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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日:2021/07/08
  • 出版社: 講談社
  • ISBN:978-4-06-524128-8

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氷柱の声

著者 くどう れいん

第165回芥川賞候補作。語れないと思っていたこと。言葉にできなかったこと。東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。それからの10年の時間をたどり、人びとの経...

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氷柱の声

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第165回芥川賞候補作。

語れないと思っていたこと。
言葉にできなかったこと。

東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。
それからの10年の時間をたどり、人びとの経験や思いを語る声を紡いでいく、著者初めての小説。

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みんなのレビュー26件

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評価内訳

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この小説の素直さが好きだ

2021/09/22 17:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第165回芥川賞候補作。
 惜しくも受賞には至らなかったが、東日本大震災を扱ったテーマに真摯に向き合っている印象を受けた。
 今回の受賞作、石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』も東日本大震災のあとを生きる若い世代を描いていたが、2011年の震災から10年を経て、若い人たちがあの日とその後を描こうとする姿勢に拍手を送りたい。

 作者のくどうれいんさんは、1994年生まれの岩手県盛岡出身の歌人。この小説の主人公である伊智花と同じようにあの震災の時は高校生だったろうか。
 俳句や短歌の時は工藤玲音、長い文章の時はひらがな表記の著者名にしているという、そんな彼女のこれは初小説になる。
 震災当時高校生だった彼女のその後を点景のようにして描いていく作品で、彼女が出会う人たちもまた震災の傷をひっぱっている。
 伊智花は震災体験者といっても、内陸であったおかげで大きな被害を被ったわけではない。しかし、その一方で彼女はそのことに後ろめたさのようなものも感じている。
 「何かを失った人間にしか、当事者しか起きたことを語る資格はない、と思うきもち。(中略)綺麗事を言うなと叫ぶ行為そのものが、またひとつの綺麗事になってしまう途方のなさ。」
 あれだけの大きな犠牲者が出た災害だけに、そのことを表現することの難しさやもどかしさを実に正直に描いた作品といえる。

 東日本大震災をめぐる作品群は、発生から10年を経て、前に向かって歩き出したのだろう。

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