雲霧仁左衛門(前後)合本版(新潮文庫)
著者 池波正太郎
神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名...
雲霧仁左衛門(前後)合本版(新潮文庫)
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商品説明
神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。 ※当電子版は新潮文庫版『雲霧仁左衛門』前後巻をまとめた合本版です。
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雲霧一味のたくらみがすべてうまくいったわけではなさそうな話
2023/06/10 23:29
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
徳川八代将軍の治世に、人を殺傷することなく金品を盗み出すと雲霧一味の名古屋での勤めの顛末を描いた「前編」と、江戸での勤めの顛末の「後編」をまとめて読むことができる合本版。勤めをたくらむ雲霧一味と、それを阻止せんとする火付盗賊改方との闘いといった話だ。
池波正太郎らしい筆致でスイスイと読ませられてしまい、それぞれの勤めがいかにして運ばれていったのか面白く読んでしまった。が、なんだか少し物足りないというか、肩すかしを食ったような感じもする。
個人的に池波正太郎作品と言えば、つい映像化されたものを思い浮かべてしまう。いわゆる時代劇ドラマで、江戸時代の風情をバックに一種様式化された爽快なクライマックスを迎えるという例のやつだ。善悪、正邪の違いはあれど、人の道を踏み外すことなく事をなすところに面白みを感じてしまうやつだ。
ところが、この『雲霧~』ではそのスカッとした感じが少なかったように思う。雲霧仁左衛門なる人物がどんな人なのかというのもあまり描かれていないように思うし、そもそも仁左衛門が先に立って勤めを行うというわけでもなく、火付盗賊改方と丁々発止のぶつかり合いをするわけでもなかった。
いや、これはどうも私の方がウラ『鬼平犯科帳』のようなものを期待して読んだから感じてしまったことのようだ。
そんな先入観をなしにして読めば、これもまた池波作品らしい小説だったのだ。