オムライス日和 BAR追分
著者 伊吹有喜
有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けて...
オムライス日和 BAR追分
商品説明
有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが……(「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー――二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで贈る待望の第二弾。
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なぜか琴線に触れる
2016/03/16 08:10
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Atsushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
新宿から少し離れたところにある小さな繁華街、ねこみち横丁。寂れているわけではないけれど、若者たちで賑わう場所でもないこの横丁には、人情と美味しいものを知っている大人たちが集まっている。
物語の主な舞台となるのは一風変わった飲食店、BAR追分だ。昼間は定食とコーヒーが美味しいカフェとして営業、夜になると本格的なカクテルを供する酒場へと変わる。語り手となる宇藤は横丁振興会の管理人として雇われた脚本家志望の青年で、BAR追分と同じビルに寝泊まりしながら、横丁のホームページを運営したり、近所の人々から便利屋さながらに様々な依頼や相談を受けている。
落ち着いた横丁の話であるから、大きな事件が起きることは滅多にない。街に居着いた猫が最近太ってきたのはなぜ?とか、BAR追分の異様にハンサムで無口なバーテンダーは何者?というちょっとした謎がストーリーを引っ張っていく。それだけでは弱いじゃないかと思われる方もあろうが、そこはご心配なく。ねこみち横丁とBAR追分には、人を惹き付けて止まない、美味しい食べ物があるのだから。
小説を読んでいてお腹が空いた、あるいは書いてあるものが食べたくなったというのは、その小説の魅力をポジティブに語る時のキャッチコピーとして頻繁に使われる言葉だが、私個人としてそういう体験をしたことはさほど多くはない。身も蓋もない言い方をすれば、食べ物がいかに克明に描写されようとも「絵に描いた餅」だからだ。あくまで登場人物たちのために用意されたものであって、今、私の眼前で湯気や香りを立たせているものではないから。
こちらの想像力の問題と、お腹が空いている時に読書はしないというのはあるにせよ、食べ物の在り様を上手に書いて見せることと、それを読んだ側が美味しいそうと感じることの間には、それがフィクションであることを忘れさせる何かが存在しない限り、埋めることができない大きな溝がある。
ではなにが必要なのか? 登場人物への共感、ストーリー展開への興味、食べ物が出てくることの必然性、などいくつも考えられるけれど、ここではそんな理屈を並べるよりも、ねこみち横丁のBAR追分に行ってみた方が早いと言わせて頂こう。
ちなみに私のオススメは「オムライスのクリームシチューがけ」です。
カツ丼とオムライスが食べたくなる
2016/02/24 19:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ2冊目になって、主要キャラクターの輪郭がどんどん鮮明になってきて、楽しみが増えてきた。横丁の住民も続々登場、より物語の背景世界が身近になってきた気がする。
「四十九日のレシピ」でもそうだったけれど、伊吹有喜の描く料理はどれも美味しそうだ。即席オムライスなど、実に参考になった。
4篇の内、最も面白かったのは「オムライス日和」。宇藤君に益々肩入れしてしまう。
「猫の恩返し」で著されるカツ丼談義も興味深く、思わず手を叩いてしまった。また、黒ネコの名がビル・エヴァンスに因むとは、私にとって何よりのサービスだった。
いいなあ
2021/12/07 13:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
特別な書き方をしてるわけではないのに、
それぞれのキャラクターが生き生きしてる。
オムライスも餃子も食べたい。
マイナス1は副会長のぶん
2016/03/04 15:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろこしゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊で続編が出ていました。
メインのキャラがけっこう掘り下げられてはいたけど、内容的には前作のほうが良かったな。
前作はどれも何度も読み返したくなるくらい好きな話が多かったんだけど…。
今回は若い人で女性がメインの話が多かったせいかも。
年配の人とかおっさんが活躍する内容のが好きなのでいまいち物足りない。
横丁の住人たちが増えてきたので今後にさらに期待。
会長と副会長のコンビをもっと出してくださーい!!!!
今回は副会長不足だったのが私的にはイマイチだった最大の原因かもです。
作中に出てくる手抜きオムライス、真似して作ってみたらはまりました。
美味しそう
2022/07/31 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
BAR追分で出される料理は普通のメニューやけど、特別な素材を使っているわけではないが、妙に美味しそうですね。近くにあれば行ってみたいですね。
シリーズ第2弾!
2018/08/25 22:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
BAR追分の続編です。やっぱり面白い!アップルパイも食べたくなる。オムライスが食べたくなる。餃子が食べたくなる。豚の生姜焼きが食べたくなる。そして、BAR追分だけでなく、ねこみち横丁自体に行きたくなりますね。登場人物の過去にも触れられ、新たな登場人物?も現れて続編でる要素が…。続編がでるの期待して、続編でたら今回は話になかった地下の湯の話も書いてほしいですね。