- 販売開始日: 2021/07/17
- 出版社: 草思社
- ISBN:978-4-7942-2523-8
パッケージツアーの文化誌
著者 著者:吉田 春生
旅の現場を知悉する著者が、「パッケージツアー」の成り立ちと進化の方向性を考察する稀有な社会史。日本人の「旅」の大半を担ってきたにもかかわらず、表立って語られることの少ない...
パッケージツアーの文化誌
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商品説明
旅の現場を知悉する著者が、「パッケージツアー」の成り立ちと進化の方向性を考察する稀有な社会史。
日本人の「旅」の大半を担ってきたにもかかわらず、表立って語られることの少ない「パッケージツアー」の来歴に光を当てる。
21世紀の成長産業として期待される「観光」の在り方を考えるためにも必読の一冊!
第5回草思社・文芸社W出版賞金賞受賞作品。
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驚異の島ガラパゴス22日間
2022/04/02 19:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1970年代には「ザ・グレート・サハラ34日間」、「驚異の島ガラパゴス22日間」といった魅了満点のツアーを催行していた旅行社があったんだな
パッケージツアーを再考するにはよい機会である
2021/07/05 18:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:寺前秀一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変優れた本であるが、あえて指摘する点があるとすると下記の通り
戦後、大事なお客である米国人に対する悪徳業者の取り締まりは、米軍のにらみが聞いており日本の法律は必要がなかったのであるが、1952年施政権返還に伴い貴重な外貨獲得政策のため、インバウンド向けの、旅行あっせん業法が制定されたのである。1971年に旅行業法に全面改正されたのは、同年にインバウンドの数はアウトバウンドの数を上回り、日本人海外旅行者の保護が重要な政策になったからである。
私の問題意識と大きく異なるところは、旅行業法だけではなく、鉄道事業法、国際観光ホテル整備法等の実サービス法との関係を総合的に理解する必要があるという点で、本書ではほとんど記述がなされていないところである。同世代であるので、国鉄の商品を取り扱っていたことがうかがえるが、その当時は国鉄運賃は国有鉄道運賃法により法定されており、器用に旅行業者が取り扱えるようにはなっていなかった。しかも運送契約内容は、現在でも、鉄道営業法で規定されているから、本書を読んでいても、その点への問題意識のずれがあると感じてしまう。
日本の旅行業法の特徴に、いわゆる単品パックといわれるものがある。欧米では、パック旅行は航空制度から始まっており、複数のサービスの組み合わせと出発から帰宅までの時間間隔が24時間を超えるというルールがある。これは現在の日本の国内航空会社でも生きているルールである。従って単品パックは、国鉄制度が生み出したものであり、わが国特有のものである。この点への言及がなされていない点で、物足りなさを感じてしまう。
さらに、踏み込んでいえば、本書では条文に即して解説しており、条文に即するとすれば、日本の旅行業法は、利用運送、利用宿泊について規定している。しかしながら、実体としてもその商品は存在せず、標準約款も準備されていない。この点が利用運送が主体の物流界と大きく異なる点である。ポストコロナの商品としては避けて通るべきではないであろう