すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
著者 太田省一
1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション...
すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
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商品説明
1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション・ツールとなったのである。そこにおいてシンボル的な存在となったのが、タモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」だった。先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、Mー1グランプリから生まれた新潮流、そして2010年代に入って頭角を現した「お笑い第7世代」……。今なお中心的存在であり続ける「ビッグ3」を軸に、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出す!
目次
- 序章 笑いは世界の中心に──なぜいま、タモリ、たけし、さんまなのか?/2018年に起きた“事件”/「お笑いビッグ3」誕生の瞬間/可視化された「笑う社会」/笑いは世界の中心に/漫才ブームと「ビッグ3」それぞれの関係/「笑う社会」に変化の兆し/本書の流れ/第1章 「お笑いビッグ3」、それぞれの軌跡──80年代まで/1 変わらぬ趣味人・タモリ/ジャズとの出会い/ルール嫌いの森田少年/一度目の上京/二度目の上京/遅れてきた大学生/「恐怖の密室芸人」/変わらぬ趣味人/2 理想の悪ガキ・ビートたけし/貧乏と悪ガキどもの世界/母の教育/「みな嘘っ八」にみえた新宿時代/即興芸としてのコント/「ひとり団塊世代」たけし/コントから漫才へ/理想の悪ガキ/3 笑いの教育者・明石家さんま/学校の人気者/落語家からタレントへ/吉本新喜劇とテレビ、その密接な関係/最初のテレビっ子芸人/転機となった『ヤングおー!おー!』/『オレたちひょうきん族』で全国区の存在に/「笑いの教育者」としてのさんま/第2章 「お笑いビッグ3」とダウンタウンの台頭/1 ダウンタウンの東京進出と「お笑い第3世代」/芸人世代論の始まり/NSC、誕生/尼崎というルーツ/ダウンタウンの苦闘/「2丁目現象」で若者のアイドルへ/「お笑い第3世代」と『夢で逢えたら』/テレビを遊び場にしたとんねるず/お笑い第3世代・ダウンタウンの試練/2 ダウンタウンが起こした“革命”/東京での初冠番組『ガキ使』/『ガキ使』フリートークという革新/『ダウンタウンのごっつええ感じ』スタート/突破口になった「おかんとマーくん」/「トカゲのおっさん」という到達点/視聴者が芸人に試される関係に/松本人志の使命感と『ごっつ』の終了/3 「お笑いビッグ3」とダウンタウン/「しょーがねーなー」という立ち位置/北野武と松本人志の類似点/お笑いから離れ始めたたけし/MCの時代をリードしたさんま/さんま vs. 素人/タモリとオチのない笑い/趣味人・タモリへの道/芸人世代論はなぜ1990年代に定着したのか?/第3章 『M‐1グランプリ』と「お笑いビッグ3」ほか
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お笑いと社会の変遷がわかる
2021/08/22 22:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビとお笑いの歴史と社会の関係を考察する社会学的な言説。お笑いビッグ3の立ち上がりがら、今の傷つけない笑いやユーチューバーへの変遷について。80年代初頭の漫才ブームから、社会の同質性をベースとして立ち上がってきたお笑いビッグ3と、笑いが社会のメインストリームになった笑う社会。それが、徐々に変遷しつつ、ダウンタウンなどの登場、M1などで変わるお笑いの構造とビッグ3の立ち位置の変遷。そして、同質的な社会が崩壊し格差が生じ、価値観が多様化する社会で相互性の笑いへと変遷した現在のお笑い第7世代。
昨今のお笑いやらご意見版やら、著名人の炎上騒ぎに見られる感性の硬直化が問題な中、社会とお笑いの関係と時代性を感じ感性をアップデートできる、良書。
詳しいです
2021/07/30 08:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「お笑いビッグ3」のタモリさん、ビートたけしさん、明石家さんまさんをメインに、ダウンタウンのお二人、現代の「お笑い第7世代」まで、日本のお笑い界を的確に、かつ詳しく論じた画期的な1冊です。
ビッグ3やダウンタウンの経歴を中心に語られています。また、実際にテレビで放映されたネタを文章で再現するなどしています。過去にそのシーンを見ていれば、文章を読んで思い起こすことが可能です。面白い新書と思いました。