アカシヤの大連
著者 清岡 卓行
故知れぬ憂鬱、抑え難い衝動のさなかに「甘美な死」への誘惑から「芳潤な生」へと導いた妻との出会い、そして父と子の細やかな交流の襞々に詩と散文とを織りまぜた独自の世界――「朝...
アカシヤの大連
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商品説明
故知れぬ憂鬱、抑え難い衝動のさなかに「甘美な死」への誘惑から「芳潤な生」へと導いた妻との出会い、そして父と子の細やかな交流の襞々に詩と散文とを織りまぜた独自の世界――「朝の悲しみ」「アカシヤの大連」「フルートとオーボエ」「萌黄の時間」「鯨もいる秋の空」の5部作に一つの青春とその後の生き様を追う。
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戦前の大連に行ってみたくなった
2019/12/28 22:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1969年下期の芥川賞を受賞した「アカシアの大連」を含む短編集。「アカシアの大連」は敗戦直前に故郷の大連に帰った青年の話なのだが、この行動は主人公がどう繕っても徴兵回避の手段の一つだったのではないかと疑う。主人公が戦争から逃げたのだということの可否はともかく置いておくとして、詩人である清岡氏の大連についての表現がまことに美しい、上海が描かれた小説(たとえば横光利一の「上海」)の混とんとして煩雑な国際都市の様子とは違い旧支配者ロシアの建造物に加えて日本が建設した洋館が立ち並んだ長閑な国際都市の風景が目に浮かぶ、そして「大連の海辺で」で紹介されている詩人・安西冬衛氏の一行詩がまた素晴らしい、「てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった」