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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
もし自分の目の前にこの鏡があったらどうするだろう、きっと願ってしまうと思う、幸せを求めてしまうと思う。
お話の登場人物たちをみていて、強欲より不信のほうが恐ろしいと感じた。
読後感は悪いというより悲しいです。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1話完結の短編集形式だけれど、
ヴェネツィア生まれの1枚の大鏡をめぐる物語。
時系列も時の流れの通り。
鏡は変わらなくても見る人によっていろいろなモノを見る。
鏡に映るのはいつでも自身。
鏡の物語が双子で終わるのもとても奇麗。
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今までに読んだ著作から、もっとイマドキの女性を書く作家なのだと思い込んでいました。川瀬七緒の『女學生奇譚』を思い出す、古めかしく耽美な雰囲気にゾワゾワする作品です。
不思議な鏡に魅入られた人たち。磨けば願いを叶えてくれるなら磨いちゃいますよね。しかし磨き手が複数いて、すべての人の願いが叶うのだとしたら、ひずみが生じる。タダで願いが叶うわけもなく、必ず代償が要るであろうことにそのときは気づきません。
人の欲を嘲笑うかのような鏡が怖い。映画『返校』を観たばかりだから、鏡に映るものに余計にビビってしまうのでした(笑)。
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優美な独特の世界観に引き込まれた。
磨けば願いを叶えてくれるという鏡を前にして、人間の欲望は果てしない。
なんでも叶えてくれるとしたら、私なら何をどう願うだろう。
考えるだけで恐ろしくなってしまった。
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磨けば願いが叶うと言われる鏡に人生を狂わされた人たちの話.
1章: 鏡の持ち主の若旦那.奥さんは精神的な病で入院中.看護師が若旦那に恋をし,奥さんを殺す.その後,看護師が後妻として家に入るも鏡の魔力で精神的におかしくなり,前妻と同じ道をたどる.
2章: 大震災でズタボロになった後に大金持ちになった人.劇団員に恋をして支援.有名女優となった劇団員は他の劇団員と付き合う.すったもんだあって,支援者が劇団員を殺したのかな?記憶が曖昧だし,1章と2章は逆かも.ここで売られた鏡が若旦那の手元に行くのかな.
3章: 若旦那の世話をしている女性が鏡研師に鏡を研ぐよう依頼.研師と優男がお互いの気持ちを知らずにお互いに恋をする.最後は研師が勘違いから優男を殺し,その事実に気付いて自殺.
4章: 戦争で不自由な体になった奇術師.戦争浮浪児が弟子入り.一発逆転を狙ったオーディションに弟子を参加させるためにスリをした相手が悪かった.オーディションに弟子が向かう途中で奇術師はお礼参りの結果死ぬ.
5章: 4章の浮浪児が鏡を渡す.親もいない貧乏な双子はサーカスに拾われる.双子を利用したマジック.マジックの種がばれないよう,双子ではなく一人の人間と思わせるように生活しなければいけないのに,姉だけが外出して妹は不自由な生活.実はサーカスの団長が買春をさせており,妹を守るために姉は妹を家に閉じ込めていた.彼氏が奪われたと勘違いした妹が姉を殺し,団長も殺し,そして警察に捕まる.
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4.3
→短編集なのですが、どの話にも同じ鏡が関わっていて、その鏡を巡って様々な事件が起こるお話です。
どの話も、どういう展開になるのか全く読めず、すごく楽しんで読むことが出来ました!今回もとても面白かったです。
おすすめです☺︎
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人間の欲望は底なしである。
過ぎた欲は身を滅ぼす
「磨けば望みが叶う」という鏡が軸になった、連続短編集。
ひとつひとつの作品は重く、苦しいものばかりなのに、とても魅了されました。面白かったです。
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「磨けば望みが叶う」鏡にまつわる短編集。この鏡に関わったことで、やっぱり欲が出るのか‥結局は不幸な結末を迎える‥人間模様の描き方が素晴らしいと思います。
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全体的に話が重かった。
磨けば望みが叶うと言われている鏡。
望みを叶えてほしい、と自分の欲望に抗えず破滅していく主人公達を見ていると他人事とは思えなかった。
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人の願いを叶えると言われる世にも美しく恐ろしい魔力を秘めた鏡。
この一枚の鏡が場所や時代を流浪し、関わる人々の運命を狂わせていく5編の物語だ。
主人公は純粋で健気な人たちで、日々の暮らしを誠実に送っているはずだった。
しかし鏡と出会うことにより、秘めていた欲望と心の闇をあらわにしていく。
増すばかりの欲望がやがて破滅へと向かっていく過程が恐ろしくもあるのだが、おぞましい情念がどこに行き着くのか、好奇心に駆り立てられ一気に読み耽けてしまった。
さらに恐ろしい執念とは裏腹に上品で美しい文体が物語の時代背景と共に妖しさを増し、耽美な世界に引き込まれた。
以前『満願』を読んだ時も思ったが、
人の秘められた狂気はなぜこんなにも魅力を放つのか。
背徳感と怖いもの見たさのツボにハマってしまった読後感だった。
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飯豊まりえさんの解説と被りますが、最初から最後まで安定の面白さです。鏡に宿る不思議な力…読めばわかるこの微妙かつ絶妙な「不思議さ」の感覚を是非味わってほしいです。全話◎なのですが、敢えて1番を選ぶとしたら最後の“双生児の鏡”ですね。ありがちとも意外とも感じられますが、なんとも言えないイヤな後味です。
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磨く者の願いを叶える美しい鏡
願いはどんどん醜く膨れ上がっていく
鏡に願いをこめる者達の運命とは
時代と場所をかえて描かれる
人の醜い欲深さと恐怖を感じる
後味は非常に悪い
好き嫌いが分かれる小説
醜さもあるのだけれど美しさも感じる
不思議な感覚に陥る
この小説を色に例えると
紫と黒
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不思議な鏡にまつわる短編集。どれも面白くて読み応えがありました。
最初は純粋な気持ちでいた主人公たちが次第に鏡に魅せられて醜い欲望を曝け出す様がとても良かったです。イヤミスが好きな方おすすめです。
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ヴェネツィア産の磨けば願いが叶う鏡とそれに関わって人達の話5つ!
鏡って怖いな〜特に夜に見ると。
ピエロとかも怖いけど。
ここで、出て来る鏡は、かなり怖そう。
磨けば叶うと半分疑いながらも、実践してしまう人達。
でも、ホントは、鏡やなく、そこに映ってる自分自身が…
自己暗示みたいになって、信じてしまうんかな?
かなり追い込まれた状態で、鏡に遭うから。自分が、毎日、寝癖直す為に見てるような状態やないからな。
しかし、上手く作られてる!
鏡に魅せられて、崩れていく人達。5つの物語、それぞれの人達と鏡。
人は、物語毎に変わっていくけど、鏡は同じ。
時代が流れても生き残っているのは鏡だけ…
やっぱり、この鏡には何かあると思わずにはいられない!
この作者さんのは、読み易いし、面白いので、いつも一気読み!(^-^)v
さて、『スワン』読も!
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人間の飽くなき欲望が皮肉的に描かれています。
また、古い鏡のように少し怪しいものに惹かれる気持ちは、分かる気がします。
「二回も騙される奴があるか。」