サード・プレイス

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自分を出せずに周りに合わせてしまったり、親とうまくいかずにモヤモヤした毎日をすごしたり。悩みを抱えた中学生がサプリガーデンという共有スペースをサードプレイス（第三の居場所）として見つけて、いろいろなことに気づいていく青春物語。短編。

中学生時代はずいぶん前のことになったけれど、いろいろな悩みは持っていたと思う。この小説に出てくるようなサードプレイスが自分の身の回りにあれば、いろいろな出会いや発見があって楽しい青春時代になったんじゃないかと、うらやましく思いました。

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家でも学校でもない第3の居場所「サード・プレイス」中高生のためのその場所では、好きなことを好きといえる空気があった。中学生になってから、アニメオタクを隠して友達に合わせていた瑞希は、ここで「好きを全開にしていい」という解放感を感じた。すると、引かれるかも、と思っていた友だちとの関係にも変化が…。4人の中学生をめぐる連作短編集。「サード・プレイス」で自分に正直になったり、自分を再発見したりする中学生たちにエールを贈りたくなる物語。

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家でも学校でもない、
ここはきみの第三の居場所＜サード・プレイス＞
中高生が自由に、やりたいことに挑戦できる場所。

現代ならではの悩みもあれば、きっといつも中高生が通る道みたいなものもあった。悩んで成長していのだろうけど、その中でこんな場所があったら素敵だな。居場所だけれど、それはきっと自分が進んでいくための場所。
久しぶりに細々と感想を書いてしまいました。

○サブ垢
学校と趣味は切り分けて生活する瑞希。学校ではおしゃれな友達と服やお店の話、SNSでは好きなマンガの話。いつのまにかリアルがサブ垢になってた瑞希の気持ち、すごくわかる。現実はいろんなことを気にしてうまくやっていかなきゃいけない。好きなことばかりの世界じゃやっていけない。それでもサプリガーデンに行ったおかけで生きやすくなったのかな。他の３人のお話で出てくる瑞希は楽しそうで、大事な居場所をみつけたんだな。
○規格外品
周りに信じてもらえなくていつもどこかイライラしてるダイ。がんばろうと思ったものがダメになって、そんな自分がイヤで。ある意味真面目すぎるんだろうな、自分に対してのプライドが高い。みんなの中に入れない規格外品。でも普通のものよりおいしかったりするのかもしれない。
○チェンジ！
中学生になったばかりで周りの変化についていくのでいっぱいいっぱいなぴよっち。友達から聞く恋愛も、学校での生活もなんだか現実味がないみたい。サプリガーデンでいろんな人と話すことで見方や考え方が変わっていく。中学生にとって、大学生ってすごく大人にみえるんだよね。家族のこととか、学校や家ではないこの場所だからこそ、相談したりできるのかな。
○成長痛
勉強が得意で入った中学校で、ビリになって焦るてらちゃん。青春ヤロウには関わりたくない、すごくわかる。笑
周りと対等じゃないと楽しめない、それってきっとすごくもったいない。見方が変わって楽しめてよかったな。フェスも成功してよかったよかった。4人で集まってるのなんかよかった。

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1話ずつスキマ時間に読もうと思ってたけど、止まらなくて一気読みしてしまった笑

てらちゃんに1番共感した。成長痛があるから、それを乗り越えた先にみえるものはすごく嬉しくて、達成感もあるのだろうなぁ。

えみりんやゆっきーやケロちゃんやケンケンみたいな、「それもアリこれもアリ」って言って後押ししながら一緒に進んでくれる、友達のようだけど頼りになる先輩のようなあったかい人になりたい✨　

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1話目の「サブ垢」。友だちの話題に合わせるためにSNSで情報を仕入れるとか、「こういうフツーははずしちゃいけない」とか、読んでて辛い気持ちになったけど、幼なじみに再会して、自分が勝手に誤解していたことがわかったあたりから穏やかな気持ちで読めました。

中高生にとっては、大人より、自分よりちょっと上の人の体験談は響くだろうなあ。

そんな中、3話目「規格外品」で陸上部顧問の先生のセリフ
「まっしぐらに走るのも大事だが、これ以上進めないって時は、ちがう道を探すのもひとつの手だ。それは逃げじゃない。新たな道の探求だ。」
が一番心に刺さりました。

勇気を持って違う道への一歩を踏み出せそうです。

そんなわけで、中学生から大人までおすすめ！

今住んでいる自治体でも、今月から中高生をターゲットにしたような施設がオープンしたと広報誌で見ましたが、この本のように、大学生や中高生が自ら運営をしているようなところではなさそうなので、ハコモノで終わらないよう願います。

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短編ごとの主人公が徐々に次の短編でのサブキャラに増えていって最後にはそれぞれの短編の主人公が全員出てくるというシナリオ書きがとてもおもしろかったです!

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中学1年の瑞希は、受験して入った中学校ではSF漫画オタクだということをひた隠しにしていた。偶然出会った小学校の時の友人に誘われて「サプリガーデン」という中高生が無料で利用できる施設を知り、そこでオタクの友人ができた瑞希は、「サプリガーデン」のフェスでコスプレ体験イベントを企画することにする。
母と二人で暮らす中学2年の大輝は、陸上部の幽霊部員だったが、先輩にタダ飯を誘われて「サプリガーデン」を訪れる。小学6年のときに万引の共謀を疑われてから卒業まで不登校した大輝は、気持ちを入れ替えた中学でも、陸上部で結果を出せず、部活はやめもせずに休んでいた。そんなところ、自分のやりたいことを諦めないキーマ先輩に出会い、「サプリガーデン」フェスの実行委員を引き受けることにした。
中学1年の陽菜は、新しい環境にうまく溶け込めず、家族の不和にも悩んでいた。学校で案内のあった「サプリガーデン」に偶然行き着いた陽菜は、そこでマフィン作りに参加する。初めのお菓子づくりは新鮮で、そこでは、いろんな年代や立場の人たちの意見を聞くことができた。兄の高校転学や両親との関わりについても考えを深めた陽菜は、家族会議で高圧的な父に意見する。
「サプリガーデン」の自習室を使っている亮は、中学受験に成功したものの、中学では最低位の成績に悩んでいた。成績の良いクラスメイトは、勉強だけでなく、ボードゲームまで自作してしまう。いつも息抜きにドラムゲームをしている亮は、「サプリガーデン」で本物のドラムを叩いて魅了されるが、勉強のためにそれも押さえた。フェスのコピーづくりを押し付けられてしまったが、不本意で、「サプリガーデン」への足は遠のいた。大事な期末考査の朝、腹痛のため登校途中で下車しなくてはならなかった亮は、試験に遅刻したことが確定的だったことからサプリガーデンに向かいドラムを叩く。

成長期の悩み真っただ中の少年少女たちが、家でも学校でもない居場所「サードプレイス」を見つけ、そこでの出会いから新しい扉を開いていく物語。







*******　ここからはネタバレ

こんな設備があって、こんなふうに運用されていたらいいだろうなという夢物語ですね。

ドラムのある音楽スタジオがあって、料理教室や自炊のできるキッチンもあって、自習室もあって、大学生のボランティアが勉強も教えてくれて、フリースペースには大型液晶ディスプレイもあって、映画の上映会なんかもできてしまう。
運営は区。利用料は無し。
こんなところがあったら、少々無理してでも引っ越したいですよね(笑)。

きっと、こんな場所があれば、青少年は多角的に物を見たり小さなことから挑戦できたりするので、新しい一歩が踏み出しやすくなるよねってことなんだと思うんです。

でも、実際にはこんな場所ないですよね?
いや、私が知らないだけかも知れないのですが。
なので、オトナは、あーこんなのあったらいいよねって思うんだと思うんですけど、私が子どもだったら、そんなのないのにどうすればいいの??って思ったのではないかと思うんです。

だから、ここを中心とした物語ばかりではなくって、例えば引っ越して「サプリガーデン」なくなったけど、なんとか自分の世界を広げてがんばってるよみたいなストーリーも入れてほしかったと感じました。

表紙も挿絵もかわいいし、4話仕立てて短くてとても読みやすいしので、読める子なら中学年からイケますが、内容的には高学年以上がいいかと思います。

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中高生が利用できる施設サプリガーデンに来る少年少女たち。
サードプレイスの役割は様々だろうが、ここでは新たな出会いが描かれる。初めての人や物事との出会い、家や学校とは違う価値観との出会い。それらを経て得るもの。
こういう場所も必要だと強く思う。

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学校でも家庭でもない、第三の居場所を必要とする中学生たちの物語。
第三の居場所を必要とする理由はそれぞれだけれども、絶対的に必要不可欠というほどの切迫感はなく、だけれどもやっぱり必要とされていて……というフワッとした感じがリアルで親しみが持てました。
第二話「規格外品」の主人公ダイの、思春期の男の子特有の跳ねっ返り具合がとてもシンプルで分かりやすかったです。
親視点で読んでしまい、ぐっと引き込まれました。

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学校、家以外の場所ってほんとうに大切だと思います。私の周りにもこんな場所ができたらいいなって思いました。