で対応するのだろうか。
ウイルスにささやかれた「概念の変容」。たまにはこんな風に「概念を揺さぶられて緊張する」ことも必要かもしれない。気持ちの良い緊張感だった。