認知症 そのままでいい
著者 上田諭
日本の人口の4人に1人が高齢者となった現在、高齢者の5人に1人(85歳以上ならほぼ2人に1人)は認知症という状況である。認知症は老いた人の脳に起こる「自然な現象」であり、...
認知症 そのままでいい
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商品説明
日本の人口の4人に1人が高齢者となった現在、高齢者の5人に1人(85歳以上ならほぼ2人に1人)は認知症という状況である。認知症は老いた人の脳に起こる「自然な現象」であり、受容し悲観しないことが、介護する人・される人双方にとって幸せにあるためのスタート地点である。本書では、治らなくていい、と心から思えるように気持ちや見方を切り替え、認知症の人を助け、いたわり、共にできることを、認知症を専門とする精神科医の立場から考える一冊である。
目次
- はじめに/序章 認知症を喜んで受け入れること/認知症は「特別な病気」ではない/堂々と認知症になれる社会へ/第1章 認知症の大誤解/1 認知症は予防できない、治らない/よくしようという発想は無用/認知症の危険因子とは/認知症の前段階で食い止められる?/認知症への進展を抑えられる?/加齢による脳機能の低下は必然/政府「減らす目標」の愚かしさ/認知症は「ふつう」、認知症でないことが「特殊」と考えよう/アミロイド撃退薬への過剰な期待は禁物/「アミロイド原因説」は、もう古い/抗アミロイド薬の現在地/2 早期発見しても治す薬はない/何のための早期発見か/「早くみつけて治そう」ではなく、「発見後にどうするか」が重要/抗認知症薬の効果の限界/東京都発行のパンフレットにも“幻想”が/抗認知症薬を保険適用外にしたフランス/日本でも異例の承認だった?!/心情への医師の鈍感さ/3 注意することで記憶はよくならない/「日付を誤らないこと」がそんなに重要か?/助け支えるが自然な人の情/4 認知症の人は明るく、元気である/アルツハイマー病の人は無気力、無関心か/周囲がいやな気持ちにさせていないか/第2章 認知症の人の行動をよみとく/1 行動心理症状(BPSD)とは何か/認知症は心を乱す病でもある/初期の人の心情を重度のそれと捉えていないか/「問題行動」「困った人」と決めつける前に/日々の「つまずき」に気づいてあげる、それを支える/脳の障害という視野の狭さを捨てる/2 一日中の物探し/探すものは何か/「ここは私の家じゃない」/どこに帰りたがっているのか/3 物盗られ妄想/「私の物を盗った」の奥にある心の叫び/認知症でない人の被害妄想/孤立・孤独が妄想を招く ほか
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なるほど。発想の転換
2025/01/17 15:35
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
高齢化が進む日本社会では、今後認知症患者の増加は確実だが、現代の医学では根治療法はない。
本書の著者は、認知症を専門とする精神科医だが、認知症の症状を否定的に捉える視点自体が問題だと言う。
認知症を「老化とともに訪れる自然な現象」と定義し、被害妄想や人物の誤認などさまざまな症例との向き合い方を解説する。「認知症は治らなくていい」と受容する姿勢は、介護する人もされる人も、双方が幸せになるための特効薬なのかも知れない。