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父の再婚により新しい母・瞳子さんと中2の弟・晴彦と暮らすことになった高校1年のちぐさ。ある日、晴彦がブラジャーをつけているところに遭遇して、これはあれだ、保健とか道徳で習ったやつだ、と思うが晴彦はおしゃれで着けているのだという。似合う。理解とか共感とか好きなこととか。とっても読み心地のいい青春小説。おすすめ!
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「普通」であることが当たり前と思うことの残酷さ、「普通」であると見せようとする残酷さ、「普通」ではないという自覚からくる嫌悪。
嫌われたくない、普通じゃないと思われたくない、という思い。
主人公ちぐさが友人に抱いている「遠慮」や「どうせわかってもらえない」という気持ちもよくわかる。
実際に話してみないとわからないはずなんだけど、きっとこう反応するに違いないと思うと言えなくなるし、諦めてしまう。傷つけないから、傷つけないで。うぅ、わかりみ。
とりあえず、友だちが意地悪な子じゃなくてよかったし、彼氏も変な噂を流すようなやつじゃなくてよかったw
でも、きっと「友だちだから」「好きだから」という条件がついてくるんだろうな、とも思う。
文中より〜
私も晴彦も、お互い、信じられないことだらけだ。これから幾度となく、わけわかんない、と目をむき合うに違いない。
でも、わかろうがわかるまいが、ただ、それらを知っていくだけなんだと思う。
気になったのは、ちぐさと瞳子さんが睨み合ったあと、その2人がどんな話し合いで収まったのか。
次の話の中ではすでに半年以上が経過してて、すごく普通に2人が話していたから…。
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父の再婚により弟となったのはブラが好きな男子中学生だった。
相手のことを思いやることは自分のことを守るためなのか。気持ちを言葉にして確かめ合いぶつかり合う姿が不器用で潔い。それがこれからの姉弟の関係性を築いていくのだろう。
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図書館にて。
フレッシュだなと思った。
生き生きして新鮮な世界、文章も何か新鮮に感じた。
初めて読んだ作家さんだからかな。
この本の中のぎこちない、もどかしいそれぞれの人間関係にマッチしていると思った。
もがくような世界の中に突如くっきり現れる、2作目ラストの晴彦の父親の存在が異質で際立っていて不気味で良かった。
あと、表題作中、主人公が思わず友達や彼氏に本音を叫んでしまうシーン、現実ならここでもっと険悪になったり、いじめや無視に発展したりするのではないかと怖かったが、そうはならなかった。
現実的に、毎回そうなるものではないかと思ってしまっている自分もどうかと思ったが、この世界はいいなとも思った。
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★うちはでき合いの家族なんだよ
【感想】
・繊細で危うい。どこかで破綻するだろう。脆い出来合いの家族が丈夫な家族になるためにはどんな破綻とどんな修復が必要だろう?
・高品質な少女マンガを読んでる感覚。
・開き直った後のちぐさがとてもいい。
・ふつうならまず読みそうにない本でしたが、どこかのサイトで感想文を見かけて興味を抱きました。感謝します。
【一行目】
吹き抜ける涼しい風に乗って、金木犀の甘い香りがふわりと広がった。どこからか野焼きの匂いも漂ってきて、辺り一面に秋が立ち込める。
【内容】
・父親の再婚でいきなりできてしまった弟はブラジャーを愛していた。とても綺麗なので。姉はとまどいつつも魅了される。
▼簡単なメモ(ほぼ引用にしてみた。誤字脱字あると思うので謝っときます)
【会いたい人】《会いたいと思う人は、多ければ多いほどいい。》p.176
【怒り】《物わかりのよさなんて、捨てればいい。怒ればいい。》p.178
【異物】《家族が増えるということは、生活に異物が増えるということだ。》p.10
【陰キャラ】《単純に、自分たちが強い側にいることに無自覚な人が、こわい。》《彼らがつくる「ふつう」は、いつだって私を刺せる。刺すつもりもなく、刺せる。》p.44
【絵美】「ちぐさ、ちょっと違うな、って思っても、笑うか黙るかじゃん。どうせこの辺りまでしか考えられないだろうって、あたしを勝手に見積もってあきらめてる」p.83
【覚悟】《真正面に向かい合って、はっきりと返事をする。自分の声の強さに、私はここに来るまでの間に、なにか覚悟のようなものを決めていたと気づいた。投げださない覚悟と、うそをつかない覚悟を。》p.87
【悟】ちぐさの父。瞳子さんいわく《こっちがひどいこと言ったときは憎らしいぐらい的確に言い返してくるし、もうかまわないで、って怒っても、おかまいなしにずけずけ怒らせてくる。でも、そうやって腹立て続けていくうちに、自分の中に溜まってた不健全さ、みたいなものがちょっとずつ消えていく気がしたのね》p.148。晴彦いわく《おれが知ってるおとなの中で、いちばんちゃんとおとなができる人だと思う。》《一定の範囲内でしか揺らがないし、揺らがないように接してくれてる。》p.166
【沢蟹】道路をのろのろ這う沢蟹を見かけて《道路を横断しきる前に、そこのカーブから曲がってきた車や自転車にくしゃりと轢かれてしまうんじゃないかと、見かけるたび靴の中で指先をきゅっと折り曲げたものだ。》p.9
【好き】晴彦《おれは、好きだって気持ちを大事にしたい。正しくなくても、合ってなくても、好き、を手放したくない。うそにしたくない。》p.191
【ちぐさ】中川ちぐさ。主人公。晴彦いわく《あんた、なんかヘンに打たれ強いから手加減忘れるっつーか。》p.134
【でき合い】《うちはでき合いの家族なんだよ。》p.81
【智くん/ともくん】《たぶん、智くんのうちでは、家事はおとうさんがするものじゃないんだろう》p.13。《かわいさもやさしさも、私が智くんのためにこしらえたもので、それをふるいにかけず、そのままそっくり受け取れるのは、健やかに育ってきた証だ。智くんのそういったところが、私はとても好きだ。》p.15
【瞳子さん】晴彦の母。
【仲直り】ちぐさ《うちの場合、気づいたら仲直り、ってのはたぶん無理。それほど丈夫じゃないから》。絵美《丈夫じゃないって言うなら、丈夫にしなきゃ、いつまで経ってもそのままじゃない?》p.85
【春】《もうね、春大好きなの。ゆったりしてて、気持ちよくって、ずっと夢の中で泳いでるみたい》p.117
【晴彦】《切れ味抜群の鋏で切り抜いたような、綺麗な横顔だ。》p.10。「晴彦、檸檬似合うね」p.157。《自分だけが知っていればいいこと、抱えておけばいいこと、言ってもどうにもならないことは、言わない。句読点の前後を、誰にも気づかれないように飲み込む。》p.158
【晴彦の実の父親】青山典文。《もう退場した人、だと思っていた》p.161。《自分に合ってないというのは、つまり、似合わないってことだろう。そんなもの、いくら好きでも、身に着け続けるうちに嫌いになってしまわないか? 好きなものを憎むようになるぐらいなら、手放したほうがいい。》p.190
【ブラジャー】《ブラジャーが、おしゃれ。》p.23
【鞠江】絵美いわく《ほほえみ流しはマリで間に合ってるから! あの子の場合、目が笑ってないからわかるけど、ちぐさは溜め込むからさ。わからせてよ》p.85
【見える】瞳子さんいわく《見えるものって、多ければ多いほど苦労するわ、きっと。》p.95
【良い人】《良い人の「ふり」をして、腕を広げて受け入れさえすれば、誰も落っことさずにすむ。誰も傷つけずにすむ。そう、思っていた。》p.107
【輪】《些細なことで私たちの輪はたやすく壊れる。こんなことで、手を放すわけにはいかない。》p.31
【わかる】《ぜんぶぜんぶ、わかってはいる。どうすればいいのかってこと以外は、ぜんぶ。》p.149
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両親の結婚で姉弟になったちぐさと晴彦。弟がブラジャーをつけしかも似合いすぎていることに衝撃を受けながら、互いの距離を縮めていく。友情、進路、家族への思いなど悩み尽きせぬ高校2年生。真っ直ぐな気持ちで体当たりでぶつかっていく姿が清々しかった。
表紙の絵もいい感じです。
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父親の再婚でできたブラザーのブラジャーをキーワードにした話。
ちょっと説明くさい気がするけれどとても分かりやすく物事と向き合っていて自意識や世間の目が気になる気持ちをハッとさせてくれる。
主人公はとても切れやすい・・・と思ったけれど思春期なんてこんなもんなのかもしれないし、キレることができる環境に身を置けているって結構ラッキーなことなんだよなぁと思ったりもする。
生活っていう土台があって、だからこそ自意識や世間と向き合えるんだよね。
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日常系、ブラジャー要素は低め。
思春期もの。
オッサンの自分がこんなの読んでどうするのかと思った。
共感できないし、憧憬もなかったし。
この本の評価高くしてたの女性の人とか若い方だろうか。
なんで自分にオススメされたのか謎。
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これから私は、何度となく、さらりと、ふつうの輪から外れていることを突きつけられるのだろう。通り魔に刺されるみたいに、予想もしないタイミングで、あっという間に傷つけられてしまうんだろう
ちょうど子どもが悩みを打ち明けてくれた後に読んだので心に響いたな。
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父子家庭に育った女の子ちぐさ。父悟の再婚
相手瞳子に2歳下の連れ子晴彦がいた。晴彦
は男の子ながら、ブラジャーを愛する趣向を
持つ男の子だった。新しい家族と向き合うち
ぐさと晴彦を中心にストーリーが展開する。
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前半はすっかりちぐさと晴彦を応援したくて、彼氏さんに「放っといてやれよ〜」と思ったりもしたけど、確かに彼女が突然現れた義理の弟と下着を買いにいくっていやだなあ。
冒頭の感じでは、主人公によくある(?)「自分の思いは飲み込んでやり過ごす系冷めた女子高生」と思ってたけど、実はかなりアツいキャラ(とくに彼氏と喧嘩したあたりから突然)だったことに若干違和感を感じた。でもアツくて10代っぽくてよかった。読後スッキリ。晴彦が最後にちぐさの名前を呼んだのよかった。「姉ちゃん」じゃなくて「ちぐさ」なの解釈一致。
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すぐ読み終わったし
キラッキラ度は
己の青春時代と全く違うけど
少女マンガ読んでるみたいに
胸キュンしたから
素直に評価して星4つ
とにかく!
すぐ!
読み終わる!
さらっと読めるの好きな人にオススメ
重厚なの好きな人にはオススメしない
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父親の再婚で、新しい母親の瞳子さんと弟の晴彦と4人で暮らすことになった。そんなある日、晴彦がブラジャーをつけてるところを目撃してしまう。
「あ、これ学校で習ったやつ…」
と思っていると、そう言うことではなく形やデザイン、繊細な刺繍などが好きなだけだと晴彦は弁解する。ちぐさも理解しようとするもある言葉で晴彦を傷つけてしまい…
なんか高校生の教室や友人関係などがなんとなくリアルだった。ちぐさの彼氏の智くんは、サッカー部のキャプテンだし生徒会もやってるしかっこいいしで素敵な彼氏。だけど、智くんが何気に言う「陰キャ」に、ちぐさは嫌な気持ちになる。智くんの妹で友人の絵美も勝手に人の椅子に座って、その人が戻って来ても無視して座り続ける。なんというかクラスカースト上位の人そのものなんだよね。
晴彦とちぐさが買い物してるときに、ちぐさの友人にばったり出会ってしまったときのシーンがドキドキしてしまった。
「だる、とか、きも、とか。
口にするとき、彼女たちはいつも、すっと、目線を下げる。視線で、人を落とす。
輪の外、じゃない。
あるのは、輪と、輪の下だ。」
ここがうわぁぁってなった。確かにそうなんだよ。輪の中と外じゃないんだよ。輪と輪の下。まさにこれなんだよ。
晴彦とちぐさが少しずつ仲良くなって、なんか兄弟みたいになって来て良かったと思ったし、ちぐさは晴彦に対しては自分の気持ちとか素直になるとか出来て良かったよ。
2022.1.26 読了
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好きだって気持ちを大事にしたい。正しくなくても、合ってなくても、好きを手放したくない。
…素敵!ラストにかけての躍動感がたまらない。
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全体的に登場人物の気持ちが丁寧に描かれていて、どの人物にも多面性があって、読んでいておもしろかったのですが、ちぐさが感情不安定すぎて、ちょっとついていけなかった。