ミャンマー政変 ──クーデターの深層を探る
著者 北川成史
2021年2月1日、ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束した。民主化に舵を切ったとみられていた国で起きた突然の政変は、世界に衝撃を与えた...
ミャンマー政変 ──クーデターの深層を探る
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商品説明
2021年2月1日、ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束した。民主化に舵を切ったとみられていた国で起きた突然の政変は、世界に衝撃を与えた。民政移管後もなお大きな力を維持していた国軍が、なぜ今クーデターに踏み切ったのか。その背景にあるのが、ビルマ人ナショナリズムに基づく国軍、スーチー率いる民主派NLD、国内に100以上存在するとされる少数民族の因縁だ。現地取材をもとに三者のもつれた関係をひもとき、クーデターの深層を探る。
目次
- 第一章 クーデターの衝撃/1 未明の急襲/驚き/東京/宣言/2 暴挙の前兆/決裂/圧勝/熱気/主張/疑義/準備不足/3 広がるデモ/反発/共闘/新世代/圧力/記念日/警鐘/内戦/本書の視点/第二章 スーチーと国軍/1 創設の父、対立の娘/第一友好橋/ビルマ人王朝の繁栄と衰退/独立の英雄アウンサン将軍/父の姿を追う娘/ネウィンによる軍政/表舞台へ/民主化への戦い/解放/2 特権の侵食/国軍の特権/NLD政権のウルトラC/国際司法裁判所への出廷/国軍との対立構図/巨大な経済利権/3 冷めた関係/国軍総司令官の野心/自己陶酔/軽視された助言/水と油/第三章 多民族国家の矛盾/1 ロヒンギャ七〇万人の流出/「民族浄化」/苛烈な掃討作戦/根強い差別意識/「仏教テロの顔」後継団体を訪ねて/ロヒンギャのルーツ/少しずつ奪われる権利/スーチーは何を語ったか/過激派集団ARSA幹部の証言/遅れる帰還/マハティール前首相の視線/2 独立国「ワ」/舗装された道/和平三〇周年祝典/国内に割拠する少数民族武装勢力/「中国は兄弟だ」/祝賀ムードの裏側/3 タイ国境の両側/「タイ」と名乗る人々/アヘン栽培の悪名/難航する和平プロセス/アウンサン将軍像をめぐって/忘れられた難民/クーデターの影/第四章 狭まる言論/1 真実への報復/インセイン地区裁判所/「なぜ、お父さんは帰ってこないの」/一年五カ月の拘束/虐殺の舞台/粗雑な官製ツアー/刀傷/2 後退する自由/国営メディアの優遇/NLD政権への失望/相次ぐ報道関係者の逮捕/朝日新聞への異議申し立て/討論会への横槍/日本人ジャーナリスト摘発/3 暴走するSNS/殺害予告/デマとヘイトスピーチの温床/民主主義の武器になれるか/第五章 問われる国際社会/1 関係国の思惑/凍結した巨大ダム計画/非難を避ける中国/ASEAN臨時首脳会議/国軍記念日を祝う八つの国/制裁から協調へ/2 日本の役割/日本ミャンマー協会前デモ/将官級交流プログラム/「親しい関係にある大切な国」/決断のとき/あとがき/ミャンマー年表/主要参考文献
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クーデタードキュメントと、ミャンマー情勢をまとめて文章化した1冊
2021/07/28 13:30
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年2月1日、ミャンマーで発生した国軍によるクーデター。当時の国内の様子を現役新聞社員の著者が取材し、そのドキュメントの内容を文章化した1冊です。
また、途中でミャンマーの情勢はどういうものなのかを、ミャンマーに詳しい著者が分かりやすく文章でまとめています。
日本人があまり詳しく知らない国・ミャンマーの今について、基礎から学べる画期的な新書です。読み進めると、今回の国軍クーデターに当然の感情で憤慨するでしょう。こんな不自由な生活を余儀なくされる国が、現代にまだあるのかと思うことでしょう。
紙幅が254頁ありますが、一気に読み進めることは可能です。